you.comは、11月にパブリックベータ版が公開された、新しい形の検索エンジンです。
現在、検索エンジンサービスとしてはGoogleが世界的に圧倒的なシェアを誇っていますが、you.comはGoogleとは広告を出さないことや、プライバシー保護を強く掲げているという点で、Googleとは理念を大きく異にしており対抗馬として注目されています。
この記事ではyou.comについて解説します。
you.comとは?
ここではyou.comの概要について紹介します。
個人情報を取得せず、プライバシーの保護を徹底している点がyou.comの大きな特徴です。
you.comには「パーソナライズモード」があり、この機能ではデータを誰とも共有せず、好みのソースを自分で選択しながら検索を行うことができ、広告も表示されません。
同社は現在、検索エンジン市場で圧倒的なシェアを持つGoogleから、シェアと売り上げを奪うことを掲げています。現時点でSalesforceの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏から総額2000万ドル(約23億円)の資金を調達していることなどから、このビジネスモデルにかけられている期待がうかがえます。
Googleとの違いは?
you.comとGoogleの違いは、ユーザーから情報を収集するかどうかにあります。
Googleは個人の検索履歴や位置情報などの情報をユーザーから収集し、それに合わせたアルゴリズムによってサービスやお店、商品の広告が表示されるなど、ユーザーからの情報とサービスが強く結びついています。このようなモデルは経済的に大きく成功したものの、独占や個人情報保護への社会的要求が高まる昨今では、批判の的になることもあります。
一方でyou.comはユーザーのデータを広告主に売ることも、ネット上でトラッキングすることもないとしています。広告以外の別の方法で収益を上げ、オープンなサービスで提供することを優先したサービスづくりをする方針で、Googleに対抗しようとしています。
you.comの検索画面
you.comは2021年11月にサービスの提供を開始しています。現状は英語版のみ利用できますが、検索自体は日本語でも可能です。
ここではyou.comの検索画面紹介し、その特徴について解説します。
検索結果は列上に表示
you.comの検索結果は列上に表示されます。縦軸に情報ソースが並べられており、横軸にそれぞれの情報ソースからヒットしたWebページが表示されます。ユーザーはそれをスワイプして情報を探すことができます。
情報ソースとしては通常のWeb検索のほか、WikiepediaやStackOverflowなど特定のWebサイトからの情報がまとめて表示されます。情報ソースにはそのほか、アメリカの投稿型サイト「Reddit」やTripAdvisorなどがあります。
画像や動画の検索も可能で、動画はサムネイル画像付きで表示されます。Googleでいう強調スニペットのようなQuick Factsという機能も確認されています。
以下は、「渋谷」を検索ワードとしてyou.comに入力した場合の検索結果です。
「場所+業種」検索では?→店舗名や口コミは表示されない
Google検索では、「渋谷 レストラン」のように「場所+業種」で調べた際、場所周辺の地図とともに店舗情報や口コミが見られる、「ローカル検索(場所の検索)」が発達しています。
一方現状のyou.comでは、日本語の場合「場所+業種」で検索した際には具体的な店舗名や口コミなどが表示されず、Webサイトや動画のみが表示されます。
たとえば、以下は「渋谷 ランチ」で検索した結果です。Googleでは表示される特定の店舗の住所などの情報や、口コミなどは検索結果に反映されていません。
広告なしのyou.com、プライバシー重視でGoogleに対抗
日本の検索エンジンのシェアは2021年10月時点で75%であり、圧倒的なシェアです。一方で近年では情報を大規模に収集することで起こる実質的な寡占状態や、情報を商業的に利用することへの批判も高まっており、規制が必要ではないかという声も高まっています。
一方でyou.comのように、個人情報に配慮した形での検索エンジンが増え、大きくシェアを取る可能性もあります。その他、GAFAのような巨大サービスに対抗するようなサービスが生まれていくのかもしれません。
今後もyou.comをはじめとした新興サービスに注目が集まります。
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