スマホ決済とは、スマートフォン本体やアプリを用いて支払いすることを指します。入金はクレジットカードや銀行口座から行います。
スマホ決済の一つであるコード決済の場合は、ユーザーがバーコードやQRコードを提示し店側に読み取らせるか、ユーザーが店頭のQRコードを読み取ることで支払いをします。
スマートフォンが普及する前から、「おサイフケータイ」の機能はフィーチャーフォンを通じて利用されてきましたが、その後、スマートフォンの普及と店頭での決済対応が進むことで、より多くの場で利用されるようになりました。
現在は、各所で利用できるポイントと連動したd払いや楽天ペイ、フリマアプリと連動したメルペイなど様々なブランドが利用されています。
この記事ではスマホ決済について、どのような種類やメリットがあるのかを解説します。
※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。
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スマホ決済の方法と仕組み
スマホ決済は、その名の通り、スマートフォンを使い支払いを完結できる決済方法です。
キャッシュレス決済のうちの一つで、非接触で決済できる点は新型コロナウイルス感染症の感染リスクも抑えられるとして注目を集めました。
スマホ決済には大きく3つの方法があります。
方法 1. 非接触型IC(コンタクトレス)決済
1つ目は、非接触型IC決済です。
近距離通信の規格であるNFCやFeliCa、Bluetoothなどを搭載したスマホを使い、専用端末にかざすと決済する方法です。
FeliCaはNFCの一種で、通信速度が速くセキュリティも高いため、iDや楽天Edy、PASMOなど幅広い用途で採用されています。
スマホ決済の種類であるApple PayやGoogle Payは、このような複数の決済サービスを一元管理できます。個々のアプリを起動することなくチャージや支払いが簡単にできます。
また、対応カードをスマートフォンに登録することで利用できる「QUIC Pay」も非接触型IC(コンタクトレス)決済の一つです。
事前のチャージが不要な点が特徴です。
方法2. アプリのQRコード決済
2つ目は、QRコード決済です。代表的なものには、PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどがあります。
このタイプでは、QRコードを表示したり読み取るために、各社が提供するアプリをスマートフォンにダウンロードし、使用します。
また、必ず先払いをしていることが必要な点は非接触型IC(コンタクトレス)決済と異なる点です。チャージは2つの経路から可能であり、アプリに銀行口座の情報を紐づける、コンビニで入金するという選択肢があります。
支払いの際は、店舗側が顧客のスマホに表示されたQRコードを読み取るストアスキャン方式と、店舗側が用意したQRコードを顧客がスマホで読み取るユーザースキャン方式の2つがあります。
方法 3.キャリア決済(スマートフォン利用料として支払い)
3つ目は、携帯電話料金の月々の支払いとまとめて利用金額を支払える、キャリア決済です。
チャージのための金融機関情報との紐づけや、入金手続きといった手間が発生しないため、先の2つよりも
支払いがシンプルかつ、クレジットカード情報を使わずに決済が完了できるためセキュリティ上の不安もありません。主にオンラインでの決済に利用できます。
「d払い」、「auかんたん決済」、「ソフトバンクまとめて支払い」があり、使い方はキャリアにより多少異なりますが、決済時に暗証番号を入力する程度の簡単な操作で決済可能です。
支払いのタイミングは3通り
スマホ決済の支払いタイミングには、前払い、後払い、即時払いの3種類があります。
事前にスマホ決済アプリへチャージしておき、決済時は残額から支払われるのが「前払い」で、クレジットカードと連動させたオートチャージも可能です。モバイルSuicaや楽天Edyなどが該当します。
iDにおいては「後払い」で、予め登録したクレジットカードの請求に含まれ、翌月利用代金とともに引き落とされます。
ゆうちょPayは「即時払い」となり、決済時に口座から引き落とされる仕組みです。
スマホ決済を店舗で導入するメリット
スマホ決済は、財布を持ち歩かずに済み、会計の際に金銭を出し入れする必要もありません。こうしたシンプルな点は利用者に歓迎されています。
同時に、こうしたスマホ決済を受け付ける店舗側にもさまざまなメリットがあります。
1. 非接触で衛生的・会計もスムーズに
現状、現金の受け渡しをトレー上で行うなど衛生管理を徹底する店舗が増えていますが、スマホ決済であれば、お金やカードの受け渡しをすること無く非接触で会計できるため感染予防対策になります。
また、会計時間の短縮で顧客のストレス要因を減らせたり、レジ前が混んでしまうといった状況も回避できます。
店舗スタッフのレジ操作や締め作業といった作業が減らせることも大きなメリットです。
2. スマホ決済の利用率は増加、新規顧客獲得で売上向上
スマホ決済では、支払いに応じてポイントが付与されるサービスも少なくありません。ポイントの獲得のためにも、決済に利用しているブランドに対応している店舗を選ぶこともあり得るでしょう。
周辺にスマホ決済を導入している競合店舗が少なければ、他店舗との差別化ポイントとなる場合もあります。
政府でもキャッシュレスを推進しています。マイナンバーカードと紐づけたキャッシュレス決済サービスにポイントが還元される「マイナポイント事業」の盛り上がりも伝えられています。
スマホ決済の利用率は増加しており、MMD研究所の調査によると、2020年の1月で29.6%であったのが2021年1月は41.2%と、1年で11.6ポイント上がっています。今後もますます高い割合を占めていくことが予想されます。
3. 導入のコストが低い
新たな決済方法を導入するとなるとコスト面も気になるところですが、たとえば店舗側がQRコードを提示し、顧客がスキャンする方式であれば、QRコードのシールを店頭に貼るのみで準備完了です。
さらに、決済サービスの事業者各社が積極的にキャンペーンを実施しており、導入に必要な機器や端末を無料で設置できるなど低コストで始められます。
また、事業者が指定する銀行を利用すると手数料が無料になるなど、工夫次第でランニングコストを抑えられます。
スマホ決済を店舗で導入するデメリット
スマホ決を店舗支払いで対応する際に注意すべきこともあります。導入検討に際して認識しておきたいデメリットについても紹介します。
1. 決済サービスが豊富で判断に迷う
国内のキャッシュレス文化へのシフトや今後のインバウンド需要などもあり、提供事業者が多岐に渡ります。
とりわけQRコード決済は利用者が多く、各事業者がイニシャルコストや手数料を下げるキャンペーンを実施したり、事業者同士の連携なども進んでいることから、何を決め手に選べばいいのか迷い導入が遅れてしまう可能性があります。
2. 手数料など一定の費用がかかる
初期費用や手数料など、低コストではありますが発生します。
決済手数料は目安として3.25%程度ですが、指定銀行を選択すると無料になることもあります。
また、決済方式によっては、決済端末の購入が必要です。
導入後、新規顧客獲得などの効果が出るまで時間がかかる、もしくは期待した効果が得られないこともあるため、シミュレーションしてみると良いでしょう。
3. ネットショップには非対応な場合も
スマホ決済はキャッシュレス推進の観点で大きなメリットがあります。ネットショップはそもそもキャッシュレスでの支払いのため、現状は一部ショップのみで利用可能、としているサービスが少なくありません。
決済サービスと端末を比較、選ぶポイントとは
複数事業者の中から、自社に合った決済サービスを選ぶために着目すべきデータや事象について紹介します。
店舗のロケーションや出店エリアをふまえ、集客効果と実際の運用方法を軸に、コスト面などを理解していくとよいでしょう。
1. シェア率やユーザーの年代「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」が普及
まず1つ目のポイントは、各サービスの年代別利用シェアです。
MMD研究所の調査によると、利用頻度の高いQRコード決済サービスは、上位から「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」となっています。これらは、2019年より2020年以降に利用を開始した人が多いという結果になっています。
また、オリコン顧客満足度調査によると、年代別に見て10~20代はLINE Payの利用が最も多く、30~40代は楽天ペイ、50~60代はPayPayとそれぞれ異なる結果となっています。
たとえば、LINE PayであればLINEポイントが溜まりやすく、他のLINEサービスに使えるといったように、コード決済によって溜まったポイントを他の用途で使いたいという心理も影響しているようです。
自社の顧客像を想定してサービスを選ぶと良いでしょう。
2. 導入のしやすさ・決済端末で複数サービスにも対応
スマホ決済のうち、QRコード決済では店舗にQRコードを設置するだけで導入できるだけの、即時に導入できる方式もあります。
また、すでにあるスマホ決済端末が、クレジットカード決済メインのものである場合は、別途決済端末が必要になります。
STORES決済、Airペイ、楽天ペイ、Squareなどは、一台で複数の決済サービスが利用でき便利です。
3. 手数料の安さ
まず、QRコード決済については、事業者によってい多少異なりますが、いずれも低く、PayPayは2021年9月30日までの期間無料で、楽天ペイは3.24%(クレジットカードの種類によっては3.74%)、LINE Payは2021年7月31日まで無料で、以降は2.45%となっています。
また、STORES決済であれば3.24%~、Air Payは3.24%~3.74%程度になります。
手数料がボトルネックになることはないかもしれませんが、利用する限りかかってくるコストなので抑えておくと安心です。
スマホ決済の導入で業務改善・ユーザーに選ばれる店舗へ
スマホ決済の導入で集客効果が期待できるのはもちろん、限られた人件費で運営する店舗の業務効率化や、衛生維持などさまざまなメリットがあります。
導入初期には機器の利用方法などに慣れるための時間も必要になりますが、現金を持ち歩いていない消費者の衝動的に利用したいというニーズに応えられるなど、引き換えに新たなチャンスが手に入るといえます。
またLINE PayやPayPayは、中国のスマホ決済との互換性もあり、インバウンド市場回復の際には大きな武器となるでしょう。
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<参照>
MMD研究所: 最も利用されている決済サービスについての調査
株式会社oricon ME: 2020年 オリコン顧客満足度調査「スマホ決済サービス」利用実態調査