コロナ禍で外食を控えた生活において、テイクアウトと並び需要を増やしているのがフードデリバリーサービスです。自転車で街中を走り抜ける配達員の働き方は、「ギグワーク」という新しい概念の働き方です。
今回は、フードデリバリーに代表されるギグワークについて、従来の働き方との違いや、発注サイドと受注サイド双方のメリット、募集方法について紹介します。
「ギグワーク」短時間で継続性のない働き方
ギグワークとは、1時間など短い時間で報酬を得られる働き方です。長時間拘束されたり、納品義務なども無いため、誰でも気軽にスタートできます。
似たような雇用形態との違いや身近な事例を知ることで、ギグワークの理解が深まります。ギグワークについて整理します。
ギグワークとは
ギグワークはGig(短いセッション)とWork(仕事)が由来で、長期間継続せずに短時間仕事をし、時間や案件数に応じた報酬を受け取ります。雇用関係を結ばず発注者受注者の関係で働くため、勤務先を固定する必要はなく自由度高く働けます。空き時間を有効活用できるため、在宅ワークで移動時間が無くなった人やフレックスタイム制で時間の融通が利く人、学生などから人気を集めています。自分の都合に合わせ必要な分だけ仕事をするスタイルは、個人が尊重され、ストレスフリーな点が魅力です。
Uber Eatsのデリバリースタッフはまさにギグワークを実践しています。
単発バイトとの違い
時間に対して報酬を得るという意味では、単発バイトが働き方として近いですが、単発バイトは半日から1日程度拘束されるのに対し、ギグワークは1時間でも成立します。メインの仕事を既に持っている人は、ギグワークの方が向いているといえるでしょう。
また単発バイトは多くの場合、派遣会社がバイト先に労働者を派遣する流れです。これに比べ、ギグワークは受発注サイトなどに登録し、条件に合う仕事を見つけ企業と直接契約を結びます。紹介手数料など仲介に関わる支払いは発生しませんが、トラブルなど有事の際は発注者に直接交渉する必要があります。申込みの即日に仕事をし、同日に報酬を受け取ることも可能です。
フリーランスとの違い
労働時間や働き方の自由度では、フリーランスと似ていますが、ギグワークは時間内にこなすべきノルマや決められた完成度で納品するといった義務があまり発生しません。仕事の質で言えば、フリーランスでは専門知識や経験を活かし単価の高い仕事を選べ、ギグワークは汎用的な仕事が多く単価も低めです。
フリーランスは仕事を重ねていくことで、発注側と受注側の信頼性が強化され、継続的な仕事が増えたり高度な仕事を扱うなど期待できますが、ギグワークは業務領域が拡張するというケースはあまりなく、あくまで単発のワークとして捉えられます。
受注量の安定も担保されません。自由に働け、いつでも辞められる点とのトレードオフになります。
日本のギグワークの代表例
日本でも人によっては生活インフラとなっているUber Eatsですが、その配達スタッフが、ギグワークをリードしています。Uber Eats内に宅配専用の社員はおらず、配達はすべて一般人のギグワーカーに任せています。配達員は、店舗から顧客へのデリバリーを1件単位で受けられるため、思い立ったらすぐ仕事ができ、隙間時間を利用して報酬獲得が可能です。
Uber Eatsはコロナ禍における宅配ビジネスへの需要拡大や希望者増加などにより、約10万人いる配達員を最大20万人に増やす見込みで、ますます盛り上がりを見せています。
<参照>日本経済新聞:ウーバー、料理宅配を全国拡大 外食の業態転換加速も
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ギグワークのメリット・デメリット
ここまで、他の雇用形態と比較し、ギグワーカー側の視点でメリットやデメリットを解説してきましたが、ギグワーク導入を検討する発注側におけるメリット、デメリットについて説明します。メリット「はやく柔軟に仕事を割り振れる」
ギグワークを取り入れることで、企業側は必要な時だけ必要な人員を集めて発注でき、余計な人件費がかかりません。また、その場限りの依頼のため、時間をかけた教育や稼働調整なども発生せず、タスクと人員のバランスが維持できれば、そのまま回転率を上げられます。また、仕事の依頼時に派遣会社を通す必要がないため、中間マージンを節約できるのもメリットです。
依頼するタスクが独立していてわかりやすく1回で完結し、さらに時間や場所の融通が聞く仕事が向いているでしょう。
デメリット「仕事の質が担保されない」
ギグワークでは応募者の質が見えづらくなります。依頼する仕事は専門性が低く、時間が空いている人にちょっと手を貸してほしい、といった部類のものが向いています。
初心者から高齢者まで幅広い層がギグワーカーとして働くことになるだけでなく、。単発の仕事では企業とワーカーとのコミュニケーションも深くなく、信頼関係を構築するレベルに至らず業務終了となり、長い目で見て育てたりスキルアップを見込んだ指示をしても、活かす機会が無い可能性が高くなります。
また直接発注するため、ワーカーとの間で起きたトラブルの対応も自社での解決が必要です。
ギグワークを募集できるサイト
ギグワークを導入した場合、ワーカーを募集するには募集サイトを利用すると良いでしょう。ここではお薦めのサイトを3つ紹介します。
1. GiG Works
ギグワークの形態で仕事を依頼したい企業と、ギグワーカーとを結ぶプラットフォームで、毎月登録される1,000社以上の案件を基にギグワークのマッチングを提供しています。ギグワークでの仕事を希望する、会社員や学生、主婦、フリーランスなど多様な人材がサイトに登録しており、時間や得意を活かして企業に貢献しています。会員のギグワーカーと、契約について直接やり取りする場合は、サイトが提供するチャット機能で行います。
また、タスク完了後にギグワーカーの評価ができ、発注する際の参考情報にもなるため便利です。
2. Timee(タイミ―)
Timeeはすき間時間を利用して働きたい人向けの募集アプリです。掲載が即時反映されるため、タイムリーに求職者を見つけられます。Timeeを通して働いたユーザーの実績や評価を公開しており、また、単発の仕事に起こりがちなドタキャンについてもペナルティ制度で抑止できるなど、発注する側にとって安心感があります。
ユーザー属性は20~30代の若手がメインで、200万人が利用しています。
ギグワーカー大賞を選出し賞金を出すなど、ギグワークの働き方を支援する企画も開催しています。
ギグワークは柔軟な働き方、依頼内容に合わせて活用
働き方改革が進む中、より束縛なく自由に仕事ができるギグワークは、副収入を得たい人や時間を有効活用したい人などを中心に今後普及が拡大する見込みです。企業や組織は自社で抱える各業務の実態を把握し、業務の発生頻度や完了までに必要な時間や求められる水準などの観点から、ギグワーク導入による効率化を検討するのもよいでしょう。
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