定性調査とは?定量調査との違い・潜在的なニーズをくみ取る・4つの手法や特徴を解説

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消費者や顧客の消費傾向や行動を探る際には、様々な調査方法があります。

全体の割合に対してどれだけの人が購買をしたかなど、数値としてのデータをまとめていくのが定量調査と呼ばれる手法です。それに対し、全体的な市場把握ではなく、個別の思考プロセスや意見に焦点を当てているのが定性調査です。

全体的な市場動向の把握が重要であることに加えて、消費者のニーズが多様化している現代においては、個別の消費者に的を絞って行動の仮説を作っていくことが大切です。個人の考えを深堀するのに適しているのが定性調査はそのような場合に効果を発揮します。

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定性調査とは?

定性調査とは、調査の対象になっている人の言葉や行動など、数値化できないデータの収集を目的に行われる調査です。

調査対象には観察者が感じた印象や、そのほか、文章や写真などの数字で表すことのできないものをデータとしてまとめる場合もあります。

数値を用いた調査の多くが仮説を証明するためにデータを収集を行うのに対し、定性調査は仮設の見つけづらい市場の動向などを把握する方法の一つとして用いられ、比較的少ないサンプル数を対象に行われるという特徴があります。

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定量調査との違い

個別の反応を数値以外の方法で観察する定性調査に対して、定量調査は全体に対する割合など、数値を基準にして調査を行います。

たとえば、新発売となった商品が他社競合に比べてどの程度販売実績を上げることができたかを知るためには定量調査が適しており、購入した人を対象に購買までのプロセスや購買理由など個別の事象に焦点を当てた調査には定性調査が適しています。

定性調査と定量調査は、知りたい情報に合わせて使い分けをするべき調査方法であり、目的に応じて選択することが大切です。

定性調査のメリット

定性調査を行うことのメリットに、消費者や顧客の個別な意識や感情の面まで深く歩み寄り、行動に至るまでの見解を探ることができる点です。

現代の市場は、質の良い商品をただ販売するだけでは消費者の目に留まることは少なく、消費者の価値観に照らし合わせて必要と判断されるような商品でないと売れません。戦略的な価値提供が求められるという特徴があります。

企業は消費者のさまざまな要望を理解し、どのような意欲に結び付けて商品の魅力を訴求するのかを意識する必要が生まれました。

定量調査による全体の市場傾向の把握に加えて定性調査を行うことで、個別の行動、思考を深く理解することが可能になります。

定性調査のデメリット

定性調査を行うことには、デメリットもあります。

定量調査は多数の調査対象から数値として結果を得るため、全体の大まかな動向を把握することができるのに対し、定性調査は対象となった人の個人的な主観の情報を得ることになります。

一人の意見が必ずしもその他大勢の人と類似しているとは限らないので、定量調査と比較すると正確性に欠ける場合があります。選定された人の主観によって、調査で知ることのできる内容が変わってしまいます。

このことから、調査対象者の選定が重要であることがわかります。

また、個別に意見を聞くという形式の調査であり、定量調査よりもコストが発生します。

定性調査の代表的な4つの手法

定性調査を行うためには、いくつかの手法があります。ここでは、そのうちの代表的な4つの手法について紹介します。

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1. グループインタビュー(Focus Group Interview)

定性調査を行う一つの方法はグループインタビューです。

グループインタビューは、企業など調査の主催側が用意した一人の進行役と、複数の調査対象者によって意見交換を行うことで進めます。

グループで調査を行うことのメリットは、様々な年代、性別、職業の人を一度に集めて意見を聞き、情報を収集することができるため、時間とコストを節約できる点にあります

また、他の人の意見を通して個別に話を聞くだけでは聞き出せないような意見の深堀ができる可能性もあります。

2. デプスインタビュー(Depth Interview)

デプスインタビューは、直訳すると「深層面接」であり、面接を行う側と調査対象者が1対1で行う方法です。

デプスインタビューを行う目的は、1人の対象者の購入に至るまでのプロセス、動機などを深く掘り下げて聞き出すことです。

さらには、いままでどのように使用するブランドを切り替えてきたかというブランドスイッチの経歴などを聞き出すことで、消費者のリアルなブランドへの認識を知ることもできます。これらの情報を得ることで、自社商品についての新たな仮説を立てることができる場合もあります。

1対1で面接を実施するため、周囲の目を気にせずに気軽に発言でき、本心を探りやすい点がこの方法のメリットです。

3. 行動観察調査

行動観察調査は、消費者に実際の買い物のシーンになるべく近い状況を再現してもらい、その際の行動を観察する方法です。

例えば、レストランを決めて商品を注文するまでの間、どのような理由でレストランを選択し、なぜその商品を頼んだのかというプロセスを観察した上で、行動に至るまでの試行プロセスをインタビューするなどが挙げられます。

顧客の自然体の行動を観察することができ、意思決定までの過程をのぞくこともできるので、これまで想定していなかった新しい切り口からの販売促進方法が発見できる可能性があります。

ただし、個別に状況を再現するためにはコストがかかるというデメリットもあります。

4. 訪問観察調査

訪問観察調査は、商品を実際に使用している家庭を訪れて調査を実施する方法です。

商品を購入するまでの過程だけでなく、購入後の使用状況を知ることができます。生産側や販売側の想定している用途だけでなく、柔軟な使用方法などを知る機会になる場合もあり、新しい商品の販売戦略や、商品開発のアイデアを得られる場合もあります。

また、面接会場や外部での調査では緊張感からうまく意見を言うことができない人も、自宅であればリラックスして自分の話ができることもあるので、ありのままの意見を聞きせる可能性が高まります。

ケースによっては定量調査と組み合わせることも重要

定性調査は、個別の意見や試行プロセスを深堀する調査方法です。

そのため、個人の考えを把握することには適していますが、調査から得た情報が全体的な市場とずれてしまう可能性もあります。全体的な傾向の把握には定量調査が適しています。

定量調査と定性調査は調査を行う目的に合わせて使い分ける必要がありますが、これらの2つの調査は同時に取り入れることが不可能なわけではありません。

定量調査を行う中で定性調査を並行して行うという方法もあり、反対に、定性調査で得たデータを定量調査の中に落とし込むこともできます。

潜在的なニーズをつかめる定性調査

結果を数値化して収集することで市場の全体把握につながる定量調査に対し、個別の意見や試行プロセスを深く掘り下げる定性調査はこれまでになかった新しい切り口を見つけるきっかけになり得る調査方法です。

調査対象者の意見を細かく聞いていくことで、市場に隠れる潜在的なニーズをつかむきっかけにもなり、商品開発や販売促進など様々な分野において調査結果を役立てることができます。

しかし、必ずしも個人の意見が市場全体とリンクしているとは限らないことや、調査対象者を慎重に選定する必要があるなどの注意点もあります。

調査の目的をまず明確にし、定量調査と定性調査の2つの方法のメリットを活かして調査を行うことが大切です。

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