リスクアセスメントとは?飲食店にも必要・メリットと進め方を解説

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リスクアセスメントとは、危険性や有害性といったリスクを特定し、その理由を分析し、どの程度危ないのかを見積もる過程です。

リスクアセスメントは、労働環境に対し行うことが一般的です。重いものや高温のものを取り扱ったり、人が多数集まる場所でものを運ぶような仕事の場合、危険の程度を見積もり災害を防ぐことは特に重要です。

飲食店や顧客を受け入れる店舗にとっても、理解し実行すべきプロセスといえるでしょう。

リスクアセスメントとは

リスクアセスメントは、ある作業について、どのような危険や有害性があるのかをみつけ、それがどの程度重大な結果を招くかについて判断し、いつ改善すべきかを考え、改善策を実施することです。

厚生労働省のウェブサイトでは以下のように説明されています。

労働安全衛生法第28条の2では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、製造業や建設業等の事業場の事業者は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務とされ、その適切かつ有効の実施のために、厚生労働省から「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。 
<出典>厚生労働省:リスクアセスメント

製造業や建設業から、飲食店まで関係

製造業や建設業など、身体の危険性の大きい業務を想定して提唱されているスキーム(考えの枠組み)ですが、この考えは接客業においても応用することができます。

飲食店では転倒や切り傷、高温や低温の物との接触、重量物の運搬などの危険があります。

飲食業では、安全関係の管理者等の専任は義務付けられていませんが、このような危険性があることから、安全推進者(安全を担当する者)の配置が厚生労働省により勧められています。

また一方で、10~49人の事業所には安全衛生推進者の、50人以上の事業所では衛生管理者の選任が必要です。後者はその事業所専属である必要があります。

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リスクアセスメントのメリット

リスクアセスメントには大きく分けて3つのメリットがあります。

まず事業所や職場でのリスクが明確になり、メンバー間で情報を共有できる点です。メンバー間で共通の危機認識を持つことが可能になり、リスク管理の意識を皆で共有できます。

次に、事前にリスクを低減し、被害を最小限にできることもメリットです。事故が起こりうる場面を予め把握しておくことで、万が一事故が発生したとしても適切に対処できます。

たとえば飲食店であれば、テーブルに飲料や料理を運ぶ際、あるいは食べ終わった皿を下げる際、うっかり落としてしまうというリスクが考えられます。こうしたことが起きないよう、従業員が見通しの悪いところを歩く際にはゆっくり歩く、あるいは厨房内で歩く際は通ることを一声かけてから動くという対処法が考えられます。

また万が一皿を落としてしまった際には、来店客に詫び、破片などが完全に片付くまでは動かないようお願いするといった対処方を決めておけば、うろたえずに済みます。

実際に直面する環境に応じてマニュアルを作成できるというメリットもあります。職場によって有している環境や設備は違います。そうした違いにもリスクアセスメントを使えば、柔軟に対応でき状況に応じて独自のマニュアルを作成することができます。

たとえば飲食店であっても、焼き肉屋とカフェでは設備や接客のオペレーションが異なります。危険性のあるアイテムや、発生しうるトラブルも異なり、同一の手順書に基づき危険性を管理することは現実的ではありません。

リスクアセスメントの手順

前章でリスクアセスメントのメリットや重要性に関して紹介しました。ここからはリスクアセスメントを正しく遂行するための、5つの手順を順番に説明します。

1. 職場の潜在的な危険性や有害性を明確にする

危険性や有害性を特定します。毎日の作業手順を確認したり、前年度の災害発生状況を参考にしたりします。

2. 想定されるリスクの具体例から評価

続いて特定した危険性や有害性についてリスクの見積もりを行います。

危険が発生する頻度、危険が発生した際ケガに至る可能性、ケガの重大性の3つから評価する方法と、ケガの発生の可能性とケガの重大性の2つで評価する方法があります。

3. 対応すべきリスクの優先順位を決める

リスクが複数ある場合、評価に点数を割り出し、優先順位を決めます。

4. リスクの低減方法の検討・実施

3で決めた優先度に従い、リスクを減らす方法を検討していきます。

  1. 本質的対策
    設備を設計する段階で見直しを図ることです。リスクのある作業はリスクのないやり方に置き換えることを検討します。包丁でのケガが発生するリスクに対しては、包丁を使わない方法を採用するといったことが考えられます。
  2. 工学的対策
    工学的対策は本質的な対策を講じるのが難しい場合に用いられます。たとえば床での転倒がリスクとしてある場合、滑りにくい床面にするという場合はこの対策に含まれます。
  3. 管理的対策
    安全マニュアルや作業手順書を作成し、作業者に訓練を施します。正しい設備の扱いを周知することで事故を未然に防ぎます。ただし、マニュアルを徹底したとしてもヒューマンエラーは起こりうるため、その防止対策も必要となります。
  4. 保護具の使用
    1~3の対策が難しい場合、保護具を着用します。保護マスクや保護衣等の着用を作業者に促し身の安全を確保します。揚げ物調理中の火傷防止にエプロンを採用する場合などが考えられます。

5. リスク低減措置の効果を検証

リスクアセスメントの過程でリスク低減措置を実施したら、最後にその措置がどれほど効果があったのか評価を行います。

効果があった提言措置は引き続き応用し、一方効果が低い低減措置は見直す必要があります。

ここまで行ってようやくリスクアセスメントの一連のプロセスが完了したと言えます。

リスクアセスメントの実施は接客業にも必要

リスクアセスメントは製造業や建設業だけでなく、接客業においても有用なフレームワークです。リスクを見出し、発生を最大限防ぐことで、従業員と顧客双方にとって望ましい環境が実現します。

リスクを低減させるためには、本編で見てきたような手順で、リスクの種類に応じてもっとも有効な低減方法を採用することが重要です。

<参照>

中災防:リスクアセスメント

厚生労働省:多店舗展開企業(飲食業)でのリスクアセスメントマニュアル

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