レコメンデーションとは、ECなどのオンラインサービスにおいて、ユーザーの購買履歴や閲覧などの行動履歴をもとに、興味や関心の高い商品やコンテンツをおすすめすることを意味します。
英語の”recommendation"をカタカナで表した単語です。
この記事では、レコメンデーションの概要とメリット、手法と事例、口コミサイトを活用したレコメンデーションを紹介します。
レコメンデーションはユーザーと商品・サービスを履歴に基づき結びつけること
レコメンデーションにはユーザーと商品、サービスを結びつける役割があります。いわば購入を促進するための導線です。レコメンデーションでは、ユーザーのニーズに近い商品やサービスをおすすめできるかがポイントとなります。
以下では、レコメンデーションの概要とメリットを紹介します。
レコメンデーションとは
レコメンデーションとは、商品やサービスをすすめる行為を指します。特にWebマーケティングにおいては顧客の趣味嗜好に基づいたレコメンデーションが重要です。たとえば、商品の閲覧履歴や購入履歴などのデータをもとにニーズを想定して、おすすめする手法があります。
顧客のニーズを正確にとらえたレコメンデーションは、売上の増加を見込めるだけでなく、Webサイトやアプリなどのプラットフォームを利用するユーザーの満足度向上にもつながります。
メリット1. ユーザーの購買数増加(クロスセル)
クロスセルとは、ユーザーの購買数増加により売上を向上させる方法です。
クロスセルを狙ったレコメンデーションでは、顧客が購入した商品やサービスをもとに関連商品をすすめるとよいでしょう。
スーツを購入した顧客に似合うネクタイをすすめたり、プリンターを購入した顧客にインクをすすめたりするのは、クロスセルの代表例です。
また、ECサイトで表示される「この商品を購入したユーザーへのおすすめ」なども一例といえます。
レコメンデーションの際は、組み合わせて利用できる商品、サービスをすすめることがポイントです。
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クロスセルとは
メリット2. ユーザーの購入金額の増加(アップセル)
アップセルとは、ユーザーの一度の購入金額を増加させる営業手法です。
アップセルを狙ったレコメンデーションでは、ユーザーの予算を見極めたうえで、検討可能な価格帯の商品やサービスをすすめるとよいでしょう。
ホテルでハイグレードな客室の予約が空いている場合に、チェックインする顧客に対して、わずかな増額でのアップグレードを提案するのは、アップセルの代表例です。また、ECサイトでパソコンを検索していると、より優れた機種が表示されるのもアップセルを狙った手法です。
複数の商品やサービスを検討する際に、価格が高くても機能や内容がより充実している方にひかれやすくなる心理的効果を活用しています。
レコメンデーションの2つの手法
レコメンデーションの手法には、ユーザーベースとアイテムベースの2つがあります。
いずれもニーズに近い商品、サービスをすすめるうえで効果的な手法ですが、それぞれ特徴が異なります。
どちらが適しているかは取り扱う商品やデータの量によって異なるため、試してみて実績の優れている方を採用するとよいでしょう。
以下では、レコメンデーションの2つの手法を紹介します。
1. ユーザーベース
ユーザー個人に焦点をあてる手法です。
たとえば、過去にスーツとネクタイを購入したAさんがいた場合、Aさんと同じスーツを購入したBさんに対して、Aさんが購入したネクタイをすすめます。
Bさんという1人のユーザーに焦点をあてて、そのユーザーと趣味嗜好が近いAさんのデータをもとに、Bさんにすすめる商品やサービスを決定します。特定のユーザーの動きをもとに考える方法のほかに、性別や年齢などから区分ごとにユーザーの動きから分析する方法もあります。
2. アイテムベース
商品やサービスに焦点をあてる手法です。たとえば、Aさんが小説を購入した場合、Aさんに対して同じ作家が執筆している別の小説をすすめます。
Aさんが購入した小説という1つの商品に焦点をあてて、その小説との関連性をもとに、Aさんにすすめる商品やサービスを決定します。ある商品と関連する商品を選定する際は、類似する商品を探すのが効果的です。
【レコメンデーションの事例】家具ブランドIKEA
スウェーデン発の家具ブランドIKEAは、オンライン販売に力を入れており、レコメンデーションを活用した販促に取り組んでいます。
類似商品や人気商品の表示によるアップセル、おしゃれな組み合わせの提案によるクロスセルなど、オンラインストアではさまざまな工夫が凝らされています。
【口コミサイト】レコメンデーション機能を持つサービスも
レコメンデーションを活用しているのはECサイトだけではありません。食べログやHot Pepper Beauty、じゃらんなどの口コミサイトにおいても採用されています。
レコメンデーションは業種を問わず、口コミサイトの利便性向上に役立っています。
以下では、口コミサイトのレコメンデーション機能を紹介します。
1. ホットペッパービューティー(Hot Pepper Beauty)
サロンや美容室を中心とするポータルサイトのHot Pepper Beautyは、過去に予約したユーザーに対して他のプランをすすめています。
クーポンを表示してリーズナブルな価格を訴求しつつ、アップセルにつなげる手法です。
検索から予約までをワンストップで提供しているポータルサイトでは、過去の予約データに基づいて提案ができる利点があります。また、ユーザーの登録情報からパーソナライズしたおすすめもできるでしょう。
2. じゃらん
旅行予約サイトの「じゃらん」は、登録ユーザーに対して「特別オファー」を提供しています。
ユーザーの閲覧履歴や予約履歴をもとに、パーソナライズされたおすすめを表示しており、ユーザーベースのレコメンデーションです。
類似しているユーザーの行動パターンからではなく、そのユーザーの行動からレコメンデーションにつなげるため、よりニーズに合致しやすいと考えられるでしょう。
レコメンデーションを導入するには?レコメンドエンジン2選
レコメンデーションを本格的に実施する際は、レコメンドエンジンの導入が効果的です。レコメンドエンジンでは、データをもとにAIを活用したおすすめが表示されるため、より緻密な分析ができます。
以下では、2つのレコメンドエンジンを紹介します。
1. Rtoaster(アールトースター)
Rtoaster(アールトースター)は、ブレインパッドが提供するレコメンドエンジンです。
費用は、Webサイトの規模やデータの量に応じて異なるため、初期費用や月額費用などの詳細は問い合わせる必要があります。
Rtoasterは14年にわたってサービスを提供しており、350社以上で採用されています。コンサルタントが導入から運用までをサポートしているため、レコメンドエンジンの運用経験がなくても安心です。
2. チームラボレコメンド
チームラボレコメンドは、チームラボが提供するレコメンドエンジンです。初期費用や月額費用は公開されていないため、導入の際にはRtoaster同様、直接問い合せて確認します。
ユーザーの行動履歴やアイテムのテキスト情報などから相関関係を分析して、独自のデータを蓄積します。
Webページの閲覧履歴だけでなく、画像なども含めて解析するため、細かなニーズも汲み取ったうえでパーソナライズできる強みがあります。
費用対効果を考慮したレコメンデーション機能の活用を
レコメンデーションは、アップセルやクロスセルを促すうえで効果的です。また、ニーズに合致したおすすめを表示して利便性をアピールできれば、リピーターの獲得にもつながります。
レコメンデーションを活用するには、口コミサイトに登録する方法と、自社サイトにレコメンドエンジンを導入する方法があります。それぞれの費用対効果を比較したうえで導入を検討する必要があるでしょう。
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