エ二キャリ(anyCarry)とは、小型商品を短時間で届けるデリバリーサービスです。
DeaaS(Delivery as a Service)を提唱し「必要な時に必要な分だけクイックデリバリーの利用が可能になる」 ことを目指したラストワンマイルのソリューションを提供しています。
同名の株式会社エ二キャリが運営するこのサービスでは、配達の対象が飲食物以外にもさまざまな小型商品に及び、今後は飲食店以外にも小売店やスーパー、ドラッグストアなど多様なジャンルの店舗との連携が見込まれています。
本記事では、エ二キャリについて、その概要や同事業が提案する流通サービス「Deaas」の詳細、また、エ二キャリの最新の取り組みについて紹介します。
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エニキャリ(anyCarry)とは
エ二キャリは、コロナ禍で勢いの増したフードデリバリー業界で、比較的最近登場したサービスです。
これまでのフードデリバリーサービスとは少し異なり、フード以外も配達する「エ二キャリ」についてその概要や対応エリア、特徴について紹介します。
エ二キャリは「今すぐ」を重視した新しいデリバリーサービス
エ二キャリとは、株式会社エ二キャリが運営するECモール型デリバリープラットフォーム「anycarry.jp」、または同名の運営会社のことを指します。
株式会社エ二キャリは2019年8月に設立された新しい会社で、「anycarry.jp」も2019年12月に公式アプリがリリースされた新しいサービスです。
同社は「街中のものが30分で手に入る社会を作る」を企業理念とし、サービスの基本概念として、短距離で少量~中量の注文を10分~25分程度で届ける「クイックデリバリー」と、誰もが配送員となり、誰もが配送を依頼し、誰もが荷物を受け取ることができる流通サービス「DeaaS」を掲げています。
現在はフードデリバリーを中心としていますが、飲食店以外にも電化製品店との実証実験が開始するなど、今後さらに業種を超えて拡大が見込まれるデリバリーサービスです。
エ二キャリの現在の対応エリアは?
エ二キャリは、本社のある東京を中心としてサービスを展開しています。
2020年9月時点では、東京の一部地域(渋谷区、港区、新宿区)でのみデリバリーサービスを提供しています。
エ二キャリは、今後まずは東京23区内全域での展開に尽力し、その後全国の主要都市への展開を目指すという意向を示しているため、対応エリアは拡大していくことが見込まれます。
利用を考える事業者は、対応エリアをこまめにチェックする必要があります。
エ二キャリを利用するメリット
フードデリバリーの配送を委託できるプラットフォームは今や数多く、差別化が図られています。
以下では、エ二キャリならではのサービスと利用する飲食店にとってのメリットを解説します。
1. 異物混入防止システムがある
エ二キャリを利用するメリットの1つ目は、異物混入を防ぐ独自のシステムがあることです。
配達中の異物混入を防ぐために、商品のパッケージに未開封が証明できるシールを使用しているほか、商品の追跡を可能にする独自のシステム開発・導入を行っています。
また、配達を行うスタッフへの教育にも力を入れ、商品の安全性の確保に注力しています。
2. 「自前デリバリー」を選択できる
エ二キャリの2つ目の特徴としては、飲食店が自前の配達サービスと組み合わせて利用できることです。
エ二キャリでは、エ二キャリのデリバリースタッフによる配達のほかに、飲食店による「自前デリバリー」が可能となっています。登録店舗はエ二キャリから入った注文に対し、「自前デリバリー」を選択した場合、消費者の購入価格の5%をシステム利用料として払うという仕組みです。
デリバリーを自店舗のスタッフで行うことで、エ二キャリに払う費用を削減することができるため、少しでも経費を抑えたい店舗にとっては嬉しいシステムといえます。
エ二キャリが提案する流通の形DeaaS(Deliverry as a Service)
エ二キャリは、商品を素早く届けるクイックデリバリー網を実現するために独自の流通サービス「DeaaS」を提案しています。
DeaaSは、Deliverry as a Serviceの略称で、ディアースと読みます。
DeaaSは、誰もが配送員になり、配送が依頼でき、荷物を受け取れるという流通サービスのモデルです。「注文サイト」「配送システム」「ドライバーインフラ」の3つの要素で構成されています。
注文サイトは、配送の受付に使用するWebサイトやスマートフォンのアプリといったソフトウェアを指し、配送システムは、配送物の始点・終点情報に応じて順路を算出する配送指示を意味しています。
ドライバーインフラは、直接雇用を中心にした配送ドライバーによる配送を指します。
エニキャリでは、3つの要素を出店者の状況に合わせて柔軟に組み合わせて提供しています。
店舗が利用可能な組み合わせ例として、2つのモデルを紹介します。
モデル1. APIモデル:注文サイトは自前、配送システムとドライバーはエ二キャリを利用
1つ目は注文サイトはエ二キャリのものを使用せず、配送システムとドライバーのみエ二キャリのリソースを活用する「APIモデル」です。
このモデルでは、店舗は自前の注文サイトから注文を受け、その注文情報をエ二キャリに連携することで、エ二キャリの配送システムが順路の算出と配送指示を行い、エ二キャリの配達員が実際に配達を行います。
注文情報をエ二キャリに伝達する際に、自社システムと他社のシステムを連携、または、外部サービスから一部機能を呼び出すことを指す「API連携」を行うことから、APIモデルと呼ばれます。
このモデルでは、出店者のサイトにボタンを表示するHTMLタグと商品情報を連携するという単純なステップで、システムの構築が完了します。
出店者側は、自社でドライバーを雇用する必要がないほか、自社の名前で自由にマーケティングができたり、エ二キャリと情報連携を行うことで詳細な顧客情報を蓄積・分析できます。また、エニキャリというブランドが表にでないため、店舗のブランドイメージを維持できるといったメリットがあります。
モデル2. Self Delivery model:注文サイトと配送システムはエ二キャリを利用、ドライバーは自前と併用
2つ目は、注文サイトと配送システムはエ二キャリのリソースを活用し、ドライバーは店舗スタッフとエ二キャリのスタッフが状況に応じて担当する「Self Delivery model」です。
このモデルでは、エニキャリの注文サイトや公式アプリから注文を受け、独自の配送システムで順路算出と配送指示を行います。そして、ドライバーに関しては出店者側の配達員が優先して配達を行い、店舗の人員が不足している時はエニキャリの配達員が代行します。
このモデルを使用すると、出店者は問い合わせ対応を省け、調理や配送に集中できるうえ、店舗のドライバー不足による受注中止を回避し、受注数を増加できます。
また、エニキャリのサイトやアプリを使用し、エニキャリの集客力を活用することで、広告費用を抑えられるといったメリットもあります。
エ二キャリの最新の取り組み
エ二キャリは新しいサービスだからこそできる柔軟性を活かし、独自の取り組みを次々と行っています。
以下では、ビックカメラとの実証実験とポスティングのアト社との協業について紹介します。
ビックカメラと連携/スピード宅配の実証実験を実施
2020年6月22日より、エニキャリはビックカメラと連携し、対象商品を最短45分で配送するサービスを、3カ月間限定の実証実験として実施しました。
このサービスでは、ビックカメラのECサイト「ビックカメラ・ドットコム」から注文を受け、エ二キャリの配送システムに連携し、エ二キャリの配送スタッフが配達を行う、APIモデルを採用しています。
顧客は、ビックカメラ・ドットコムでの商品購入時に「今すぐお届け」を指定するだけで、このスピード宅配サービスを利用できます。
このサービスの対象店舗は渋谷東口店の1店舗のみで、顧客は利用する際に対象店舗のビックカメラ渋谷東口店を選択し、エニキャリの配達システムから通知を受けたドライバーが渋谷東口店で購入品をピックアップし、顧客に届ける仕組みです。
この実証実験の対象商品は、OA・PCデジタル周辺機器や事務用品、日用品、ゲーム関連商品などの小型商品のみで、届け先は渋谷区を中心とするエリアに限定して行われました。
両社はこの実験で実用性や持続可能性を実証した後、本格運用と順次エリア展開を図ることも発表しています。
ポスティング最大手のアト社と協業/ポスティングのプロがフードデリバリーを並行
エ二キャリは2020年8月より、ポスティング最大手の株式会社アトと協業し、自社の配達システムとアト社のポスティング網を活用したフードデリバリーサービスを開始しました。
これは、エ二キャリがWebサイトや公式アプリからフードの注文を受け、アト社のポスティングスタッフがポスティング業務を一時中断して、フードデリバリーを行うというものです。
広いポスティング網を持ち、教育の行き届いたアト社のスタッフがデリバリーを行えるようになったことで、エ二キャリは新たに新宿区でのサービス展開を実現しました。
また、アト社側も従来のポスティングだけでなくフードデリバリーが並行して行えるようになったことで、生産性や収益の向上を見込んでいます。
エニキャリでさまざまな業種のデリバリー展開が視野に
エ二キャリは2019年に誕生したまだ新しいデリバリープラットフォームです。
エ二キャリは注文サイト、配送システム、ドライバーインフラという3要素を有し、出店者は状況によってそれらを柔軟に組みあわせて利用できるため、デリバリーサービスを提供する事業者にとって大いに活用できるサービスの1つです。
また、エニキャリではフードデリバリーサービスを提供するとともに、ビッグカメラとの実証実験のように、飲食業以外の他業種への応用に向けた試みも行っています。
この実証実験からわかるように、エニキャリのDeaaSは、さまざまなビジネスモデルに合わせたデリバリー環境を構築できる点が強みといえます。
今後、エ二キャリは展開エリアと業種の両方で事業を拡大していくと予測されます。時代のニーズに合わせていくために、店舗経営者はその動向に注目する必要があるでしょう。
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