マイクロインフルエンサーとは、一般的にフォロワー数が数千~10万人未満または、500〜1万人程度が上限など、インフルエンサーと比較するとそこまでフォロワー数が多くないインフルエンサーを指します。
「インフルエンサー」(influencer)とは、「Influence」(影響、感化、作用の意)が語源となっている造語で、大衆に対して大きな影響力を及ぼす人や事物を指すマーケティング用語です。
日本でインフルエンサーが登場したのはSNSが普及し始めた2005年頃からで、以降、商品PRやプロモーションの分野で活躍するようになりました。
そこでインフルエンサーが配信するSNSを基盤に、プロモーションをするインフルエンサーマーケティングが行われています。
さらに近年「マイクロインフルエンサー」が登場し、マーケティング戦略のカギとなる存在として注目を集めています。
そこで本記事では、マイクロインフルエンサーとはどのような特徴を持っているのかやPRに活用するメリット・デメリット、実際の活用事例を含めて詳しく解説します。
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マイクロインフルエンサーとは
マイクロインフルエンサーに明確な定義は存在しません。フォロワー数が数千~10万人未満とする場合もあれば、500〜1万人程度が上限と定義されることもあります。
一般的には、SNS上でそれなりの影響力を持ち、インフルエンサーより少ないフォロワー数を持つ人と考えられています。
マイクロインフルエンサーは、特定分野に特化して情報を発信している場合が多いため、専門分野においてはフォロワーに対するエンゲージメント率が高い傾向があるのが特徴です。
近年のインフルエンサーマーケティングでは、フォロワー数=販促力ではない傾向にあり、フォロワーとのつながりが強いマイクロインフルエンサーの起用が、消費者の購買意欲の向上につながるのではないかと考えられています。
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マイクロインフルエンサーの特徴
マイクロインフルエンサーの一番の特徴は、その影響が「深く、狭い」点にあります。
マイクロインフルエンサーは何万人~何百万人ものフォロワー数を持つ芸能人などのインフルエンサーに比べると、フォロワー数が少ないため、影響を与える範囲は狭くなります。
しかし、フォロワーや投稿を見た人に与える影響はより強いと言われています。その理由は、マイクロインフルエンサーの方がより身近に感じられ共感できるからです。
例えば、世界的に有名なモデルが化粧品の宣伝をしたとしてもどこか他人事として捉えられることが多いでしょう。
しかし、化粧品のレビューなどを投稿し、普段からフォロワーともコミュニケーションをとり、コスメ好きの間では有名なマイクロインフルエンサーが化粧品の宣伝をすると、投稿を見た人はより親近感を抱き、購買行動につながる確率も高くなると言われています。
前者のフォロワーにはただ有名人だからという理由でフォローしている人も多数いると考えられますが、後者のフォロワーはもともと化粧品好きな人が多いことも関係していると予想されます。
このように、マイクロインフルエンサーは特定の分野に興味のある人にピンポイントで強い影響力を与えることができます。
マイクロインフルエンサーをPRに活用するメリット・デメリット
商品やサービスの販売を促進するために、新しい概念として登場したマイクロインフルエンサーの活用に注目されています。
ここでは、マイクロインフルエンサーを活用して販促を行う場合のメリット・デメリットについて解説します。
マイクロインフルエンサーの活用メリット
インフルエンサーのマーケティングにおける影響力は、いかに多くのユーザーに情報を届けることができるのかを示す「リーチ力」と、投稿に対して「いいね」や「シェア」をもらう力を示す「エンゲージメント率」に分けられます。
インフルエンサーの場合、リーチ力が高く、エンゲージメント率が低い傾向にあります。
一方、マイクロインフルエンサーはフォロワーとの距離が近く、コミュニケーションも盛んなケースが多いため、フォロワー数が少なくリーチ力ではインフルエンサーに劣るものの、エンゲージメント率が高いのが特徴です。
そのため、商品に関心を持ちそうなターゲット層に訴え、購買意欲を刺激し、直接売上の向上につなげられるというメリットがあります。
マイクロインフルエンサーの活用デメリット
マイクロインフルエンサーは特定の分野に強みがあるからこそ影響力があるにも関わらず、マイクロインフルエンサーとして認知度が上がり、さまざまな企業のPR依頼を受けることで投稿内容の統一感が失われ、専門性が薄れてしまうケースがあります。こうした場合には、フォロワーとの信頼関係が崩れ、影響力を失う可能性が高くなります。
さらにマイクロインフルエンサーは、広告、宣伝のプロではないため、企業の意図に沿わない文章や写真を投稿してしまうケースもあります。
そのため、マイクロインフルエンサーを活用する場合には、投稿内容に対して事前に綿密な打ち合わせを行い、適切なハッシュタグをレクチャーするといった依頼した企業側の工夫が求められます。
マイクロインフルエンサーの効果的な活用方法
以下では、実際にマイクロインフルエンサーを活用する場合には、どのように活用するのが商品やサービスのPRに効果的かについて解説します。
フォロワーとつながりの強いインフルエンサーを起用する
フォロワーの数という点ではインフルエンサーに劣るマイクロインフルエンサーですが、その分強みとなるのがフォロワーとのつながりの強さです。
30万人のフォロワーを持つ1人のインフルエンサーと、3万人のフォロワーを持つマイクロインフルエンサー10人では、合計のフォロワー数だけみれば同数になります。しかしマイクロインフルエンサーの方がフォロワーとのつながりが強く影響力が強いため、費用などの条件が同じであれば後者の方がより効率的な可能性があります。
マイクロインフルエンサーを通じたプロモーションの効果を最大限に発揮するためには、フォロワーとのつながりの強いマイクロインフルエンサーを起用することが大切です。
有名なインフルエンサーとも戦略的にタイアップする
先述したように、インフルエンサーを起用する効果を図る上では、リーチ力とエンゲージメント率の2つの指標があり、トップインフルエンサーではリーチ力に、マイクロインフルエンサーではエンゲージメント率に期待できます。
マーケティングではこれらの特徴を踏まえ、自社が置かれている状況に適したインフルエンサーを選ぶことが大切です。
例えば、無名の自社ブランドの認知を出来るだけ広げたいといった場合にはインフルエンサーの活用が効果的です。
一方、ある程度認知度が上がり、実際に商品の購買やイベントへの集客など具体的なアクションへつなげたいフェーズでは、トップインフルエンサー1人に依頼するよりも、複数人のマイクロインフルエンサーから情報を発信してもらう方が、企業にとってメリットが高いマーケティング戦略になる場合があります。
まずはトップインフルエンサーとタイアップして認知度を上げ、その後マイクロインフルエンサーを活用してエンゲージメントを高め、売り上げ向上を図るなど、段階に応じて適したインフルエンサーを起用することで効率的なプロモーションが可能となるでしょう。
まだ利用されていない分野でマイクロインフルエンサーマーケティングを行う
これまでマイクロインフルエンサーとのタイアップ例があまりない分野で、マイクロインフルエンサーマーケティングを行えば注目を集めることができます。
例えば、ラグジュアリーブランドにとって、ブランドイメージを守ることはマーケティング戦略上重要であるため、広告のプロではないマイクロインフルエンサーをマーケティングに活用しているケースはまだ多くはありません。
そこであえてマイクロインフルエンサーとタイアップすることで、新たなファン層の獲得を狙う手法が模索されています。
このように、まだマイクロインフルエンサーが活用されていない分野で、あえてマーケティングにマイクロインフルエンサーを活用すれば、高い効果が期待できます。
インフルエンサーの選定では「登録者数」でなく「視聴時間」に注目
インフルエンサー事業を手掛けるTHECOO(ザクー)代表の平良真人氏は、YouTubeにおけるインフルエンサーの効果は登録者数で測られることが多いですが、本来の影響力を見るためには登録者数よりも視聴時間の方に注目すべきと指摘しています。
一人あたりの視聴時間は登録者数と反比例するため、登録者数の多いトップインフルエンサーより、登録者数が比較的少ないマイクロインフルエンサーの方が動画を見てもらえる確率が高く、訴求力が高いといいます。
実際に、同社が2016年に行った調査では、チャンネル登録者数100万人以上のスターYouTuberと、同1万人以上10万人未満のマイクロYouTuberを、チャンネル登録者1人あたりのコメント率と高評価率の平均で比較すると、マイクロYouTuberの方が高いことが明らかになりました。
スターYouTuberの場合は、平均コメント率0.11%・高評価率0.43%であったのに対し、マイクロYouTuberではそれぞれ0.26%、0.77%と約2倍となりました。この数字は、それだけマイクロインフルエンサーの方がフォロワーとの結びつきが強く、影響力が強いことを示しています。
マイクロインフルエンサーの活用事例
マイクロインフルエンサーのマーケティングへの活用には、すでに成功例も多く存在します。
以下では、マイクロインフルエンサーを活用して商品やサービスのPRに成功した具体例を紹介します。
活用事例1. 化粧品メーカー:日本ロレアル
フランスに本社を置き、美容業界を代表する老舗ブランドであるL’Oréal社(ロレアル)は、マーケティング戦略の一環として、早い時期からインフルエンサーの活用に取り組んできた企業の1つです。
ロレアル社は、インフルエンサーマーケティングの予算の大部分をインスタグラム上でのプロモーションに割り当てています。
日本におけるマーケティング戦略も例外ではなく、日本ロレアルでは自社でインフルエンサーを直接雇用し、各ブランドに対して影響力の高いインフルエンサーをマッピングで管理しているとされています。
2017年9月に行われた新商品発表会では、学生や社会人などのマイクロインフルエンサー200名を招待し話題になりました。参加したマイクロインフルエンサーの合計フォロワー数は472万人、その時に投稿された写真の総数292枚、そして「いいね」数の合計は13万に及びました。
活用事例2. スポーツメーカー:アディダス
アディダスは、2015年と比較的早い時期からマイクロインフルエンサーの存在に着目し、マーケティング戦略に活用していたようです。
中でもマイクロインフルエンサーを活用した施策の代表例は、サッカー用スパイク「グリッチ(Glitch)」のアプリ限定販売です。
この施策は、スパイクの新モデル「グリッチ」の発売に際し専用アプリをリリースし、同アプリだけの限定販売としたもので、最も特徴的な点はアプリへの登録には、既に登録しているユーザーからの招待が必要としたことです。
この限られた販売方法が話題を呼び、手に入れたいと考えたサッカーファンが多く、グリッチは大きな人気を集めました。彼らはマイクロインフルエンサーなどの影響力を持つ人との繋がりを求め、出来たコミュニティの中で互いにアプリへ招待し合ってネットワークが広がる動きが生まれました。
アディダスはその後このアプリをすべての人に公開しましたが、同施策でマイクロインフルエンサーを活用した販促に成功しました。
活用事例3. プリントアウトサービス:ALBUS
スマホ写真のプリントアウトサービスとして2016年6月に登場し、正方形の写真を毎月8枚までプリント料金無料で提供する「ALBUS」も、サービスの認知度を上げるためにマイクロインフルエンサーを活用して成功した企業の1つです。
ALBUSでは、招待コードを入力すると無料プリント枚数を1枚増やせ、さらに自分が提供する招待コードを利用してもらうと、招待コードの提供側も毎月の無料注文枚数が1枚増え、最大で15枚まで無料で印刷できる制度を作りました。
この制度により、ユーザーは招待コードを求めてマイクロインフルエンサーとのつながりを求め、マイクロインフルエンサー自身も自分のコードを使ってもらうことで無料枚数が獲得できることからアピールに熱心になるという循環を生み、効果を広げることに成功しました。
自社に最適なSNSマーケティングを
マイクロインフルエンサーとは、フォロワー数が1万以下くらいのアカウントを指します。その定期は曖昧ですが、彼らの特徴はフォロワー数ではなく、専門性やフォロワーとのつながりの強さにあります。
昨今では情報の収集から実際の購買活動まで、インターネット上で完結するケースが多い傾向にあり、消費者の購買行動の変化が注目されています。
こうした消費者の新たなライフスタイルに対応するために、従来のマスメディアでの発信による「広く、浅く」という戦略だけでなく、インターネット上でいかに効率的にターゲット層にリーチできるかという「狭く、深く」という戦略が求められています。
インフルエンサーマーケティングでは特定のターゲット層に強い影響力をもつマイクロインフルエンサーや、幅広い層にリーチすることのできるインフルエンサーなど、それぞれの特徴を把握した上で、自社のマーケティングの現状や方針に適した方法や人材を選ぶことが大切です。
インフルエンサーを起用した口コミプロモーションとは?SNS別のマーケティング効果の違いやメリットを解説
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