江藤農林水産大臣が7月21日の会見で事務局の公募開始を発表した「Go To Eat(イート)」キャンペーンは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた飲食業界の需要喚起策です。
開始に向け政府が着々と準備を進めるGo To Eatキャンペーンには、飲食店が参加するための条件が設けられています。1日でも早く落ち込んだ売り上げを元に戻したい飲食店にとっては、Go To Eatキャンペーンの期間や詳細は早めに押さえておきたい内容です。
そこで、本記事ではGo To Eatキャンペーンの実施期間から施策内容、飲食店に求められる参加条件について解説します。
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「Go To Eat」キャンペーンは、「Go To Travel(トラベル)」「Go To商店街」「Go To Event(イベント)」の4つのGo Toキャンペーンの1つです。ここでは、Go To Eatキャンペーンの目的と実施時期について解説します。
Go To Eatキャンペーン事業の目的
新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食業界や観光業界は甚大な打撃を受けています。その飲食業界や観光業界を支援するため、政府が打ち出したのが「Go To キャンペーン事業」です。
その取り組みの1つであるGo To Eatキャンペーンは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により業績低迷を余儀なくされた飲食業界の需要喚起を図る目的があります。
このGo To Eatキャンペーンは、農林水産省を筆頭に、官民一体となって期間限定で実施されます。
キャンペーンの実施時期は
Go To Eatキャンペーンでは、7月21日から8月7日まで食事券発行事業者やオンライン飲食予約サイト事業者などの公募を実施し、8月下旬に選定された事業者と農林水産省の間で契約が締結されます。公募は企画競争入札により行われますが、評価項目にはコスト面も含まれます。
食事券の事業者公募については、関心がある一方で準備が整わない地域に配慮し、予算の6割で1次公募が実施されます。
当初は商品券の準備が整った地域から8月下旬を皮切りに開始としていましたが、7月31日に行われた会見で江藤農林水産相は新型コロナウイルスの感染拡大の状況から、開始時期を9月以降に遅らせる旨を示唆しました。
オンライン飲食予約によるポイント付与の開始時期に関しては、状況を踏まえて検討することが発表されています。
尚、事業内容について農林水産省は、開始に先立ち新型コロナウイルス感染症対策分科会に説明し、その意見を踏まえた上で最終決定することも明らかにしています。
Go To Eat キャンペーンの施策の内容
Go To Eatキャンペーンでは2回目以降に利用できるポイント付与や商品券の発行が行われます。
ここでは、Go To Eatキャンペーンはどのような施策なのか、より詳しくみていきます。
オンライン飲食予約と来客者へのポイントの付与
オンライン予約サイトで飲食店を予約し、店舗で来店確認をすると、次回以降に使用できるポイントが清算後に付与されます。
付与されたポイントは、次回以降にオンライン予約サイトで飲食店を予約し、来店した際に使用できます。2回目以降の来店の際には、さらに次回以降に使用できるポイントが付与されます。
付与されるのは、2021年1月末まで1人あたり昼食時間帯は500円分、15時以降の夕食時間帯は1,000円分のポイントです。
付与されるポイントの上限は、予約1回あたり10人分の最大10,000円分とされており、ポイントが利用できる期間は2021年3月末までです。
このポイント付与は、テイクアウトやデリバリーサービスの利用は対象外となるため、飲食店側は注意が必要です。
プレミアム付き商品券の発行
Go To Eatキャンペーンでは、地域の登録飲食店で使用できるプレミアム付食事券が発行されます。
プレミアムとは、地域の販売窓口で販売される1セット1万円の食事券が、1万2,500円分利用可能で、25%分が上乗せされお得に外食を楽しめるようになっています。
食事券の購入には、1回あたり20,000円分、つまり1人2セットまでと制限が設けられています。
購入した商品券を対象店舗で精算時に利用できますが、釣銭は出ません。商品券は2021年1月末まで販売され、有効期限は同年3月末までです。
飲食店に求められる条件
Go To Eatキャンペーンに参加するために、飲食店が満たさなければならない条件があります。そして、必須の条件以外にも、飲食店が今後営業する上で重要になるであろう外食のルールがあります。
Go To Eatキャンペーン参加のための必須条件とともに、今後の運営において基本になる可能性が高いルールを解説します。
業界ガイドラインに沿った取組、取組内容の掲示
2020年5月14日、日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会は「外食業の事業継続のためのガイドライン」を発表しました。飲食店はこのガイドラインに基づいた感染予防対策に取り組み、その取組内容を掲示することがキャンペーン参加の条件になります。
ガイドラインには、現場の状況に配慮しながら密閉・密集・密接の3密を回避することや手洗いなどの一般衛生管理の徹底、ソーシャルディスタンスの確保といった内容が含まれています。顧客の安全を守るため、入店時や客席への案内時など場面ごとの対策案も盛り込まれています。
飲食店において導入が求められている基本事項は、以下の通りです。
- 入店から会計まで:マスクを着用し、ソーシャルディスタンスを考慮した座席への誘導・レジに飛沫防止のためのアクリル板などの仕切りを設置する。現金やクレジットカードの受け渡しはトレイを利用する
- 店舗の衛生管理:テーブルやメニューブック・タッチパネル・卓上ベルなどの消毒、トイレは清掃と消毒を徹底する
- 従業員の安全確保:健康チェックを実施し、マスクやフェイスガードの着用を徹底する、ロッカールームは定期的な換気をする
- デリバリー・テイクアウト時:料理の受け渡しの際には消毒をする、店内飲食客と動線を分ける
飲食店向けのガイドライン:Withコロナ時代の営業再開・継続のための取り組み
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除され、2020年5月末には飲食店の営業自粛も緩和されました。しかし東京都内で7月2日に107人新規感染者が確認され、7月10日には243人と継続して多くの新規感染者が確認されています。これを受け、小池都知事は7月15日夕方ごろに緊急記者会見を行い、東京都内での感染状況がコロナ警戒レベルのもっとも高い「感染拡大警報」であると公表しました。いまだ感染が終息しない状況で、飲食店が営業再開・継続する上で徹底した感染予防対策を行う必要があります。5月14日に...
新しい生活様式に基づいた外食の推進
農林水産省は、キャンペーン実施にあたり、新しい生活様式に基づいた外食の楽しみ方を示しています。
その内容には、食事の前には手洗い・消毒をすること、咳エチケットを守ること、会話は控えめにすること、食事以外はマスクを着用すること、三密を回避すること、換気に協力すること、混雑時間を避けること、そして感染防止対策が実施されている店舗を利用するということが盛り込まれています。
この内容はGo To Eatキャンペーンの参加条件ではありませんが、飲食業界に求められるサービス提供の方向性として今後重要となることが予想されるため、経営者の方は押さえておく必要があるでしょう。
そして、国土交通省は2020年6月5日に、飲食店の支援策として国道の路上利用における道路占用許可基準の緩和を決定しました。
この措置は、道路の構造や交通に著しい支障を及ぼさない場所の路上利用において一定の条件を満たしている場合、占用料等が免除されるというものです。
今回の措置では、対象主体である地元の協議会や地方公共団体が支援する民間団体などが一括で申請した場合は占用料の支払いが免除され、テラス席の設置やテイクアウト商品の販売が可能になりました。
この措置では2020年11月30日まで路上の占有が認められますが、条件は以下の4つが挙げられています。
- 新型コロナウイルス感染症対策のための暫定的な営業であること
- 「3密」の回避や「新しい生活様式」の定着に対応すること
- テイクアウト、テラス営業等のための仮設施設の設置であること
- 占用区域以外の除草、清掃、植樹の剪定など施設付近の清掃などに協力すること
Go To Eatキャンペーンは、飲食店の集客に活用できるものです。
新型コロナウイルスで甚大な影響を受けた飲食店は、新しい生活様式に基づいた新しい営業方法を取り入れ、対応できる範囲で対策をとることが必要になります。
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新しい生活様式への順応、飲食業の回復を掲げるGo To Eat キャンペーン
Go To Eatキャンペーンは、ポイント付与やプレミアム付き商品券を活用することで、顧客の来店意欲を増進させるためのものです。
キャンペーンに参加する飲食店は、新型コロナウイルス感染対策の取り組み内容を掲示するなど、可視化できる対策が必要になります。そして、Go To Eatキャンペーンのみならず、今後の飲食店の営業は、新しい生活様式に基づいたサービスの提供が求められます。
業界のガイドラインや政府の施策を上手く活用し、落ち込んだ売り上げを徐々に回復させていくことが、飲食店が生き残るための1つの鍵となるでしょう。
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