顧客を抱えるさまざまな業界で、顧客管理システム(CRM)の導入が進んでいますが、フィットネス業界においても会員管理をシステム化することで、運用の効率化や会員のロイヤリティ向上を実現できます。
ジムやフィットネスクラブといった来店型サービスにおいて、店舗での受付、入退会や利用履歴の管理、会費請求など店舗スタッフの業務は多岐に渡ります。人力では限度があるため、業務を自動化し、蓄積された会員の属性や趣向、利用履歴などの情報を有効に活かすツールの利用が重要です。
既存会員の継続利用や新規顧客の集客に効果的な会員管理システムについて、代表的4つのサービスと、役立つ機能やメリットを解説します。
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ジム向けの会員管理システム4選
会員管理システムによって、提供する機能の幅やセキュリティ面、操作性など違いがあります。4つのシステムを比較し、それぞれの機能範囲やメリット、運用コストなどを紹介します。
1. hacomono
フィットネスクラブなど月額制店舗向け会員管理・予約・決済システム | hacomono
操作性、デザイン性に優れた会員管理システムで、これまで店舗スタッフが対面で対応していた予約変更や決済も、会員自身がPCやスマホから処理できます。さらに、店舗で販売するウェアやサプリメントの購入も、セルフレジ機能で完結でき、スタッフの介入は必要ありません。
月額制のジムに適したシステムと謳っている通り、月会費の管理をオートメーション化し、クレジットカードと口座引き落とし両方に対応しています。
コストは、店舗数に関わらず一律20万円が初期費用としてかかり、カード決済や口座振替自動化のオプション追加で各5万円が上乗せされます。
月額利用料金は1店舗あたり3万5,000円かかり、有料でオプションも追加可能です。
hacomonoの導入により、会員は自分の手で必要な処理を進めるため、スタッフ業務の効率化やコロナ禍での混雑緩和が叶います。
<参照>
機能紹介 | hacomono
料金 | hacomono
2. ATOMOS-V
スポーツ,フィットネスクラブの予約・会員管理システム|ATOMS-V
会員管理システムで扱う重要な会員情報を専用のデータセンターで管理し、万全のセキュリティ対策が強みです。
また、タブレット端末での操作性にも優れ、トレーナーは会員データを見ながら指導たり、レッスン開始時に出欠確認をするなどの用途に最適です。
ATOMOS-Vは店舗スタッフと会員とのコミュニケーションツールとしても長けています。店舗から会員に対する教室の案内や講師変更などを配信できます。これらの情報は会員の予約変更の参考にしてもらうことができ、手続きもスムーズに進められます。タイムリーな情報共有は、顧客の店舗に対する満足度の向上に効果を発揮するでしょう。
料金については、ATOMOS-Vのサイトから問い合わせる必要がありますが、オプション対象の機能も多いため、予算に応じて使う機能範囲を定めると良いでしょう。
専任オペレーターやお客様専用サイトなどサポートも充実しているため、導入後も安心です。
3. DIGYM(デジム)
現場スタッフとオーナーの声に基づき開発されており、双方が使いやすいシステムになっています。
24時間運営するジムのために、生態認証でチェックインが可能な点や、2020年7月にはコロナ対策のためサイトやマイページで来館者数が表示できるように機能追加されるなど、細かな配慮が行き届いたシステムです。
また、「会員プロッティング機能」では、会員の住所が地図上にマークされ、年代や住所、利用期間、施設までの距離などを基に、DM送付やチラシのポスティングなどプロモーションに便利です。
初期費用に加え最低3万3,000円の月額料金が必要です。詳細はサイトの専用フォームから問い合わせられます。オプションで警備会社のSECOMやALSOKとも連携可能です。
<参照>
クラウド型会員管理システム『DIGYM』デジム デジサポート | イプロス都市まちづくり
よくある質問 - DIGYM
4. Smart Hello
クラウド型会員管理システム『Smart Hello』 | 株式会社システムディ
フィットネスクラブやスイミングスクールなど1,100施設以上の導入実績を持つ会員管理システム「Hello」のクラウド版システムで、豊富な知見とユーザーのニーズが集約されています。
ほかの会員管理システムと共通して、受付業務や売上管理、請求管理など備えていますが、中でも分析で利用するダッシュボード機能は、入会受付数や退会受付数、時間帯ごとの滞在人数など一目で把握でき、流動する会員の傾向をつかみやすくなっています。
導入には、初期費用10万円と、月額料金がかかります。使う機能範囲によって月額料金は異なり、最安が1万円でオプション追加も可能です。2022年以降、プランが追加される見込みです。
同社はパッケージ版、ASP版でも会員管理システムを提供しており参考事例も多く、FAQページも充実しており、安心して導入できます。
会員を管理するメリット
会員情報をシステムで管理することで、ペーパーレス化ができ、業務が効率化されるなどわかりやすいメリットが多々ありますが、大きく3つの点を解説します。
メリット1. 顧客のニーズ把握で満足度向上につなげる
会員管理は、会員台帳を作ることではありません。入会目的やレッスンの参加状況、チェックインの時間帯、購買履歴といったあらゆる情報を一元管理し、1人ひとりの行動パターンや要求に目を向けるために必要な管理です。
システムに溜まった各種データを基に、どんなサービスだと満足するか、どんなインストラクターが合っているのか、料金体系は最適なものになっているかなどの分析をバックアップします。
ジム運営全体に活かせることもあれば、個々の会員に対するフォローやレクチャーに活かし、ロイヤリティを高めることもできます。
マシーンの種類やレッスンカリキュラムの豊富さも大切ですが、実はスタッフやコーチの対応が印象を左右したり、清潔な環境で居心地の良さを感じたりするなど、会員の気持ちを動かすきっかけは様々です。
メリット2. 営業上のトラブルを防止する
システムで情報共有するため、人の伝聞による間違いや共有漏れなどが発生しにくくなります。例えば、会員に重複して同じ話を伝えてしまったり、逆に会員からの依頼事項が引き継がれていなかったりするトラブルがありますが、これらはアナログで情報共有する中で生まれます。
スタッフ同士でうまく連携が取れているかは、会員の目からすぐわかるため、信頼関係を築くためにもシステムを有効活用しましょう。
また、担当のコーチでなくても、会員の得意不得意や姿勢などが把握できるようになります。スタッフ全員が、会員との距離を縮めるチャンスでもあります。
メリット3. コストをかけずに集客できる
新規顧客の集客ができれば、売り上げに貢献しますが、実は既存顧客に対しマーケティングに力を入れる方が効率的です。
企業が既存顧客との良好関係を維持すれば、長期期間の中でアップセルにつながったり、会員がアンバサダー(熱心なファン)となって周りに薦め集客につながるなど、さまざまな効果が期待できます。
新規顧客を獲得するためにかかるコストは、既存顧客が継続利用するためにかかるコストに比べ5倍にもなります。これを1:5の法則と言いますが、既存顧客は少なからずメリットを感じて利用しているため、ニーズに合ったアプローチを続ければ利用頻度の増加や有料レッスンへの参加など少しずつ変化をもたらせるでしょう。
会員管理で顧客のニーズを把握し、売上につなげる
ジムに来ている人は、健康管理やダイエット、リフレッシュなど明確な目的を持って来ています。同時に、ライフイベントや年齢、流行といったあらゆる要素に影響を受けニーズはどんどん変化していくため、会員管理システムで可視化し、見逃さないようにすることが大切です。
感染症の流行がこの1年以上人々の経済活動に影響を与えてきましたが、ワクチン普及により今後ますますジムやフィットネスに通う人は増える見込みです。会員増加で落ちることのない良質なサービスと丁寧な接客を維持できるよう、システム導入を検討するのに今は適切なタイミングといえるでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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