マーケットメイブン(市場の達人)はどんな消費者?オピニオンリーダーなどとの違いも解説

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ネット上の個人による情報発信や、個人発の情報をチェックすることは日常化しています。企業の商品開発やマーケティングにおいて口コミの重要性は格段に上がりました。

消費者については、昭和の時代よりイノベーター理論オピニオンリーダーなどを対象に、専門家による研究が続けられています。これらの研究の中でも情報の拡散に優れる消費者として挙げられているのが、マーケットメイブン(市場の達人)と呼ばれるタイプの消費者です。

この記事では、マーケットメイブンの特徴やほかのタイプの消費者との違い、適切なアプローチ方法を紹介します。

マーケットメイブンとは

マーケットメイブンという言葉自体は、イノベーターやオピニオンリーダー同様に昭和の時代から存在します。この「マーケットメイブン」は口コミ提供においてどのような役割を担う消費者なのか説明します。

マーケットメイブンの特徴

マーケットメイブンとは「幅広い分野の情報をほかの消費者に提供することに長けている消費者」を指します。1987年にローレンス・フェイック氏とリンダ・プライス氏が発表した論文にて提唱されました。

マーケットメイブンオピニオンリーダーインフルエンサー同様に市場に流通する商品の情報を他者に提供する役割を持ちますが、幅広い分野の新情報をマスコミから収集して、面白いと思ったものを拡散する傾向にあります。

専門分野を持つことの多いオピニオンリーダーに比べ、マーケットメイブンは情報の収集範囲が広いため、一般消費者が欲している情報を拡散しやすいことも特徴の一つです。

<参照>
読売ADリポート ojo:adv.yomiuri
あの人はオピニオンリーダーと市場の達人どっちなのだろう:ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦:オルタナティブ・ブログ
小売店の売上を左右する?「口コミしてくれる顧客」が超重要と言えるワケ 【連載】儲かる小売店の「つくりかた」|ビジネス+IT
市場の達人(マーケット・メイブン) | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

同義語は「市場の達人」。「情報通」との違いは?

マーケットメイブンは日本語で「市場の達人」もしくは「情報通」と呼ばれることもあります。

「情報通」はマーケティング用語以外の広い意味でも使用されていますが、「市場の達人」はマーケティング業界のみで用いられています。

マーケティングという側面から見れば、どちらもマーケットメイブンを指す言葉として理解してよいでしょう。

消費トレンドへの影響力・フェーズ別消費者分類

市場にはマーケットメイブンとは違った動きを見せる消費者が存在し、複数のグループに分けることができます。

リードユーザーやイノベーターなど口コミマーケティングにて重要視される消費者の特徴や、マーケットメイブンとはどのような相違点があるか解説します。

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オピニオンリーダー

オピニオンリーダーとは、マーケットメイブン同様に一般消費者に対して新商品の情報を拡散するタイプの消費者です。

特定分野への深い知識と高い発言力を持っていることが特徴で、マーケットメイブンに比べると狭く深く情報を拡散し、特定のコミュニティ内で支持を得ている傾向にあります。

また、オピニオンリーダーは実際に商品を使用した感想を述べるなど自身の情報に責任を持っているのに対し、マーケットメイブンは情報そのものに魅力を感じることができれば拡散するなど、情報の扱い方にも違いが生じます。

後述するイノベーター理論では、オピニオンリーダーはアーリーアダプターに該当するため、情報拡散において重要な役割を担う消費者です。

インフルエンサー

インフルエンサーとは、おもにSNSにて自身のフォロワーに対して情報発信を行う、影響力のある消費者です。

イノベーター理論ではアーリーアダプターにあたり、特定のコミュニティで情報発信を行う点はオピニオンリーダーと似ています。ただし、オピニオンリーダーは不特定多数に情報発信をするのに対し、インフルエンサーはファンに情報発信をするという相違点があります。

インフルエンサーには人間以外のアカウントも含まれます。

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イノベーター

マーケティングにおいて重要な理論のひとつにイノベーター論があります。

市場浸透に関する理論で、情報が行き着く段階を段階に分けており、特にオピニオンリーダーマーケットメイブンなどアーリーアダプターへの訴求が重要とされています。

アーリーアダプターより1段階前の消費者を「イノベーター」と呼び、市場浸透で最速の位置にいる点が特徴です。イノベーターは誰よりも早く最新商品を試すことに価値を感じており、市場全体のわずか2.5%しか存在しないと言われています。

アーリーアダプターが商品を吟味するのに対し、イノベーターは商品評価が定まっていなくても支持してくれる傾向にあるため、ほかの消費者とはまた違った重要性を持つ消費者ともいえるでしょう。

リードユーザー

マーケットメイブンオピニオンリーダーが市場浸透にかかわる消費者であるのに対し、リードユーザーは商品開発の段階で企業に貢献できるタイプの消費者です。リードユーザーはアーリーアダプターの一種と言われています。

リードユーザーは潜在ニーズの発掘に優れています。のちに一般的になるニーズに先取りで気づいたり、あるいは自身が直面したりという理由から、課題の解決を図るために行動しています。

ポケベルやマスキングテープなど、リードユーザーによる潜在ニーズの把握は幾度も企業の新商品開発に貢献していますが、多くの消費者はまだその課題を実感していないため、リードユーザーの所感には共感できないことも少なくありません。

こうした点からは、大衆に向けた情報発信や口コミ提供には不向きな消費者層ともいえます。ただしリードユーザーへの理解を深めることで、ヒット商品のヒントが手に入ります。

<参照>
“顧客志向”の潮流の中で、注目を集める「ユーザーイノベーション」 | 電通テックの公式メディアBAE
イノベーションを巻き起こす『リードユーザー』を掴む!! | 社員教育のNISSOKEN(日創研)

マーケットメイブンへのアプローチ

さまざまな系統の情報を拡散できるマーケットメイブンへアプローチすべき理由と、マーケットメイブンに訴求するべきポイントを解説します。また、マーケットメイブンへの効果的なアプローチ方法も分析し、解説します。

アプローチすべき理由

マーケットメイブンの特徴はオピニオンリーダーインフルエンサーと共通する点もありますが、基本的に情報の発信先や取り扱い方が違います。

そして、マーケットメイブンによる情報拡散の強みは幅広い分野に興味を持ち、なおかつ情報の発信先が特定の支持者のみに限りません。

また、消費者の中で高い割合を占めることもマーケットメイブンの特徴です。よって、良い口コミを広めてもらう場合はオピニオンリーダーインフルエンサーを頼り、最新情報を一般層に広く素早く拡散してほしい場合はマーケットメイブンにアプローチするのが良いでしょう。

効果的なアプローチ方法

マーケットメイブンは依頼をすれば情報を拡散してもらえるタイプの消費者ではありません。マーケットメイブンマーケティングに活用するには、適切なアプローチをとることが重要です。

SNSが発展し情報過多気味な現状においてマーケットメイブンの動向を読み取ると、他の消費者に比べすすんで情報を深堀りしに行く傾向があります。

つまり、最初に得た情報からより専門性の高い情報を求めて行動するのがマーケットメイブンといえます。

スピード感あるニュースサイトやSNSから専門性の高い公式Webサイトへの導線を引く、雑誌等の販促や展示会・ポップアップショップの集客につなげるといった対応が、マーケットメイブンに情報の魅力を感じてもらえる戦略になることが考えられます。

<参照>
変化するコミュニケーションと ブランド論の新しい視座 後編 | ウェブ電通報
「疎かった私」が情報通に 情報収集を日常に入れるコツ:日経xwoman

消費行動への影響力を持つ存在マーケットメイブン

情報取得や商品選択に影響する個々の価値観により、消費者は複数のグループに分類できます。カテゴリごとに、消費者が喜びを感じる瞬間にも傾向があります。

こうした分類の一つであるマーケットメイブンは、情報の収集力や拡散力が高く、他の消費者に対する影響力を持っていることが特徴です。一般消費者が口コミ評価を参考に行動を決める現代において、彼らのマーケティングにおける重要性は高まっています。

また新商品や新メニューの開発、それに伴う情報発信の際には、どのカテゴリーの消費者に向けたものなのかを考慮することで施策の質を高めることにもつながるでしょう。

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