リモートワークや人混みを避ける心理の広まりから、郊外に移住する人やミニマムライフを意識する人が増えています。そして、住まいの中のモノに対する価値観も変わりつつあります。
ハイブランド品を身に着けて都心に出ていた人がカジュアル志向になったり、ステイホームを充実させるために家電を新調する人もいるでしょう。
そこで必ず発生するのが不要品です。処分せず何かに役立てたい、現金化したいという動きが活発です。
今回は、話題の総合リユースショップ、セカンドストリートに着目し、リユース市場の今後について解説していきます。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
セカンドストリートとは
業界トップのゲオホールディングスが運営するリユースショップで、実店舗が全国に700店舗以上あり、オンラインで中古品の買取りや販売もできます。
総合リユースショップ/家具、家電、おもちゃ、楽器やスポーツ用品
古着やバッグといったアパレルを中心に、家具、家電、おもちゃ、楽器やスポーツ用品に至るまで幅広い製品を扱う総合リユースショップです。
オンラインストアでは100万点以上のアイテムが掲載され、「セカスト」の愛称で多くのユーザーから好感を持たれています。
2020年には国内中古市場で初の売上高1,000億円を突破するほど勢いがあります。
店舗数、規模
全国に実店舗を持つセカンドストリートですが、その数は国内で738店舗に及び、さらにアメリカに9店舗、マレーシアに6店舗、台湾には4店舗目が2021年4月にオープンするなど海外でも拡大中です。
これはリユース市場規模が今後も継続的に伸びていくことを予測した施策で、郊外から首都圏まで面でエリアを広げつつ、安定した在庫も確保しています。
さらに、この店舗数が広告の役割も果たしており、自然に国内外で認知が進んでいます。
多様な経営形態
セカンドストリートの特徴として、店頭とWeb、双方を使った買取りや販売チャネルを持つことで、多様な顧客のニーズに応えています。すぐに現金化したい人は実店舗が確実と考え、手間なく売却したい人はネット経由が便利でしょう。
また、専用アプリもあり、オンラインでの購入や入荷通知の受け取り、Pontaポイントの利用など機能も充実しています。
顧客のライフスタイルに合わせて手段を選べるため、製品流通がスムーズになります。
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現在はゲオの傘下に
DVDやCDのレンタル、ゲームソフトなどの売買を事業とするゲオが、2013年にセカンドストリートを吸収合併しました。
ゲオではリユース、レンタル、新品販売の3分野が主力事業となっており、特にリユース事業であるセカンドストリートの伸びが著しく、リユース事業を中心とした領域を今後拡大していく予定です。
セカンドストリートの成長の理由
これまで述べてきたように、セカンドストリートが近年急成長を遂げていますが、その理由について考察していきます。従来の中古品販売店のイメージを一掃する、さまざまな工夫が施されています。
理由1. 清潔感のある開放的な店内
店内は広々としており、看板がなければ中古品専門店と思えないほど、明るく清潔感があります。
豊富な商品が並ぶ店内は、製品のジャンルなどで綺麗に陳列されており、個性溢れるアイテムを楽しみながら買い物が可能です。商品自体も良い状態のものや未使用品が多くあります。
展示にもこだわりがあり、例えばキャンプグッズであればフロア内にテントなど大型グッズが設置され、アウトドアの世界観を再現しています。
セカンドストリートはリサイクルショップの薄暗く質素な先入観を払拭するような店作りを実現し、リユースの新しい魅力を発信するスポットです。
理由2. 買取・販売方法の多様化
個人対個人で売買が成立するフリマアプリが普及する中、実店舗だけの売買では利便性に劣ります。
セカンドストリートは、PCやスマホでできる買取りサービスを、集荷後査定する流れで実現しています。また、家電製品や大型家具などは便利な出張買取りサービスで、自宅にて査定が可能です。
商品購入も、オンラインストアの利用や、ネットで予約して近場の店頭まで取り寄せるサービスなど、フリマアプリに対抗していくつかの方法を提供しています。
理由3. 多種多様な商品展開
リユース製品というイメージからは想像できないほど商品が充実しており、欲しいものが安価で揃う点が喜ばれています。
各店舗は品揃えによってタイプがあり、オールジャンル扱う店舗を始め、アパレル特化型、アウトドア専門、ブランド品専門、楽器専門、玩具専門と目的に合わせて利用しやすく、店内を無駄に歩く必要もありません。
嗜好品などの専門店も充実しているため、さまざまな年代の顧客を集客できています。
理由4. シェア経済が拡大中
個人が所有する資産を、インターネット上のプラットフォームで交換、貸借、売買することで経済を活性化させる動きがあります。これをシェア経済と呼び、駐車場のシェアリングや民泊サービス、そして不用品などモノのシェアもここに含まれます。
シェア経済が活性化することは、余らせている価値あるものと人とが結びつき、消費拡大につながります。フリマアプリも、このようなモノ所有からモノ利用への移行で成功している一例といっても過言ではありません。
セカンドストリートのように、誰もが自由にリユース活動に参加できるサービスは、今後、利用者増加や収益拡大が見込まれます。
リユースショップの集客力を高めるには?
経済産業省の調査によると、BtoCの電子商取引では物販系分野の市場規模は10年間連続拡大しています。
その一方で、フリマアプリのような、消費者間の取引は、2018年から2019年にかけて9.5%の伸び率です。
インターネット通販は市場に浸透しており、企業ではなく個人から商品を購入することもまた日常になりつつあるといえるでしょう。
このような好機において、リユースショップが集客力を高めるマーケティングのポイントを解説します。
対策1. 買取方法の多様化
これまで中古売買といえばBtoCが主流でしたが、フリマアプリの登場で、個人が自ら値付けをして販売できるCtoCへのニーズが強まっています。
セカンドストリートのように、買取り方法を店舗、Web、出張サービスと顧客が選択できる仕組みは、アプリを使いこなす若い層を囲い込むのであれば必要不可欠でしょう。
逆に、リアル店舗を構えることで、関連商品をセットで購入する顧客が増えたり、商品の品質が見えやすくトラブルが置きにくいなどメリットもあります。消費者の行動傾向も踏まえた舵取りが成功を導きます。
対策2. 査定基準の透明化
顧客は言うまでもなく、可能な限り高額で売りたいと思っていますが、リユースショップでの買取りは価格基準が分かりづらく、査定額に納得できないといった不満もあります。
ブランド品は査定基準を公開しているショップが多いですが、低価格商品は特に基準が曖昧なため、フリマアプリでの出店に流れやすくなっています。
一方で、フリマサイトの値付けは販売者が自在に決められ、類似商品の売買などチェックして相場も把握可能です。販売回数を積むと、良い口コミがついたり固定客が増え、販売を拡大していくこともできます。
フリマサイトのデメリットとして梱包や発送といった手間が挙げられるため、これらが不要な点をアピールしつつ、査定基準を明確化して集客を促進することが大切です。
対策3. 実店舗でのローカルSEO対策
実店舗を持つ営業形態ならではの集客方法もあります。
近隣エリアの顧客をターゲットとしたローカルSEOの対策を取ることで、集客効果を得られます。
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MEO対策のメリットや事例、上位表示する方法
Googleマイビジネスを活用すべき理由
シェア経済の発展など影響、セカンドストリートはじめリユース市場が成長中
セカンドストリートのように、従来の中古品ショップのイメージを覆す店舗作りや豊富な品揃えは、実店舗ならではの訴求で上手く集客につなげており、今後もリユース市場の拡大と共に顧客獲得や収益増加をもたらすでしょう。
PCやスマホで手軽に売買しやすい商品と、店舗で実物を見て、慎重に購入するような高価な商品や大型商品など、ジャンルによって方法を使い分ける消費者も増えていく見込みです。消費者行動の変化を察知し、最適なサービス展開が大切です。
<参照>
マネー現代:中古市場が熱い…!「セカンドストリート」が女性に大人気の理由
経済産業省:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました