飲食店においてゴキブリ対策は衛生管理のためだけでなく、店舗評価につながる重要なポイントです。食事をする環境でゴキブリが存在することは食中毒の危険性もあり、顧客に不快感を与えてしまうためです。
また、どんなに対策をしていても店内で顧客にゴキブリを目撃される可能性はゼロでないため、駆除対策とともに顧客への対応方法も考えておく必要があります。
本記事では、飲食店で実施すべきゴキブリ対策と駆除の方法、また顧客が目撃して口コミなどに書かれてしまった場合の対応について解説します。
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ゴキブリの習性・多い発生要因は?
ゴキブリ対策を行うためには、まずゴキブリの習性や発生する環境について知識を深める必要があるでしょう。
1. ゴキブリは外から大量に侵入することが多い
どんなに部屋をきれいに保っても、薬品などを用いて駆除対策を行ってもゴキブリが出てくることがあります。この場合、ゴキブリは住みやすい環境を求めて外から侵入した可能性があります。ゴキブリは水や餌がある環境、日光を避けられる場所を好み、小さな隙間から住居や飲食店などに侵入するといわれています。そのため、換気扇やエアコンの排水ホース、外壁のひび割れなど、外から侵入できる可能性がある場所をすべて塞ぐことで対策できます。
2. ゴキブリの住みやすい環境は「高温多湿、狭くて暗い」
ゴキブリは「温かい、湿度が高い、暗い、狭い」環境を好むほか、雑食であり食べ物のある場所やニオイのある場所にも住み着きます。
これらの点で、飲食店にはゴキブリにとって望ましい環境が整っているといえます。たとえば、冷蔵庫やシンク周りは高温多湿の環境になりやすく、そこに食べ物のカスやゴミが溜まっているとゴキブリの住処にされてしまいます。ゴキブリの好む環境を理解し、それを徹底的に無くすことが重要です。
飲食店でよく発生する「チャバネゴキブリ」というゴキブリは、食中毒を引き起こすサルモネラ菌をはじめ、大腸菌、ピロリ菌などを持っています。万が一、ゴキブリが食べ物に混入し食中毒を引き起こせば、飲食店は営業停止に追い込まれる可能性があります。
店舗の衛生管理や顧客の安全管理、店舗の評判を守るなどのさまざまな意味で、ゴキブリ対策は必要不可欠です。
3.ゴキブリの種類も把握しておく
飲食店に出やすいゴキブリの種類は主に2つで、先述した「チャバネゴキブリ」と「クロゴキブリ」です。
チャバネゴキブリは、他の種類に比べて小型で、小さな隙間からも侵入できるのが特徴です。飲食店で一番多く見られる種類といわれています。
次に繁殖しやすいクロゴキブリは、大型で、住居で繁殖することの多い種類ですが、飲食店で見つかるケースもあります。
他にも、地域によっては、ワモンゴキブリやヤマトゴキブリ、高温多湿の地下街などではトビイロゴキブリなどが発生する場合もあります。
営業停止を防ぐために店舗ができるゴキブリ対策
ゴキブリの習性や住処にしやすい環境を知ったうえで、飲食店が取り組むべきゴキブリ対策を紹介します。これらのゴキブリ対策は従業員全員に共有し、習慣化しなければ意味がありません。
1. 整理整頓の徹底
狭い場所を好むゴキブリにとって整理整頓がされていない環境は、繁殖するのに最適な環境です。すでに侵入しているゴキブリを発見するためにも整理整頓が必要です。
特に、食品や調味料を置いておく棚などは常に整理することを心掛け、顧客の口に運ばれるものをゴキブリから守るように対策をします。また、ダンボールは繁殖に使われる可能性が高いため、すぐに処分しましょう。
使ったものはすぐ元の場所に戻す習慣をつくり、閉店時にチェックして管理することで、整理整頓された環境を維持できるでしょう。
2. 見えない部分も掃除
ゴキブリは小さな隙間からも侵入して繁殖する場所を探せるため、見えない部分にも注意を払わなければいけません。床やシンク周りに食材の切れ端などが残らないように掃除を徹底し、生ゴミはその日のうちに口を閉じて処分します。
また、ゴキブリは水一滴で数週間も生きられるため、水分が残らないように拭きあげ掃除も取り入れると効果的です。
飲食店はピーク時の忙しさや締め作業の多さで掃除を後回しにしがちですが、食中毒など最悪の事態を避けるために、細部の掃除まで徹底できるよう業務を調整することが大切です。
3. 侵入経路を塞ぐ
ゴキブリは小さな隙間をも侵入経路にして、住処や繁殖場所を求めます。たとえば、先述したようにチャバネゴキブリはゴキブリの中でも小柄で、2mm程度の隙間があれば通り抜けできます。
ドアの隙間やエアコンのダクト、排水溝など侵入経路として考えられる箇所にはテープを貼ったり、ネットを付けたりして対策を行います。
小さいゴキブリが出た場合にすぐできる対処法3つ
飲食店で実際にゴキブリを発見した場合、他にもゴキブリがいることを考慮した対策が必要です。ここでは市販の殺虫剤や罠を使った対策方法を紹介します。1. 除湿剤やベイト剤を活用
梅雨時や夏場は湿度が高く、ゴキブリが活発に行動するため、なるべく湿気をなくすように除湿剤を活用します。水分ができるだけ残らないよう掃除を徹底し、さらに除湿剤でカバーするとより効果的です。
また、有効な駆除方法の一つにベイト剤(毒餌)があります。ベイト剤とは、ゴキブリが仲間の糞や死骸を食べる習性を活かした駆除方法です。毒餌を食べたゴキブリが巣に戻り、その糞や死体を仲間のゴキブリが食べることで、他のゴキブリも一緒に駆除できるというものです。
2. 罠を仕掛ける
ゴキブリ用の罠は、ゴキブリが好むニオイでおびきよせ、粘着テープによって動けなくするものです。
水回りや冷蔵庫の隙間など、ゴキブリの侵入経路になりそうな狭い所や高温多湿になりやすい場所に罠を設置することで、繁殖や侵入を防げます。
3. くん煙剤・殺虫剤を使う
殺虫剤を用意しておけば、ゴキブリを発見した時にすぐに駆除できます。ゴキブリを叩いて始末してしまうと、体液などが床に飛び散って後の処理が大変であるため、殺虫剤を用いた方が良いでしょう。ただし、食品の近くでは使用しないなど、注意を払う必要があります。
また、くん煙剤という、殺虫効力のある霧を部屋のすみずみまで拡散させる方法を定期的に行うことも有効です。煙なら罠が設置できない隙間にまで届くため、多少大掛かりな作業であっても行いたい対処法の一つです。
飲食店でゴキブリ駆除するのにかかる費用
上述した対策グッズを用いて、自身で駆除や対策を行っても、ゴキブリが発生してしまう場合には、害虫駆除の専門業者への依頼も検討すべきです。
費用がかかるとはいえ、プロのノウハウによって確実な駆除と防止をしてもらえるでしょう。
費用は、飲食店の広さやゴキブリの繁殖状況によって異なりますが、大体1坪3,000円~が目安です。
飲食店が依頼できるゴキブリ駆除サービスのある業者
さまざまな業者が飲食店向けのゴキブリ駆除サービスを提供しています。
たとえば、害虫や害獣の駆除サービスを提供する「日本防疫」は、飲食店や食品工場向けに、食品取り扱い施設でも安全な方法を採用したゴキブリ駆除サービスを展開しています。営業時間内の昼間でも行える方法であるため、費用も安価におさえられています。
害虫、害獣駆除の「ベイトータルサービスジャパン」では、1回の駆除だけでなく、施工後3カ月ごとの点検や再発防止のための環境改善の提案など、コンサルティングも含めたゴキブリ駆除サービスを提供しています。飲食店では、最低価格25,000円~実施しています。
「ミヤコ消毒」は、飲食店の清掃や消毒、害虫駆除に特化したサービスを提供しています。潜伏場所と徘徊場所を探し、両方に対して薬剤などで対策を行います。施工料金は10~19坪で20,000円(税別)が目安です。
目安価格やサービス内容を照らし合わせながら、複数の会社に見積もりを取ることで費用を抑えられるでしょう。
<参照>ミヤコ消毒
万が一ゴキブリを顧客が目撃し、クレームや口コミに書かれてしまったら?
どんなに対策をしていても、店内で顧客にゴキブリを目撃されてしまう可能性はゼロではありません。ゴキブリを目撃した状況や顧客の行動に適した対応で、穏便に解決できるように対策を用意しておきます。
直接クレームを言われた場合/話を聞き、謝罪を
営業中に顧客がゴキブリを目撃し、クレームを言われた場合、可能であれば駆除を行い、顧客の対応を行います。
まずは、顧客の話を聞き、不快にさせたことについて謝罪し、できる限りの解決策を示します。席の移動を提案したり、ドリンクやデザートをサービスしたりと丁寧に対応をすれば、店舗のイメージを改善できるでしょう。
また、ゴキブリが料理に混入していた場合は、すぐに料理を下げて作り直し、返金や次回の無料チケットを渡すなどの対応を取ります。
こうした店内での対応方法は従業員全員に共有し、忙しい時間帯でも各スタッフが適切に対応できるようにしておく必要があります。
口コミで書かれてしまった場合/謝罪の返信・対策方法を伝える
口コミにゴキブリを見たと書かれてしまった場合は、謝罪の返信を行い、ゴキブリへの対策と顧客への対応策を提示します。
たとえば、ゴキブリ駆除の業者に依頼をして店内の点検を行うこと、当日の食事代を返金したいという提案を謝罪文とともに返信します。
口コミは集客において強い影響力を持ち、ユーザーは投稿された評価や店舗側の口コミへの対応にも注目しています。「ゴキブリがいた」「不快な気持ちになった」などの口コミを放置してしまうと、不衛生な店舗というイメージがついてしまうため、迅速に対応することが重要です。
「ゴキブリが出る店」という評判を立てないために:対策の徹底と口コミ管理を
飲食店はゴキブリが好む環境になりやすいため、外から侵入できないような対策や駆除を徹底する必要があります。
しかし、どんなに対策をしていても顧客にゴキブリが目撃されてしまう可能性がゼロではなく、万が一目撃されてしまった場合には状況に適した対応をしましょう。
顧客へは謝罪の意と解決策を示し、丁寧な対応で悪い印象で終わらないように注意します。また、口コミに書かれてしまった場合は、すぐに謝罪の返信を行い、改善策と顧客への対応を明記して信頼を取り戻すことが大切です。
飲食店では、店舗イメージや顧客の安全を守るために、日頃からゴキブリ対策を習慣化させるとともに、顧客への対応方法も準備しておくと安心です。
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