緊急事態宣言が解除され、徐々に活動再開の動きが見られる現在、飲食店の多くは3密の回避や飛沫感染予防を行うなど、新しい生活様式に対応した営業を実施しています。
しかし東京都内での感染者数は7月7日から100人を超え、本日7月15日に緊急記者会見が行われ、小池都知事は新型コロナウイルス警戒レベルをもっとも高い「感染拡大警報」に引き上げました。
このような状況の中、居酒屋事業者はどのように感染拡大防止策を行いながら営業を続けていけば良いのか、事例をふまえて紹介します。
また新型コロナウイルスの影響を受け、居酒屋をはじめ多くの飲食店が参入した中食(なかしょく)事業について、参入時に気を付けるポイントや、7月14日から開始された給付金制度の概要を合わせて解説します。
居酒屋でやるべきコロナ対策 3つのポイント
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、居酒屋事業者は飲食店向けガイドラインを遵守しながらどのような対策が必要なのか、従業員、顧客に向けた対策方法と、店舗を営業する上で行うべき対策方法を解説します。
1. 従業員向けの対策
従業員への対策として第一に大切なことは、店舗に新型コロナウイルスを持ち込まないことです。
そのため出勤前に必ず体温を計測するように促し、事業者は従業員のなかに発熱者や感染者、その濃厚接触者が出た場合には出勤を停止するように伝えなければなりません。
就業中は飛沫感染防止策として従業員のマスク着用が必須になるほか、適切な手洗いの徹底も必要です。
そして接触感染のリスクを抑えるため、調理中に手袋を着用するなどの対応が求められます。
2. 顧客向けの対策
顧客への対策として、店舗ではマスク着用の上で来店いただくよう店舗で心がけが必要です。
同時に、来店の際には、顧客に手指のアルコール消毒をお願いする張り紙を張り付けるなどの対策も講じると良いでしょう。
客席では最低1mの間隔を保って座席についていただくことや、真正面の配置を避けることも気を付けなければなりません。アクリル板などの仕切りを設置することも有効です。
これまでよりも間隔を保つことが求められるため、入店できる人数がより限られます。
順番待ちが発生した場合には、間隔を保って並んでもらえるよう従業員による誘導も必要になるため準備が必要です。
3. 店舗内の消毒・換気などの対策
営業時間内には、「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるため、客数や滞在時間に制限を設けることや消毒、換気が必要です。
店内の椅子や取っ手、メニュー表やタッチパネル、卓上ベルなど顧客が触れる頻度が高いものはこまめに消毒します。
店内の換気も定期的に行うことも重要です。ドアや窓の解放のほか、既存の換気設備の点検、空気清浄機などの新たな換気設備の設置といった、換気対策の実施も必須となります。
さらに東京都では、「感染防止徹底宣言ステッカー」の活用を呼びかけており、ステッカーの取得と設置を行うと良いでしょう。
居酒屋のコロナ対策事例3選
緊急事態宣言解除から始まった新しい生活様式に合わせて、飲食店では新型コロナウイルス感染対策として独自の対策方法が実施されています。
実際に取り組まれている新型コロナウイルス対策の事例を3つ紹介します。
1. チア居酒屋:チアーズワン
チアーズワンでは、3密の回避のために店舗内の稼働率を通常の50%までに設定し営業を行っています。
消毒担当のスタッフを配置し、入店時には非接触検温を行い、除菌マットを用いた靴底の消毒から顧客の身体や衣類、カバンといった持ち物の消毒も実施しています。
この消毒にはアルコールの代用として次亜塩素酸水を使用しています。
除菌ペーパーを使った顧客の携帯電話の消毒も行っています。顧客には食事中以外のマスク着用のほか、店内での手袋着用を義務付けており、徹底した新型コロナウイルスへの対策が講じられています。
2. 大衆酒場五の五:消毒による割引サービスを行う
磯丸水産など居酒屋を複数運営するSFPホールディングスが手掛ける「大衆酒場五の五」の一部店舗では、新型コロナウイルス感染対策としてユニークなプロモーションを実施しています。
その内容は、入店時・着席時に「消毒すると最初の一杯を5円」で提供するというものです。
このプロモーションはなかなか消毒をしない飲酒者の意識改革に活用されており、Twitter上には「非常に効果的」といった称賛の声が寄せられています。
3. 赤瓦:店内の空気まで徹底消毒
赤瓦では、超音波イオンミスト噴射機を設置し、次亜塩素酸水のドライミストを店内に噴出することで、空間を丸ごと除菌する対策が実施されています。
次亜塩素酸水は、アルコールよりも低刺激で、かつ同濃度の次亜塩素酸ナトリウムの80倍以上の除菌力があるといわれています。
次亜塩素酸のドライミストミストは一度除菌・消臭すると無害な水蒸気になるため、人体に悪影響を及ぼすことがなく安心して利用できる特徴があります。
赤瓦はマスクの着用、手指のアルコール消毒、ビニールカーテンの使用による感染対策にも取り組んでおり、安心して飲食を楽しめる環境づくりがなされています。
コロナショックで居酒屋は経営難に…乗り切るための2つのポイント
新型コロナウイルス感染拡大で受けた経営難を乗り切るために、政府は6月下旬に新たな支援を開始することを発表しました。
そして、新しい生活様式に移行することを契機に新たに中食事業へ参入した飲食店や、現在参入を検討している例も多く見られます。
ここでは、新たに始まった給付金の内容と中食事業参入のメリット、及び注意点を解説します。
1. 補助金の申請
中小企業庁では、6月下旬に「家賃支援給付金」の配布を実施することを発表しました。
この給付金では、テナント事業者のうち、中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者に家賃の2/3の金額を半年分給付するものです。
給付額は法人は最大600万円、個人事業主は最大300万円となっています。対象は5~12月において、いずれか1ヶ月の売上が前年同月に比べ50%以上減額、または連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減額した事業者などです。
7月14日より申請が開始となるため、売上が激減している居酒屋経営者はこの給付金の申請を検討するとよいでしょう。
2. 中食(テイクアウトなど)事業への進出
テイクアウトなど中食事業は、飲食店にとって稼働率を気にせず販売できるというメリットがあります。
接客する従業員の人数を最小限に抑えられるため、人件費も削減できます。
テイクアウトアプリ「menu(メニュー)」では、新たにテイクアウトサービスを始める飲食店に向けて、2022年3月まで初期設定費、サービス利用料、カード手数料が無料になるキャンペーンを実施しています。
menuのような導入費用が一切かからないサービスは、準備が整い次第すぐに開始できるため、飲食店にとっては強力な味方といえます。
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大きな打撃を受けている
ただし、新たにテイクアウト事業を始める際には、「飲食店営業許可」だけでは対応できない場合もあります。
飲食店営業許可でカバーできるテイクアウト事業は、店舗の厨房で料理を作り、店先で販売する、または店舗からデリバリーをする部分です。
しかし、弁当を作り置きして販売する場合には、営業許可種目の中に「そうざい」「弁当屋」などが必要であり、細分化された許可への注意が必要です。
また、衛生管理の面では保存に適したテイクアウト用の容器の準備など、店舗営業とは違った衛生管理が求められることも頭に入れておかなければなりません。
テイクアウト事業に新たに取り組む場合は、地域の保健所へ相談に向かうことが第一歩となります。
居酒屋でも、コロナ対策できているかどうかがお店選びの基準の一つに
新型コロナウイルスの感染拡大により、ソーシャルディスタンスの確保や消毒にさまざま工夫を取り入れながら営業している飲食店が見られるようになりました。
事業継続のために中食事業を始めた居酒屋も多く、新しい生活様式に対応した日常が動き出しています。
店舗での新型コロナウイルス感染を防ぐべく、居酒屋ではこれからも人と人との間隔を空けることや、細部まで消毒を行うほか、中食事業参入する場合には、衛生管理や販売免許についても細心の注意を払うことが必要です。
また業種別に作成されているガイドラインを守りながら営業しているかどうかも、今後のお店選びの基準の一つとなる可能性があります。
飲食業界全体において、居酒屋だけでなくさまざまな店舗の事例も参考に新型コロナウイルス対策に取り組むことが、今後の明暗を分けることになるでしょう。
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