O2Oとは?意味や事例、オムニチャネルとの違い、マーケティングでの施策を解説

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今や商品サービス展開する場所は、店頭だけでなくインターネット上でも行われ、インターネット広告宣伝を積極的に実施されている事業者も多いでしょう。

インターネット上で商品検索から購入まで完結するサービスが一般的になる中、飲食店美容室、マッサージ店など実店舗を構える事業者は、来店してもらわなくてはなりません。

インターネットから実店舗への流れを促す戦略が必要となり、ここで注目されるのが「O2O」です。

今回は「O2O」の具体的な意味や使い方、オムニチャネルとの違いを解説します。

Online to Offline

「O2O」とは、「Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)」の略称です。

オンライン(インターネット上)での情報収集や申込みをきっかけとし、オフライン(実店舗等)で購入・契約に至るマーケティング施策のことをいいます。読み方は「オー・ツー・オー」で、「On2Off」と表現されることもあります。

はじめに、O2Oの意味と特徴を解説します。

オンラインからオフラインへの顧客誘導

O2Oは、「オンラインからオフラインへ」、オンラインとオフラインを連携させて購買活動を促進させるマーケティング施策のひとつです。

店頭で使用できるクーポンの提示や、SNSなどで会員になった(例えばLINEの友だち追加)顧客に対する商品情報提示、スマートフォンのGPS機能を活用したチェックインクーポンの提示などが、O2Oに該当します。

もともとはeコマース、すなわち自社のネットショップなどでの取引について用いられた表現ですが、現在は幅広く使用されています。

株式会社 ALL CONNECTが2019年に発表した調査によると、「1万円以上の高額商品を買う際に最も多い購入パターンを教えてください。」という問いに対し、19%の人が「インターネットで調べてから店頭で購入する」と回答しています。

▲[ 株式会社 ALL CONNECT「ネットショッピングに関する意識調査」]:PR Timesプレスリリース

オンラインでの購入者が多い一方で、インターネットやSNSで調べてから店舗で購入する人も20%近くおり、こうした顧客に効果的にアプローチすることが収益の拡大につながります

「店頭で見て直接購入する」人は18.8%と少なく、約80%の人がインターネットを見て購入を検討しており、そうした顧客に「店頭で買うとお得」と感じる特典を提示すればオフラインへ誘導する可能性が高まります。

店舗に行って初めて成立する商品サービスには、O2Oマーケティングがより効果的に働くでしょう。

効果測定がしやすいマーケティング施策

O2Oの特徴のひとつが、効果測定がしやすいという点です。

オンラインを対象としたマーケティングは数多くありますが、そのほとんどが効果を測定するのが容易ではありません。一方O2Oの場合は、インターネット上で提示したクーポンなどの特典情報を顧客が持参しますから、店頭にて効果を確認しやすいです。

インターネット上のマーケティングに詳しくないビジネスオーナーでも、比較的簡単に取り組みやすく、簡単に効果を測定できるでしょう。

近年はOffline to Online

O2OはもともとはEコマースで用いられた表現と紹介しましたが、店頭で選んだ商品をインターネット上のECサイトで安く購入する「ショールーミング」対策として広まりました。つまり、最初は「オンラインからオフラインへ」ではなく「オフラインからオンラインへ」だったのです。

オンラインとオフラインを融合させることがO2Oマーケティングの重要な目的であり、「オフラインからオンラインへ」もマーケティング施策として意識したい点です。

近年では、来店した顧客にスマートフォン上で公式アプリをダウンロードしてもらい、新商品情報や割引情報を提示することで購買を促進するといった事例が見られ、オンラインとオフラインの融合も多様化しています。

オムニチャネルとの違い

オンラインとオフラインの融合を考える時に取り入れたい販売戦略のひとつが、「オムニチャネル」です。ここからは、オムニチャネルとは何かやその意義、O2Oとの違いを解説します。

オムニチャネルとは

オムニチャネル」は、全ての流通経路を連携させたマーケティング施策を言います。

「オムニ」はラテン語で「全て」、「チャネル」は英語で「経路、流通ルート」という意味です。チャネルの英語表記は「channel」でテレビのチャンネルなどと同じですが、日本語では「チャネル」と「チャンネル」で使い分けられています。

すべてのチャネルを連携させるとは、例えば店頭にいながらインターネット上で注文ができる、ECサイトで注文した商品を店頭や近くのコンビニで受け取れる、などのように全ルートから顧客へアプローチすることです。

ECサイトやSNSといったインターネット上の接点だけでなく、テレビやラジオといったメディアも含まれます。顧客は、商品を好きな時に好きな場所で購入し好きな場所で受け取ることができて、購買活動が促進されるだけでなく、顧客満足度も上昇します。

またオムニチャネルは、選ぶ場所や買う場所がオンラインとオフラインのいずれかに固定されることを防ぎます。オンラインかオフラインかを顧客が意識しないシームレスな購買活動を促す施策です。

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違いは「双方向か一方通行」

オムニチャネルがオンラインとオフラインを行ったり来たりするのに対し、O2Oは「オンラインからオフラインへ」の一方通行であることが、相違点です。つまりO2Oは、オムニチャネルの複数ある矢印の中のひとつと言えるでしょう。

O2Oはオンラインでの魅力的なクーポン提示やポイントシステムによって顧客を惹きつけ、店舗での購買活動につなげて利益を出します。

一方でオムニチャネルは、インターネットと店舗とで顧客情報管理や商品在庫管理を連携させており、例えば店頭で商品の欠品があった場合にはオンラインですぐに購入できて利益獲得のチャンスを逃さないというメリットがあります。

この点を踏まえると、O2Oは一方通行の「誘導」であるのに対し、オムニチャネル全方位からの「囲い込み」と言えます。

マーケティングでの使い方

一口にO2Oと言っても、やり方はさまざまです。ここでは、マーケティングでよく見られる5つの使い方を紹介します。

ECサイト連携型

ECサイトと店舗の情報などを連携させた使い方です。

具体的に次のような方法があげられます。

  • ECサイト上で各店舗の在庫が確認できる
  • ECサイト上で注文した商品を店舗で受け取れる
  • ECサイトと店舗のどちらで購入してもポイントが貯まる

2020年1月1日現在で57店舗展開する「東急ハンズ」は、ECサイトで各店舗の在庫を確認することを可能にしました。さらにその更新頻度を15分に1回にして常に最新情報を届け、「今、コレ売れました」と直近の売れ筋などを伝えるマーケティングを実施しています。

わかりやすさと情報の速さが、ECサイトから店舗への顧客誘導につながっています。

クーポン型

主流のO2Oの使い方がクーポン型です。店舗で利用できるクーポンをインターネット上で提示し、顧客を店舗に向かわせる戦略です。クーポンの送信がプッシュ通知になり、例えば飲食店ならお店をランチの選択肢として思い出してもらうなどの効果があります。

スマートフォン上でQRコードやバーコードがついた「かざすクーポン」を開始したのはマクドナルドです。これによりクーポンの枚数を手で数えなくてもシステム上で使用数を管理し、すぐにデータ化することが可能になりました。なお、このサービスは現在終了しています。

位置情報活用型

スマートフォンに内蔵された位置情報システム(GPS機能)を活用したサービスが各分野で広まっており、O2Oを含むマーケティング施策にも取り入れられています。指定店舗や場所を訪れて初めて取得が可能になるポイントやクーポンが、位置情報活用型に該当します。

NEXCO 西日本が提供するアプリ「toxco(トクスコ)」は、高速道路のサービスエリアに設置した端末と連携されていて、サービスエリアに到着すると取得可能になるクーポンの配信などを行っています。

ほかにも、人気アイドルグループの嵐はライブ会場に行って初めてグッズ販売予約フォームにアクセスが可能になり、限定的な商品販売による円滑な購買活動に位置情報を活用しています。

SNS活用型

近年はTwitterInstagramなどのSNSを利用する人が多く、商品情報をSNS上で収集する人も見られます。こうしたSNSの普及を効果的に取り入れているのが、SNS活用型です。

SNSでの口コミは顧客の体験に基づいており、店側が発信した情報よりも信頼されやすい面があります。拡散されやすいこともSNSの特徴であり、SNSで商品情報をシェアしてもらうことでより多くの見込み顧客へアプローチすることが可能です。

大手コンビニエンスストアのローソンTwitterと連携し、「#Ponta」のハッシュタグを付けてツイートすることでエントリーできるキャンペーンを実施しています。

ゲーミフィケーション型

ゲームデザインの技術やメカニズムを取り入れているのが、ゲーミフィケーション型です。

顧客は、来店するごとにアプリ上でポイントを貯めるなどゲームのように特典を楽しむことができ、その達成感や喜びが次回の来店を促します。ゲーム感覚で特典を得ることで、マーケティング施策だと顧客に意識されにくい点がメリットです。

Gap Japanはこのゲーム感覚を取り入れ、顧客が貯めたポイントを使ってデジタルガチャを行い、結果画面を店頭で提示して商品を引き換えることで来店を促す施策を実施しました。

O2Oとはオンラインからオフラインに顧客を誘導するための施策

O2Oのマーケティング施策を実践することで、オンラインの顧客をオフラインの店舗へ誘導し、オンラインを超えたアプローチの可能性が広がります。店舗での収益が上がるだけでなく、対面の接客によって顧客のニーズがより明確に確認でき、ニーズに答えるサービス展開すれば店舗商品のファンを獲得できるでしょう。

また、オンラインとオフラインをつなげて行うサービス顧客満足度を高め、オンラインのみなら1回きりの利用で終わったかもしれない顧客をリピーターへと変える可能性もあります。

O2O施策によって店舗へと顧客を誘導し、確実な購買・契約へとつなげることができます。

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