エステに活かせる行動経済学の理論5選|訴求の際に気を付けたい消費者心理とは?

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行動経済学は、消費者の心理を加えて経済活動を分析する学問です。感情、直感、記憶が消費行動に与える影響とさまざまな法則が提唱されています。

本記事では、エステの経営で活用できる行動経済学の応用方法やポイントを解説していきます。

エステで使える行動経済学5選

自分の利益を最優先し合理的な方法を取る原則の上に成り立っていた経済学とは異なり、行動経済学は、消費者は記憶や感情によって合理的な判断を下せないことを前提に経済行動を解き明かす学問です。

行動経済学が明らかにした数々の法則は、会社の経営や、商品販売促進にも応用ができます。

本記事では、エステの経営や集客に活かせる行動経済学の理論と、応用するときのポイントを解説します。

1. 現状維持バイアス

現状維持バイアスは、現在の環境や今あるものに価値を見出し、挑戦や新たな環境に身を置くことを躊躇してしまう心理効果です。

人には、大きな変化やリスクの想定を避けたい心理があります。引っ越しや転職を何かと先延ばしにする、新しい化粧品を買いたいが結局いつも使っているものを選んでしまいます。

しかし一度変化を起こし、変化した状況に慣れてしまうと、その次は元に戻りたくないと考えるようになります。

一度変化させることに成功すれば、変化した結果の習慣や状態を肯定的にとらえるだけでなく、その状態にとどまりたいと考えるようになることが現状維持バイアスにより証明されています。

エステの場合、今消費者が持っている現状を手放すよう働きかけ、新しい習慣に着手してもらうことで、その後の継続的利用が期待できます。これを可能にするのが「お試し期間」です。お試し期間は、変化のハードルを下げることができます。

お試し期間の間に、この施術を今後も受け続けたい、手放したくないと思ってもらえれば、お試し期間終了後も利用してもらえます。

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2. 一貫性の原理

自分の信念や行動、発言などに対して、人は無意識に一貫性を持ちたいという想いが働きます。この心理は「一貫性の原理」と呼ばれます。

一貫性の原理を前提に物事を有利に運ぶには、まずハードルの低いオファーを投げかけ、先方が好意的な態度なるように仕組みます。その後徐々に要求のハードルを上げていきます。

要求を受ける相手は、一貫した態度を取りたいと考えるため、結果としてこちらの要望を飲んでもらいやすくなります。

また一貫性の原理は、明言したり、実際に参加した物事に対しては特に強くはたらきます。交渉相手の言葉で約束してもらったり、まずは動いてもらったりすることで要求が実現する可能性を高められるでしょう。

エステであれば、エステのサービスを受けたい、エステのサービスを受けることで手に入るメリットが必要といったことを、勧誘する際に言葉にしていってもらうようなやり取りを心掛けるといった手法が考えられます。

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3. 極端回避性・松竹梅の法則

極端回避性は、ある範囲の中で示された3つの選択肢がある場合に、最も高いものと最も低いものを避け、真ん中にあたるものを選びたいと考える人の心理です。

たとえば以下のようにエステの料金メニューを提示します。

  • 部分痩せ 5,000円
  • 全身丸ごと 9,000円
    • 最新機器使用&全身丸ごと 13,000円

      商品を単体で販売しようとすると、比較の基準になる商品がないため決断のハードルが高くなってしまいますが、このように高額商品と比較的安価な商品を用意することで、それらを避け真ん中を選ぼうという動機付けができます。

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      松竹梅の法則とは|真ん中を選ぶ心理・マーケティング現場への活用・価格設定のポイント

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        4. ツァイガルニク効果

        ツァイガルニック効果とは、中途半端に達成している出来事や物事に対しては、成功した事柄よりもはっきり覚えているというものです。

        未完成の場合や物事をやり遂げていない時に続きが気になってしまう現象は、接客の中でも活かせます。

        たとえば顧客が部分痩せのメニューを選択した場合には、施術中に他の気になる部分を聞いたり、次回来るときのおすすめコースを紹介することで、顧客はまだサービス全体を完了していないかのようなイメージを抱き、続きを体験したいと考えるようになります。

        ツァイガルニク効果とは?意味・マーケティングに活用する3つのポイント

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        5. ザイオンス効果

        米国の心理学者のロバート・ザイオンス氏が提唱したマーケティング理論であるザイオンス効果は 「人は知らない人には批判的、攻撃的、冷淡な対応をとる」「人は、会えば会うほど好意を持つようになる」「人は相手の人的側面を知った時、より強く相手に好意を持つようになる」といった性質を指しています。

        言い換えると、人は接触する頻度が少ないとなかなか心を開いてくれないが、接触頻度が増えれば増えるほど、少しずつ心を開くようになるということになります。

        ネイルやエステサロンで、ザイオンス効果の恩恵を受けたい場合は、メルマガの発信など来店後や毎回の施術時のこまめなフォローが効果的です。

        ザイオンス効果とは?意味とマーケティングでの活用方法3選

        ザイオンス効果とは、最初は興味が無かったり良い印象を持たなかったりしても、繰り返し目にすることで好感度や印象が良くなっていく現象のことです。わかりやすい例がテレビコマーシャルです。何度もCMで見たり聞いたりしている商品には親近感がわくので、お店で見かけたときに他の商品よりも良い商品だと思ったり、購入したりする可能性が大きくなります。直接人と会わなくとも、SNSでよく見かけるというだけでもザイオンス効果は発揮されます。本記事ではザイオンス効果の活用事例や、マーケティングにおける活用方法につい...


        エステの魅力を訴求する際に気を付けたい消費者心理

        エステでは、たとえ技術が秀でていたとしても接客が良くなければ経営がうまくいくとは限りません。

        ここからは、接客にかんするエステに行動経済学を活用するときのポイントを紹介します。

        1. 顧客の感情に寄り添い共感を示す

        人が何か決断する時に、直感的に判断することもあれば熟考を重ねることもあります。

        論理的に考えることは意識の手中を必要とし、人はこのストレスを避けるため、多くの場合直感的に判断を下しているといいます。

        エステの利用を悩む消費者は、美しくなりたいという希望を持っています。顧客の直感的な判断を行動にまで結びつけるには、どのような感情を抱いているのかその気持ちを聞き出し、共感することから始まります。

        論理的な思考に対しては、客観的情報である価格や、使用している機材の解説等を通じて判断材料としてもらいます。

        認知バイアスとは?9種類を紹介・先入観から逃れるコツ

        認知バイアスは、物事を認識、判断、思考する際に、これまでの経験や固定観念にしたがい合理的でない結論にたどり着くことや、その合理的でない考えを指します。バイアスは「偏り」を意味する単語です。心理学において認知バイアスは多種多様な効果が知られており、その効果の多くは、日々の生活においてしばしば発生しています。マーケティングにおいても例外ではなく、顧客のみならず企業側にも認知バイアスが発生し、誤って判断してしまったためにマーケティングで失敗してしまうという例もあります。この記事では、認知バイアス...


        2. 価格だけではなくサービス自体の価値も伝える

        顧客がサービスの購入を迷っている時に、その要因は必ずしも価格だけではありません。

        お得だから購入するという思考を拭いきれずにいると、他店や他サービスとの比較で顧客を納得させようとしてしまいますが、消費者に購入を決断させるのはこうした客観的指標だけではありません。

        価格が予算と比較してどうなのかや、そのサービスを受けることで手に入る心理的満足感など、さまざまな要因が存在します。安さだけを売りにするのではなく価格を払うのに値するサービスの価値を伝えていくことが重要です。

        行動経済学の応用を検討し、顧客の感情に寄り添えるエステへ

        前述した5つの理論のように、消費者の動向は様々な理論を通して予測や対応ができます。同じメニューを提供するとしてもメニューの並べ方や顧客への伝え方などを工夫することでより効果的な集客が望めます。

        顧客にサービスを利用してもらうためには、価格や技術など客観的な要素でアプローチを図ると同時に、顧客の心理的な動きを把握したうえでのはたらきかけを意識するとよいでしょう。

        口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】


        MEOに関わるサービス「Googleマップ」「Googleビジネスプロフィール」や、各種地図アプリ・口コミサイトは日々更新を続けており、その全容を把握するのは難しくなっています。

        そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。

        本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。

        ※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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