「GoTo」効果は"リゾートホテル"で顕著:8月宿泊者数はどこまで回復したのか【宿泊旅行統計】

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観光庁では、国内宿泊施設における宿泊者数や客室稼働率などの数値をまとめた「宿泊旅行統計」を毎月発表しています。

新型コロナウイルスの流行により大きな打撃を受けた宿泊業界ですが、最近では少しずつ回復傾向を見せています。

今回は9月30日に発表された8月の宿泊旅行統計の速報値から、宿泊業界の動向やGo To Travel(トラベル)キャンペーンの効果について解説します。

<注目ポイント>

  1. 8月の宿泊者数は2,600万人超え、7月の1.2倍に回復
  2. 8月の客室稼働率は32%超え、7月から2.5ポイント増加
  3. Go Toトラベル本格始動:旅行サイトの予約数、前年上回る県も

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宿泊旅行統計にみる、8月の宿泊業界:「GoTo」の効果は?

Go To Travelキャンペーンが7月22日に始まり、8月はキャンペーンを用いた旅行が本格化する月となりました。

キャンペーンの効果は数値にも表れており、宿泊業界を前進させる起爆剤となったことが見てとれます。

8月の宿泊旅行統計で特に注目したい数値について、以下で詳しく解説します。

8月の宿泊者数は2,600万人超え、7月の1.2倍に回復

8月の延べ宿泊者数は、2,627万6,030人でした。

前年同期の延べ宿泊者数と比べると58.4%減少しているものの、7月の延べ宿泊者数2,157万8,040人から1.2倍となる470万人増加しています。

8月の延べ宿泊者数のうち、日本人宿泊者は2,605万人、外国人宿泊者は23万人となっており、日本人宿泊者は前年同期比51.5%減少、外国人宿泊者は前年同期比97.6%減少となりました。

現在、日本は世界159か国からの観光客の入国を制限しています。そのため、7月から8月にかけて増加した470万人の宿泊者はほぼ全て日本人となっています。

8月の客室稼働率は32%超え、7月から2.5ポイント増加:リゾートホテルで「GoTo」効果表れる

8月の客室稼働率は、32.1%でした。

前年同期の客室稼働率と比べると37.3ポイント減少しているものの、7月の客室稼働率から2.5ポイント増加しています。

7月から8月の1か月で最も稼働率を伸ばしたのはリゾートホテルでした。7月のリゾートホテルの客室稼働率は24.4%でしたが、8月は34.2%と9.8ポイント増加しています。

これには、Go To Travelキャンペーンの本格始動により、リゾート地へと観光に赴く観光客が増えたことが理由として考えられます。

一方、ビジネスホテルの客室稼働率は7月から8月の1か月で0.8ポイント減少、会社・団体の宿泊所の客室稼働率は同じく7月から8月の1か月で2.9ポイント増加となっています。

多く企業では出張などを取りやめており、統計からもビジネス目的での宿泊施設の利用はいまだ少ないことがわかります。

宿泊業の現状は?8月の宿泊業界を振り返る

リゾートホテルの客室稼働率が10ポイントほど増加するなど、宿泊業界にとっての8月はGo To Travelキャンペーンの効果が現れた月となりました。

キャンペーンは7月22日に始まり、最初は東京都を除く46道府県の在住者が同じく東京都を除く46道府県へと向かう旅行が対象となっていました。

10月1日からは東京都も対象に含まれることとなり、現在では日本全国で利用できるようになっています。

Go To Travelキャンペーンが本格始動した8月には、宿泊業界においてどのような動向が見られたのでしょうか。ここでは知っておきたい主な動きを2点紹介します。

Go Toトラベル本格始動:旅行サイトの予約数、前年上回る県も

Go To Travelキャンペーンが本格始動したことにより、8月は多くの観光客が生まれました。

日本旅行業協会の統計によると、8月の大手旅行サイトにおける予約の件数は、32道府県で前年同期を上回りました。

最も予約の件数が増加したのは和歌山県で、前年同期比187.8%となりました。

また、奈良県が164.1%、徳島県が149.4%とこれに続いており、都市圏ではなく地方に人気が集中していることが特徴となっています。

一方、残りの15都府県の予約件数は前年同期と比べて減少しました。

最も予約の件数が減少したのは東京都で、前年同期比54.9%となりました。

また、大阪府が60.4%、沖縄県が71.6%とこれに続いており、観光客が多く集まる地域での減少が目立つ結果となりました。

10月から地域共通クーポンが順次開始されるほか、東京都もGo To Travelキャンペーンの対象となっており、観光に対する抵抗感が弱まることで客足が少しずつ回復することが期待されます。

Go Toトラベルに加え、独自事業を実施する自治体も

一部の自治体では、Go To Travelキャンペーンに合わせて独自の事業を実施し、更なる料金の割引や各種クーポン券などを観光客に提供しています。

現在は感染防止の観点からまずは近隣地域での旅行が推奨されることも多く、宮城県が宮城県民向けに実施している「Go Toトラベル松島キャンペーン」、福井県が北陸3県民向けに実施している「ふくいdeお得キャンペーン」、高知県越知町が高知県民向けに実施している「GoTo越知町!お得な半額応援キャンペーン」などが地域向けの観光需要喚起策として挙げられます。

一方、全国からの観光客に向けた事業としては、静岡県伊豆の国市の「いずのくに1万人宿泊キャンペーン」、兵庫県伊丹市の「GoTo伊丹キャンペーン」、鹿児島県の「GoTo鹿児島たっぷりプレゼントキャンペーン」などが挙げられます。

Go To Travelキャンペーンの捉え方は各都道府県で異なっており、地域の観光客に向けた事業が多い所と、全国からの観光客に向けた事業が多い所に分かれていることが特徴的です。

Go Toイートも順次開始、今後の盛り上がりに期待

8月の宿泊業界はGo To Travelキャンペーンの後押しもあり、延べ宿泊者数は7月の1.2倍、客室稼働率は7月から2.5ポイント増加と、少しずつ回復への道を歩んでいることが数字にも現れました。

東京都における新型コロナウイルスの新規感染者数も全体を通して減少に転じていることから、10月からはGo To Travelキャンペーンの対象に東京都が加えられることとなりました。

また、各地域でGo To Eat(イート)キャンペーンが始まり、関係者からはGo To Travelと合わせて更に地域経済を活性化させる期待が持たれています。

宿泊業界は5月まで新型コロナウイルスの影響による落ち込みが続いていましたが、6月からは宿泊者数も客室稼働率も概ね上昇が続いており、今後も回復の傾向は続くことが予想されます。

Go Toキャンペーンや各自治体の独自事業など、宿泊業界をはじめとする各業界を後押しする施策も続々と始まっています。

今後これらの効果がどのように現れるのか、引き続き注目すべきでしょう。

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<参照>

観光庁:宿泊旅行統計調査 (令和2年7月・第2次速報、令和2年8月・第1次速報)

SankeiBiz:8月の旅行予約が32道府県で増加 「Go To」効果で高級宿人気

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