新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、多くの飲食店がデリバリーやテイクアウトサービスの導入を始めています。
日本フードサービス協会によると、2020年2月に発令された大型イベントの自粛要請や同年3月に東京都から発令された週末の外出自粛要請なども客足を落とした要因と指摘されています。
本記事では、デリバリーサービスに対する消費者・店舗側の見解や、デリバリーサービスを開始するために必要な許可、運営方法に関するポイントを紹介します。
デリバリーを始める飲食店が増加
新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛要請を受け、デリバリーサービスの利用に積極的な消費者は多い傾向が見られます。
この項目では、デリバリーサービスに対する消費者・店舗側の見解や、デリバリーサービスを開始するのに必要な許可を紹介します。
消費者・店舗側のデリバリーやテイクアウトへの意見は?
料理写真共有アプリ「SnapDish(スナップディッシュ)」が423人のユーザーを対象に実施した調査によると、「新型コロナウイルスの影響を受ける前と比べて買い物に変化があったかどうか」という質問に対し、51%のユーザーが「減った」と回答しました。
また「新しい生活様式」を受けて、家庭の食事で実践していることを尋ねた質問に対し「デリバリーや持ち帰りの利用」と回答したユーザーは46%と最多でした。
新型コロナウイルスの影響による生活様式の変化のためか、デリバリーやテイクアウトの継続利用に興味を持つ人は多く、ぐるなびリサーチ部が会員1,000人を対象に実施した調査によると「今後利用したい」食体験サービスとして「テイクアウトやデリバリー」が38%で1位を記録しています。
一方で、グルメコミュニティアプリ「SARAH(サラ)」で行われた調査では、デリバリーを利用しない消費者から「値段が妥当ではないと思う」という回答も寄せられています。
デリバリーに必要な包装代を含めた商品の値段や配送料など、デリバリー特有の追加費用が一部の消費者をデリバリーの利用から遠ざけているという一面もあります。
また、飲食店向けECサービス「魚ポチ」の調べによると、緊急事態宣言中にデリバリーサービスを提供した飲食店は56.7%で、「今後も継続する」と回答した店舗は24.3%と、店舗では非対面型サービスの導入に積極的な様子が伺えます。
新生活様式では「持ち帰りやデリバリー」46%、「外食していない」51%、店舗ではレジのならびでソーシャルディスタンスに高い意識
買い物の頻度「減った」人が約半数ヴァズ株式会社は、運営している料理写真共有アプリ「SnapDish (スナップディッシュ) 」にて、日常的な買い物・食事作りに関する調査を行いました。調査期間は2020年6月14日から15日、調査方法はSnapDish登録ユーザーにメールにて回答を募集、回答者数は423人です。「新型コロナウイルスの影響を受ける前と比べて買い物に変化があったかどうか」について調査してみると、51%の人が「頻度が減った」と回答しました。年代別に「減った」と回答した人の割合を見る...
「テイクアウトやデリバリ」「お取り寄せ」今後利用したい約4割、「オンライン飲み会」は減少傾向|ぐるなびリサーチ部
ぐるなびの食のオンライン利用動向株式会社ぐるなびが運営する「ぐるなびリサーチ部」では、定期的にぐるなび会員を対象に様々な調査を実施しており、今回は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響下における、オンラインによる食体験の利用動向」を調査しました。調査は2020年6月19日~6月20日に、20代~60代のぐるなび会員1,000名に対しインタネット調査が行われました。食のオンライン利用は、「テイクアウトやデリバリーの注文」と回答した人は利用経験者が28.8%、利用希望者は38...
デリバリーに必要な認可
デリバリーサービスを開始するには「食品営業許可申請」と呼ばれる手続きをする必要があります。
食品営業許可申請では、営業開始予定日の7~10日前に指定された書類を保健所に提出し、営業所での施設検査をした後、施設基準に適していると判断されれば「食品営業許可」がおります。
ただし、食品営業許可申請はデリバリーサービスを単独で開始する場合などに必要な手続きのため、既存の飲食店が副次的なサービスとしてデリバリーを始める場合は新しく申請をする必要はありません。
デリバリーのメリット・デメリット
デリバリーサービスには「店内の混雑状況に囚われず売上を立てられる」「知名度の向上につながる」といったメリットがあるものの、持ち帰り用容器や配達サービスの手配など、サービス開始にかかる準備の手間がデメリットとして指摘されています。
この項目では、デリバリーサービスのメリット・デメリットをお伝えします。
メリット
外出自粛が要請される期間も事業を継続できるというメリットのほか、デリバリーサービスには「店内の混雑状況に関係なく売上を立てられる」「知名度の向上につながる」といった利点が挙げられます。
ランチやディナータイムなど飲食店が満席になりやすい時間帯でも、デリバリーを取り入れることで店内の席数以上に売上を伸ばすことが可能になります。
また、デリバリーを提供することで店舗の近隣エリアに住む人の目にも店の存在が知られるようになり、知名度の向上や新規顧客の獲得も期待できます。
飲食店のデリバリー代行アプリ有名3社を比較|デリバリーのメリットや注意点を紹介
緊急事態宣言が発令されて以降、
デメリット
デリバリーサービスの代表的なデメリットとして、「配達時のトラブル」「準備の手間」が挙げられます。
店舗ですぐ提供される食事と異なり、デリバリーされる食品は配達時に揺れや衝撃を受けます。配達中に盛り付けが崩れてしまうと顧客とのトラブルにもつながる可能性があるため、盛り付けの方法や使用する容器を工夫するなどの工夫が求められます。
また、デリバリーをはじめるには配達サービスの選定や、容器の仕入れといった作業が必要になるため、サービスの提供開始まで準備に時間を割くことが求められます。
デリバリートラブルを回避する方法|拡大するデリバリー需要に向けて注意すべきこととは?
消費税増税、新型コロナウイルスの影響による外出自粛などにより、外食文化の一つとしてデリバリーが定着しつつあります。2016年に世界的に有名なUber Eatsの上陸や各企業がデリバリー産業に進出するなど活気を見せています。しかし急遽始まった外出自粛に合わせてデリバリーを始めた店舗では、トラブルや顧客の注文した料理イメージとのギャップなどが起きています。この記事ではデリバリートラブルの例や、回避方法について解説します。新型コロナウイルスによりデリバリー需要が拡大今までもデリバリー需要は追い風...
デリバリーアプリ&サービス
近年日本でも利用できるデリバリーアプリやサービスが増えています。
この項目では、日本の代表的なデリバリーアプリ・サービスとして「menu(メニュー)」「Uber Eats」「出前館」「楽天デリバリー」を紹介します。
コロナで「デリバリー」需要に影響:海外事例、UberEats & 出前館事情も解説
4月中旬に全国を対象範囲に広げた緊急事態宣言が、今週、解除されました。緊急事態宣言の発令前、そしてそのさなかでは、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、外出自粛や営業自粛、リモート勤務の推奨が呼びかけられてきました。こうした「自粛モード」を受けて、消費のトレンドにも変化が現れてきました。外出を控えながらも、自宅でできる娯楽や気分転換に対する需要が高まってたようです。飲食店では店内営業を中止すると同時に、持ち帰り(テイクアウト)やデリバリーサービスの提供を始めたところも少なくありません...
menu(メニュー)
「menu(メニュー)」は、デリバリー・テイクアウトの事前予約や事前決済がアプリ上でできるサービスです。
店舗は受注から決済、商品の受け渡しまでの流れをタブレットで管理でき、デリバリー・テイクアウトサービスの運営を簡易化することが可能です。
2020年8月現在、デリバリーサービスは東京都23区の店舗のみが利用でき、テイクアウトサービスは全国の店舗が利用できます。
また、導入の手数料が無料であることや申し込みから約1週間で利用を始められることなどの手軽さから、個人経営の飲食店で比較的多く利用されているようです。
テイクアウト&デリバリーアプリmenuとの比較
menu株式会社が提供する「menu(メニュー)」は、飲食店で導入できるテイクアウト・デリバリー用のサービスです。menuを導入した飲食店は、タブレットで注文内容を確認できる仕組みです。申し込みから約1週間以内で利用者が開始できるという導入の手軽さや、2020年4月13日から2022年3月末まではサービス導入費が無料で提供されていることから、個人経営者をはじめとする業界関係者に注目されています。本記事では、menuの概要や導入の利点、Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館との比較した...
menuの登録方法|menuとは・登録方法・お得な情報・利用者の声
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大きな打撃を受けている
Uber Eats
「Uber Eats(ウーバーイーツ」は、アメリカに拠点を置くウーバー・テクノロジーが提供するデリバリー・テイクアウトサービスです。
導入時に店舗が用意するものはインターネット環境と専用のアプリを使うためのタブレット端末のみで、タブレット端末が店舗にない場合は一月あたり1,700円程度で借りることも可能です。
Uber Eatsの配達サービスは東京、大阪、名古屋などをはじめとする各都道府県のエリアで対応しており、配達可能地域は拡大を続けています。
飲食店がUber Eats(ウーバーイーツ)を導入する
Uber Eats(ウーバーイーツ)は、「料理をテイクアウトしてほしい店舗」と「料理を配達してほしいユーザー」と「料理を配達したいユーザー」三者をマッチングするサービスです。配達による食事の提供を行っていない飲食店でも、加盟店となることで、配達要員や輸送手段を確保せずに、デリバリーを始めることができます。Uber Eats(ウーバーイーツ)を導入する上でのメリット、デメリットを挙げた上で、導入効果と注意点を解説していきます。Uber Eats(ウーバーイーツ)導入のメリットUber Eat...
出前館
「出前館」は株式会社出前館が提供するデリバリー・テイクアウトサービスで、ファミリーレストランやチェーン店、レストランの料理をアプリで注文できます。
出前館では飲食店の商品注文のほか、花の配達や水まわりの訪問工事などさまざまなサービスの提供をしています。
初期費用20,000円で出前館の利用を開始できますが、出前館公式サイトによると2020年10月までの特別価格として初期費用を無料とするキャンペーンを実施しています。
楽天デリバリー
楽天デリバリーは、楽天が提供するデリバリー・宅配サービスで、食事だけではなく酒類や米、水まわりの訪問工事や害虫駆除など生活に関わるサービスも取り扱っている点が特徴です。
楽天デリバリーでは配達サービスを専門に提供していますが、楽天は「楽天リアルタイムテイクアウト」と呼ばれるサービスも運営しており、持ち帰り商品の事前予約を受け付け、スムーズに商品の受け渡しができるようになっています。
デリバリーサービス提供開始の際のポイント
この項目では、デリバリーサービスを開始する際のポイントについて紹介します。
プロモーション方法
「menu(メニュー)」や「Uber Eats」など多くの飲食店で導入されているデリバリーサービスは、スマートフォン上のアプリを介して注文を受ける仕組みです。
利用する飲食店を選ぶユーザーは注文前にインターネット上の情報や口コミを参考にする可能性があるため、インターネットを介したプロモーションをすることで効果的な集客に期待できます。
飲食店のデリバリーサービスを多くのユーザーに周知するためには、InstagramやTwitterのSNSアカウントを活用してデリバリーのサービス開始を告知するなどの積極的な情報発信が求められます。
テイクアウトプロモーション参考事例3選|コロナ禍での生き残り術
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新しい生活様式が求められるようになりました。飲食店では安心・安全を考慮した営業が求められるようになり、店内飲食での感染を予防や減少した売上の回復を目指しテイクアウトやデリバリーを導入する店舗が増加しました。テイクアウト需要が高まるなか、利用できるサービスや支援が多く登場しているため、さまざまな情報を把握することが必要です。テイクアウト事業を成功させるためには、SNSなどを活用した地域に根付いたプロモーション策を立てることがカギとなります。この記事では、参考...
Google マイビジネスで属性の登録
「Google マイビジネス」は企業や店舗を対象に提供されているGoogleのサービスで、企業や店舗は自社の情報をGoogle マイビジネスに登録することで「Google 検索」や「Google マップ」上の検索結果に情報を反映できます。
Google マイビジネスにある「属性」の設定では、「テイクアウト」「宅配可能」などのサービス提供形態を登録することができ、インターネット上のユーザーに店舗の活動状況を周知できます。
Googleマイビジネスに写真を追加する方法
飲食店や居酒屋などの集客手段として、Googleマイビジネスが注目されてきています。Googleマイビジネスとは、店舗型・非店舗型にかかわらずビジネス情報を事前に登録しておくことで、Googleの検索結果画面やGoogleマップ上に表示できるというサービスです。Googleはユーザー数が多いため、Google上で表示されることで集客に一定の効果があると考えられます。Googleマイビジネスの機能を最大限に活用するために重要なのが、写真の追加です。写真を追加することによって、視覚に訴えられる...
デリバリーを始めるためのポイントを押さえ導入をスムーズに
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請や緊急事態宣言を踏まえ、デリバリーサービスは多くの飲食店から注目を集めています。
飲食店がデリバリーサービスを開始する際は、提携するアプリの選定や、必要な機材の準備、オンラインの集客方法といったポイントで、運営を円滑にするための工夫を意識することで、他社と差別化が図れるでしょう。
デリバリーサービスを新たに開業するには「食品営業許可申請」と呼ばれる手続きを踏む必要があります。すでに飲食店を展開している場合は、取得済の食品営業許可にもとづきデリバリーを展開できるため、デリバリーサービスの開始はそれほど難しいものではありません。
デリバリーサービスでは店内の混雑状況に関係なく売り上げを立てられ、デリバリーアプリを介して知名度の向上につながるというメリットがあります。
同時に、配達時にトラブルが発生する可能性や、サービス開始までに準備することが多いといったデメリットもあることを理解しておくべきでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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