アンカリング効果とは|マーケティングに役立つ心理効果・業種別事例

アンカリング効果は行動経済学や心理学の分野で知られる現象であり、近年はマーケティングにおけるひとつのフレームワークとして幅広く活用されています。

この記事では、アンカリング効果がどういった現象なのか、マーケティングへの活用方法・事例を紹介します。

アンカリング効果とは?

アンカリング効果は行動経済学・心理学の心理効果であり、ヒトが情報を受け取る際に一種の認知バイアスによって価値判断が影響を受けることを指します。

また、こうした心理をベースにしたマーケティング戦略や手法もあり、アンカリング効果という言葉を用いて説明されています。

アンカリング効果
▲アンカリング効果:編集部作成

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行動経済学・心理学の心理効果

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件がその後の判断にも影響を与える心理現象のことです。

ヒトは価値判断のための情報が一方的に示された場合、その情報を基準として後の判断を調整してしまう傾向があります。この心理効果を利用するのが、アンカリング効果を活用したマーケティング活動です。

たとえば2万円の予算で掃除機を購入していた場合、元値が4万円の掃除機が在庫処分のため2万8,000円で売られていたら予算をオーバーしているのにもかかわらず購入を検討してしまうことなどが挙げられます。 この場合、元値の4万円が基準となるため顧客にお得感を感じさせます。

アンカリング効果の語源

アンカリング(Anchoring)とは本来、英語でアンカー(Anchor)、つまり錨によって船を留めておくことを意味します。

アンカーによって海底につなぎ止められた船が、その固定された場所を基準に移動範囲が制限される様子が、思考や判断が最初の基準から離れられなくなってしまうことに似ているとして名付けられました。

また水中にあるイカリが地上からは見えないのと同じように、アンカリング効果を受けている人は固定された基準の存在を自覚することは少なく、その影響はもっぱら無意識のうちに発揮されます。

見えないアンカーが、ヒトの行動を繋ぎとめている、というわけです。

アンカリング効果を活かした業種別マーケティング事例

アンカリング効果は、身近なところですでにたくさん活用されています。ここではその具体例を、業種別に解説します。

飲食業/飲食店などのコースメニューやレイアウト

たとえば飲食店で複数のコースメニューを表示する際には、最初に値段が高いハイエンドなコースメニューが提示され、そのあとに通常のコースのメニューが並べられていることが多いです。

そうすることで高級なコースの価格がアンカーとなり、通常コースの方に相対的な割安感が生まれ、結果として通常コースにオーダーが集まりやすくなります。

この通常コースの方に利益率の良いアイテムを集中させておけば、原価率対策にもなります。

また、お店の内装を豪華なものにして高級感を演出したり、極端な安売りを行わないといったブランディング戦略もアンカリングの一種と言えます。見た目から高級店というイメージを先行させ、お客様に納得感を与えることができれば、単価が高いメニューも受け入れられやすくなります。

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小売業1/家電量販店などの価格表示

家電量販店ではメーカー希望小売価格を販売価格と並べて表示するといった手法がよく用いられています。

希望小売価格をアンカーとして、実際の価格のお得感を演出する方法です。

他に家電量販店でよく見られるものとして「他店舗より1円でも高い場合は値引します」というように、比較対象として競合店を引き合いに出し、アンカーとする手法も存在します。

しかし、顧客が前もって製品の価格について調べている場合には、アンカーとなる情報を掲示される前に他の情報を手に入れてしまっているため、アンカリング効果の影響を受けにくくなります

小売業2/スーパーなどの激安価格設定

激安スーパーや100円均一ショップなど、とにかく安いことを前面に押し出すことによるアンカリングも存在します。

たとえば激安スーパーでは、卵や豆腐などの日々使う食品やティッシュなどの消耗品が相場より非常に安い価格で販売されています。

それらの必需品を格安で提供することにより「このスーパーはなんでも安い」というイメージを消費者に持ってもらい、ついでに他の利益率の良い商品に手を伸ばしてもらったり、まとめてたくさんのモノを買ってもらって運営コストを低減するのが激安スーパーの戦略です。

また100円均一ショップには、仕入原価が100円を超える商品も存在します。その商品は売れれば売れるだけ赤字になるということであり、一見非合理に見えますが、他の商品との原価率のバランスで全体として損失をカバーする仕組みで戦略として成り立たせています。

単一商品としての儲けより、「この店は何でも100円で買える」というアンカーを消費者の心理に打ち込むことを優先しているといえます。

マーケティング戦略に落とし込む際のコツと注意点

アンカリング効果の活用にも、いくつかのコツと注意点があります。ここではその具体的な活用方について紹介していきます。

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購買意欲に訴えるアンカーを提示

基準としてのアンカーは、購買意欲に訴えるものでなくてはなりません。

「お一人様◯個限り」や「期間限定特別価格!◯月◯日まで」のように数量や期間を限定するものや、「通常価格5,000円→特別価格2,980円」などの表示のように他の金額と比較して安さを押し出すものなど、消費者の目線に立ちお得感を思わせるアンカーとは何かを考えて訴求する必要があります。

同時に、ビジネスのコンセプトに沿ったものであるか、無理のない訴求内容となっているのかにも気を配るべきです。持続可能性がなく、その場限りの無理なキャンペーンになってしまえば、長期的なビジネスにとってはむしろ悪影響を及ぼすことになりかねません。

さらに注意が必要なのは、消費者に十分な情報がある場合はアンカリング効果は発揮されないということです。

たとえば、長期間にわたって「閉店セール」をやっているような店は実際には閉店する気がないことを消費者に見抜かれて、訴求効果が失われてしまいます。

訴求内容に新規性や意外性のある情報がなければ、アンカリング効果は機能しません。

景品表示法違反に注意:値段の二重表示

価格の表示に関して、気をつけなければならないことが景品表示法における、値段の二重表示についてです。

ある商品の価格を「値引前→値引後」のように二重に表示する時、値引前の価格について実績のない価格を表示するなど根拠のないものを用いると、消費者に著しい誤解を与える不当表示とみなされ、罰則の対象となる場合があります。

たとえば、普段は5,000円で販売している商品を特別価格の3,000円で売ろうとしている時、より高いアンカリング効果を得ようと「通常価格8,000円を3,000円で!」と訴求してしまうケースです。

8,000円での販売実績が一定期間なければ、これは景品表示法違反となります。

他にもメーカー希望小売価格や競合店の価格を引き合いに出す際に、そこに事実と異なるものを表示した場合にも、罰則の対象となります。

具体的にどのようなケースが違反となりえるかについては、消費者庁の発表しているガイドラインを参考にしてください。

消費者庁:二重価格表示

アンカリング効果を理解し、マーケティングに活かす

無意識の消費者心理に訴えるアンカリング効果は、うまく活用できれば店舗や商材を広く知ってもらい、さらなる購買行動を促すチャンスとしてビジネスの大きな助けになります。

ただし、極端な方法をとってしまうと効果がないばかりでなく、ブランドのイメージダウンを引き起こしてしまいます。

事例研究や要点を理解することで、リスクを減らし、マーケティングの各過程の効果をより高められる戦略立案につなげることができるでしょう。

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