飲食店向けのガイドライン:Withコロナ時代の営業再開・継続のための取り組み

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新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除され、2020年5月末には飲食店の営業自粛も緩和されました。しかし東京都内で7月2日に107人新規感染者が確認され、7月10日には243人と継続して多くの新規感染者が確認されています。

これを受け、小池都知事は7月15日夕方ごろに緊急記者会見を行い、東京都内での感染状況がコロナ警戒レベルのもっとも高い「感染拡大警報」であると公表しました。

いまだ感染が終息しない状況で、飲食店が営業再開・継続する上で徹底した感染予防対策を行う必要があります。

5月14日には飲食店の営業再開に向け、日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会が「外食業の事業継続のためのガイドライン」を発表しました。

今回は、本ガイドラインの内容や実際に飲食店が行っている新型コロナ対策事例について紹介します。

飲食店の営業再開に向けての動き

緊急事態宣言が解除され飲食店の営業再開が進むなか、改めて新型コロナ対策を見直し徹底することが求められます。そこで、飲食店が安心安全に営業を継続していくために必要な対策をまとめたガイドラインについて紹介します。

飲食店向けのコロナ対策ガイドラインを発表

日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会が2020年5月14日に発表した「外食業の事業継続のためのガイドラインは、飲食店が営業を再開するにあたり行うべき具体的な取り組みをまとめています。

現場の状況に配慮しながら「3密(密閉・密集・密接)」を回避し、手洗いなどの一般衛生管理の徹底、ソーシャルディスタンスの確保といった取り組み内容が盛り込まれています。来店客の安全を守るための対策案は、入店時や客席への案内時といったシチュエーションごとにまとめられています。

営業再開には衛生管理とソーシャルディスタンスの確保の必須

新型コロナウイルスが蔓延するなか、飲食店の営業再開において衛生管理は最も重要であり、食品衛生法の順守をはじめ、食品の安全かつ衛生的な取扱いの徹底が欠かせません。

飲食店での導入が求められるコロナ対策の基本事項は、以下の通りです。

  • 入店から会計まで:マスクの着用・ソーシャルディスタンスを考慮した座席への誘導・レジに飛沫防止のためのアクリル板の設置・現金やクレジットカードの受け渡しはトレイを利用
  • デリバリー・テイクアウト時:料理の受け渡しの際の消毒・店内飲食客の動線と区別
  • 店舗の衛生管理:テーブルやメニュー・卓上ベル・タッチパネルなどの消毒・トイレの清掃と消毒
  • 従業員の安全確保:健康チェックの実施・マスクやフェイスガードの着用、ロッカールームの定期的な換気

また営業時間や提供するメニューの変更や、点内外における予約・空席状況の掲示など、店舗が安全性を考慮し感染防止に努めながら営業していることを利用客に示すことで、安心感と信頼感を与えられます。

店舗独自の工夫だけでなく、新型コロナウイルスの感染状況に応じて国や自治体から発表される最新情報の取得も意識し、コロナ対策を随時見直していく姿勢も求められます。

飲食店のコロナ対策事例:密を回避

緊急事態宣言が解除され、全国的に営業を再開する飲食店も増えるなか、コロナ対策の基本事項の工夫を加えて営業する店舗が見られます。ここでは、コロナ対策として重要な密を回避する対策の3つの実例を紹介します。

1. ぬいぐるみでソーシャルディスタンスの確保

静岡県伊東市の「伊豆シャボテン動物公園」のレストランでは、客席において来店客のソーシャルディスタンスを確保する目的で、カピパラなどのぬいぐるみを椅子に置くユニークな対策を行っています。

福島県いわき市の「アクアマリンふくしま」のレストランでも、海の生き物のぬいぐるみを置き、密を避ける取り組みが話題です。レストランで来店客を案内する座席を減らす際に空いた席にぬいぐるみを置くことで、殺風景になることもなく距離を保ちながら食事が楽しめるようになりました。

来店者からも「可愛らしくて良い」との声が挙がるなど、好評の取り組みです。

2. 時間による価格変動で人が集まる時間を分散

都内の飲食店では、混雑回避のために同メニューの価格を時間帯で変動させる対応を取っています。

来客の多いピークタイム中は価格を高くし、来客の少ないアイドルタイム中は価格を下げることで、ピークタイムの利用客をアイドルタイムへと誘導し混雑を減らす目的です。

ネット上でもこの斬新な方法が注目され、飲食店側が無理なく店舗経営を継続できる方法であると称賛の声が上がりました。

3. AIを活用した混雑予報を導入

サービス産業向け経営サポートAIを開発する企業「株式会社EBILAB」は、飲食店向けに「混雑予報AI」の提供をはじめました。

本ツールは、時間別混雑予測とリアルタイムの席情報のデータから混雑予想を算出し、来店を考えているユーザーに混雑予想を伝え、来店時間を調整してもらい混雑緩和に繋げることが目的です。

AIを活用した混雑予報は、専用のディスプレイを店頭に置くことで来客前のユーザーに表示できるほか、来店客が事前にPCやスマートフォンから飲食店の公式サイトにアクセスし気軽に確認できます。

飲食店の新型コロナ対策事例:除菌・飛沫感染予防

飲食店の新型コロナ対策として、除菌や飛沫感染予防といった衛生管理の観点からの事例を紹介します。

1. 入店時に徹底した除菌

ラーメンチェーン店「一蘭」では、一部店舗において入店から注文まで、独自の除菌対策を徹底しています。店舗の入り口には除菌マットを設置し、靴底を除菌できるようにしたほか、入店時には手をかざすだけで使える自動アルコール噴出機での消毒を用意しています。

注文時にタッチパネル式の券売機を利用する際には、接触が気になるユーザーのために「お客様用使い捨て手袋」を券売機横に設置するなど、ユーザーに配慮した対策がとられています。

また、福岡県新宮町の新宮店では、6月1日より衣服についた埃などを飛ばすエアシャワーを導入しています。

同店では入口と出口が別で設けられており、来店時には個室でエアシャワーを浴びたのち、さらに殺菌用の光源などが設置された個室を通過してから入店する仕組みです。

2009年に設置した際は抵抗を感じる客も多く撤去されましたが、今回はコロナ対策への関心の高まりから再設置に踏み切ったとしています。

2. アクリル板を使用して飛沫感染を予防

福岡市博多区中洲の老舗日本料理店では、テーブルに高さ80センチ、幅60センチの透明なアクリル板を設置し、対面して座った客の飛沫感染を防止する対策を行っています。

同店では、アクリル板を挟みグラスを直接合わせずに乾杯し、鍋物も個別の皿で食べるなど、新しい宴会スタイルが浸透しつつあり、利用したユーザーも安心感が大きいと評価しました。

石川県七尾市の寿司店「松乃鮨」では、カウンターと厨房の間に設置した高さ1メートルの透明アクリル板に、来店したユーザーが店舗への応援メッセージなどを寄せ書きできる取り組みを実施しています。

コロナ禍による苦境をバネに、店のファンを増やしたいという想いから始まりました。人との接触を避けなければならない状況でもユーザーの温かい心を感じられ、人同士のつながりを大切にできる取り組みとして注目されています。

3. 接客にスマイルマスクを使用

都内に7店舗展開する「大衆和牛酒場コンロ家」は、感染防止対策として従業員がマスクを付ける際にも「お客さんとは笑顔で接したい」という思いから、「スマイルマスク」を作成しました。

スマイルマスクとは笑った口元をプリントしたマスクのことで、マスクをしていても笑顔で接客しているような印象を与えられます。

有志のスタッフが全店舗のスタッフ人数分のスマイルマスクを作成し、配布しました。

そのほかにも飛沫感染防止のために、ダンボールの手作りの仕切りを設置するなど、同店では独自のコロナ対策を実施しています。

4. フェイスシールド導入店、続々

群馬県高崎市の飲食店「神田ポンチ軒高崎店」では、フェイスシールド付きの貸切宴会プランをはじめました。

客はフェイスシールドの着用が求められ、貸し出しのペンで透明のシールド部分に絵を描くなど、感染対策をしながらも宴会を楽しむ工夫がされています。

フェイスシールドは顔を覆う部分の角度を調整しながら飲食できる作りで、フェイスシールドを着けたまま飲食をするという新しい飲み会の形として注目が高まっています。

「感染防止徹底宣言ステッカー」導入

都内で新規感染者数が増加していることを受け、小池都知事は事業者に対し業種ごとに作成されたガイドラインの遵守と感染拡大防止対策の徹底を強く呼びかけました。

その取り組みの一環として、ガイドラインを遵守し感染予防対策の徹底に取り組んでもらうことを目的に作成された「感染防止徹底宣言ステッカー」導入の協力を求めました。

ステッカーは申請式で、都の公式サイトから申請を行い、オンラインで発行され店舗に設置する流れとなります。

会見で小池都知事は都民に対し、このステッカーが設置されていない店舗ならびに消毒・換気・マスクをしてないなどの感染予防を行っていない店舗の利用を避けるように強く呼びかけています。

そのため、今後のお店選びのポイントとして「感染防止徹底宣言ステッカー」のあるなしが考慮される可能性があります。

事業者向け感染防止徹底宣言ステッカー 東京都
▲[事業者向け「感染防止徹底宣言ステッカー」]:東京都

営業再開に向けて創意工夫を凝らしたコロナ対策がカギ

飲食店の営業再開ならびに今後の営業継続のためには、感染対策や予防をいかに徹底しているかがユーザーから選ばれる基準になるといえます。

また感染予防対策を徹底されている店舗なのかを可視化する「感染防止徹底宣言ステッカー」があるかないかも選ばれるポイントとなる可能性があります。

また各事業者の中には、ぬいぐるみを活用したユニークな方法でのソーシャルディスタンスの確保、メニューの価格変動で混雑回避、AIを活用した混雑予想システムの導入・アクリル板の設置による飛沫感染予防、手作りスマイルマスクなど、最新技術を活用した対策から手作り感のある対策まで、店舗のスタイルや店舗ごとに異なる状況を考慮し、創意工夫を施した対策が見られるようになりました。

店舗の規模や店内の構造・資金面などで、できることが限られている場合もありますが、どうすれば感染を予防できるのか、ガイドラインや今回の事例を参考に創意工夫をすることが大切です。

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