Google マップやGoogle マイビジネスなど、ローカルSEO* に関連するサービスは常にアップデートが続けられています。
そこで編集部では、最新のデータやノウハウをいち早く取り上げるべく、毎週「ローカルSEOニュースまとめ」を配信しています。
今回は第32回目として、2021年8月6日から8月12日の関連トピックをお伝えします。
* ローカルSEOとは、店舗を検索によって見つけてもらい来店につなげるために、Web上の店舗情報を充実させたり口コミを整備したりする施策を指します。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
Googleマップ新機能:スマホ版ナレッジパネルの投稿に「メッセージ」ボタン追加
Googleマイビジネスには、ユーザーからビジネスオーナーに向けてメッセージを送れる「メッセージ機能(※2024年7月31日以降、メッセージ機能は利用不可)」があります。メッセージ機能は、Googleマイビジネスから機能をオンにすることで利用できるようになります。
8月の第二週に、このメッセージ機能を使うための導線が増えました。ユーザーがスマホでビジネス情報を検索すると、ナレッジパネルが表示されますが、個々に並ぶ「投稿」コンテンツのそれぞれにチャットボタンが表示されるようになりました。
ユーザーがこの機能を利用して送信したメッセージは、Googleマイビジネスの管理画面に届きます。
<参照>
Google マイビジネス ヘルプ:メッセージを読み、返信する
Googleマイビジネステスト「Reviews on Independent Sites」の表示
イングランドのデジタルマージケティング企業のBrandon Schmidt氏は、Googleのビジネス情報に外部サイトにおけるユーザーレビューの件数が表示される事例を自身のTwitterで伝えています。
この情報がシェアされたTweetの返信欄には、同じ表示が見られた複数のケースが集まっています。一方で、この表示が起こる事業カテゴリに共通項が存在するかどうかは確認できておらず、機能のテスト中であるようです。
この機能によりユーザーは、検索結果からGoogle以外のプラットフォームでの評価がチェックできるようになります。
なお編集部が確認した範囲では、日本国内ではこのような表示は起こっていないようです。
これまでも、検索結果右側に表示sれるナレッジパネルには、「ウェブ上のレビュー」として各口コミサイトの平均点や口コミ件数が表示されていました。Google以外のレビューサイトで良質な口コミを獲得することの重要性が、今後、より高まるかもしれません。
Yelp「ワクチン接種証明の提供が必要」「従業員ワクチン接種済」属性を追加
飲食店などの口コミが投稿できるサービス「Yelp」では、店舗スタッフのワクチン接種状況や、入店客に対する接種証明の持参について公開できるようにしました。
米国ではデルタ株の感染拡大や、従業員や入店顧客のワクチン接種義務化が進んでおり、こうした背景からYelp上でも属性として追加されたと考えられます。
ワクチン接種状況の公開により、未接種者との接触を減らすことにもつながり、感染リスクやトラブル回避にもつながるとしています。
日本では、グルメサイトなどで感染対策の実施状況を公開したり、都内店舗では感染防止徹底宣言ステッカーを掲示するなど各種取り組みが進んでいます。Yelpのような取り組みも、心理的な安心感から集客にも効果が期待できるでしょう。
※画像の日本語版では未実装
<参照>
Yelp introduces “Proof of vaccination required” and “Staff fully vaccinated” profile attributes
海外発ローカルSEOノウハウ
海外で先行しているローカルSEOのノウハウについて紹介します。
1. GoogleマイビジネスでUTMパラメーターを利用
GoogleマイビジネスにはサイトのURLを設定できます。また、投稿機能にもリンクを設定したボタンを配置できます。
これらのリンクに、パラメータを付与したURLを設定すれば、Googleのビジネス情報経由のアクセスについて詳細を把握できるようになります。
<参照>
MOZ:UTM Tagging for Google My Business
2. MozCon Virtual 2021に学ぶ店舗ビジネスのマーケティングのコツ5選
デジタルマーケティングのカンファレンス「MozCon Virtual 2021」が開催されました。同会議で紹介された、店舗ビジネスのマーケティングに役立つ情報をピックアップして解説します。
1. 投稿機能の使い方のコツ
Googleマイビジネスの投稿機能で扱う情報のうち、2020年に反応がよかったカテゴリは「特典情報やコロナウイルス関連」でした。
また、フリー素材は使わないほうがよく、画像に文字が入っている方が望ましいという示唆が得られています。
本文に絵文字を利用することでもフレンドリーな印象を与え、クリックが増えたことも報告されています。
2. オンライン上のコンテンツがコロナでより重要に
新型コロナの流行のなか、消費者は引き続きオンラインで情報収集しています。
こうした状況で、店舗ビジネスは自ら情報発信をする姿勢が必要であることが会議では説かれました。
Googleでの検索結果に表示される自社コンテンツが、検索ユーザーの要望にこたえる内容であれば、検索結果画面でクリックされしっかりと読まれます。これにより、店舗の認知獲得や集客に効果があるだろうことが推測されます。
3. 既存コンテンツのリライト
一度公開したウェブサイトのページは、時間の経過とともにアクセスが減少することが少なくありません。
過去に公開した記事を更新することで解決します。しかし、サイト規模が大きいほど担当者に負荷がかかり、更新が難しくなります。
Google Analyticsや、Google Search Consoleを利用して、トラフィックが減っているコンテンツや、検索結果での順位が落ちているコンテンツを把握することで、効率的に対処すべきコンテンツを把握できるでしょう。
4. 他社の成功事例とその要因を理解し、まねをする
ウェブコンテンツにどのような要素を含めるかについて、他社の成功事例は参考になります。
たとえばGIF画像をJPEGとして保存すれば、Googleマイビジネスから投稿できます。コンテンツが表示されたときの存在感を高めることにつながり、競合との差別化にも有用でしょう。
5. 顧客が「本当に欲しい物」を理解する
自社のサービスについて、顧客が何を求めているかを理解することが重要です。
たとえば同じ飲食店であっても、カフェとレストランでは、顧客が店舗に求めるものが異なってきます。
顧客が自店舗に期待するのは価格の安さなのか、店舗空間の雰囲気なのか、デリバリーサービスのスピードなのか、メニューの豊富さなのか、さまざまな可能性を排除せずに理解に努めることが重要です。
顧客のニーズを読み違えると、顧客獲得のための費用に多くの無駄が生まれてしまいます。
今週のGoogleマイビジネスヘルプコミュニティ、注目のQ&A3選
ここでは、8月6日から8月12日の間にGoogle マイビジネスのヘルプ コミュニティに投稿された質問の中で、注目したい質問と回答の内容を抜粋して解説します。
1. 登録した情報にオレンジ色の字で間違った訂正が入る
質問
- 整体院院長です。ビジネスプロフィールにある「サービス」の項目で、割引の有効期限をオーナー権限で毎月変更しています。
- しかし、変更の翌日などに勝手にオレンジ色で3月31日に書き換えられてしまい困っています。
回答
- オレンジ色のデータはGoogleまたは一般ユーザーによる変更や修正の提案内容であり、オーナーに情報が正しいかどうかを尋ねている状態です。
- この事象が起きている理由として、Web上に3月31日という表記がありそれを参照してGoogle側で書き換えていることがまず考えられます。
- 修正提案については、その提案を破棄することができます。具体的な操作は、Googleマイビジネスの左メニューの「お店とサービス」から店舗一覧画面を出し、店舗の横のチェックを入れ、右上の「操作」から「破棄」を選択です。
<参照>
Google マイビジネス ヘルプ コミュニティ:情報内容を勝手に書き換えないようにしてください 毎月期限の変更をしていますが、それをした翌日などに勝手に3月31日に変更されて、とても迷惑です。 解決をお願いいたします。
2. 各店舗がビジネス情報を更新しているか把握したい
質問
- 組織で100店舗以上をGoogleマイビジネスに登録、管理しています。各店舗のビジネス情報について、組織内で担当を割り振り更新しており、稼働状況を把握したいです。
- 現状、Googleマイビジネスの管理画面から、稼働状況を把握していますが、投稿状況や内容を確認するのに工数がかかっています。
- 稼働率を効率よくチェックする方法を教えてください。ただし、予算はありません。
回答
- Googleマイビジネスの公式の機能だけで、目的を達成することは難しいでしょう。Google以外が提供する、有償の各社ツールを導入することで解決できると思われます。
- 費用をかけられないというのであれば、更新を担当する人員に協力してもらい、スプレッドシートなどで管理する方法がおすすめです。
- 全項目をチェックするのではなく、「最新情報」や「顧客にとって有益な情報」を届けているかという観点に絞り、営業時間の更新や口コミ対応などを優先的にチェックするというのも一案です。
<参照>Google マイビジネス ヘルプ コミュニティ:稼働率の検証方法について
3. ユーザーは同じビジネスに複数回口コミを投稿できるのか
質問
- 同じユーザーが同じビジネスに対し複数回クチコミを投稿することは可能でしょうか。
- たとえば、初回来店時に口コミを投稿したものの、2回目来店では違う感想を抱き店舗に対する評価が変わった場合、新たな口コミとして投稿できるのでしょうか。
回答
- 同一アカウントからは複数の口コミを投稿できません。ただし、過去に投稿した口コミを修正して更新できます。
- この場合、口コミの表示順序がソートし直され、「最新クチコミ」として上位表示されます。
- 既にオーナーからコメントを返している口コミを更新すると、やり取りが不自然に見えてしまいます。オーナーは必要に応じて返信を書き換えると良いでしょう。
<参照>
Google マイビジネス ヘルプ コミュニティ:同じユーザー(レビュアー)が複数回クチコミを書くことは可能か?
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口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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