サイコグラフィックとは?マーケティングに活用し、顧客の心理に寄り添ったサービスを

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マーケティング戦略を考えるにあたり、ターゲットの分析が必要になります。ターゲットを決めるときには、どのような人にどのような消費傾向があるか、もしくはどのような人に商品サービスを活用してもらいたいか、といった「ペルソナ」を設定します。

ペルソナを設定するために顧客をさまざまな視点からグルーピングしますが、そのひとつの切り口となるのが「サイコグラフィック」です。

本記事では、サイコグラフィックと他の切り口との違い、そして、サイコグラフィックの重要性と活用方法を解説します。

サイコグラフィックとは?

ペルソナを明確に設定するために、市場を細分化すること、見込み顧客をグルーピングすることをセグメンテーションといいます。今回焦点をあてて考える「サイコグラフィック」と、比較する3つの切り口は、このセグメンテーションの代表的な分類方法です。

サイコグラフィックの詳細と、他の分類の切り口との違いを解説します。

サイコグラフィックについて

サイコグラフィックは、「心理学的属性」と表現されます。これは、見込み顧客の気持ちや考え方など、表面上ではわからないパーソナルな指標です。

たとえばファンデーションを売るとき、ターゲットは女性になるケースが多いでしょう。この時点でペルソナの条件に「女性」という項目が設定されますが、これはサイコグラフィックではありません。

サイコグラフィックの要素となる指標は次のようなものです。

  • 悩みやストレス
  • 宗教観などの信念
  • 趣味趣向
  • 性格
  • 価値観
  • ライフスタイル

「女性か男性か」といった性別や年齢層など、ぱっと見てある程度推測できる指標ではなく、内面を提示してもらってはじめてわかる内容がサイコグラフィックです。

先ほどのファンデーションの例であれば

  • 肌荒れのない高品質な商品が好き
  • 最近化粧ノリが悪くて悩んでいる
  • ひと塗りでしっかり塗れる時短商品が欲しい

などがサイコグラフィックの抽出例になります。

デモグラフィックとの違い

デモグラフィックとは、「人口統計学的属性」をいいます。人口統計学では対象者の性別や年齢、職業など社会的な特性をもとにしてさまざまな統計を出すのですが、その指標をグルーピングするのに用いているのが特徴です。

サイコグラフィックが心理的側面なのに対し、デモグラフィックは個人のデータ・履歴になります。具体的には、性別や年齢、職業のほか、収入や家族構成などがデモグラフィックの指標です。

先ほどのファンデーションの例であれば、

  • 25歳
  • 女性
  • 接客業
  • 収入300万

などがデモグラフィックの抽出例になります。

ジオグラフィックとの違い

ジオグラフィックとは、「地理的属性」をいいます。国や地域、都市の大きさ、発展の度合い、気候、歴史・文化、そして宗教など、地理的要因によって属性が決まる点が特徴です。

宗教という言葉がサイコグラフィックの説明でも登場しましたが、サイコグラフィックが「価値観や宗教観などの信念」と個人の考え方に視点が及ぶのに対し、ジオグラフィックは地域や組織・集団といった「どこに属しているか」ということや気候や天候傾向などによって細分化する手法です。

先ほどのファンデーションの例の場合、

  • 日本
  • 東京
  • 新宿在住
  • 販売時は夏
  • 下町育ち

などがジオグラフィックの抽出例です。

行動変数との違い

行動変数は、「ビヘイビアル」とも呼ばれ「行動学的属性」をいいます。マーケティングでは、購買行動の特徴から実生活の行動範囲まで幅広く当てはまります。

具体的には、買い物の頻度、曜日、時間、購買履歴、購買経路などが行動変数です。

行動変数はサイコグラフィックの指標であるライフスタイルと似た項目ですが、サイコグラフィックが繰り返しお伝えしているように気持ちや考え方など心理的な切り口となります。これに対し、行動変数は時間や頻度などデータ化できる行動が切り口になります。

先ほどのファンデーションの例の場合、

  • 買い物は週末にまとめて
  • インターネット購入も利用する
  • インターネットを見るのは夕食後が多い
  • さまざまなお店の商品を試している

などが行動変数の抽出例です。

なぜサイコグラフィックが注目されるのか?

上記で解説した4つの切り口がセグメンテーションの方法です。セグメンテーションは1950年代から活用が始まったとされますが、近年になってサイコグラフィックを重視する傾向が強まっています。

サイコグラフィックのニーズとメリットを解説します。

サイコグラフィックに注目が集まる理由

マーケティング戦略のペルソナ設定は具体的なイメージを描く必要があります。多く用いられるデモグラフィックでは、25歳の女性という外側だけは描けます。しかし、彼女の考え方や好みが自社商品に興味を示すものかどうかはわかりません。

サイコグラフィックは心理的側面からの分類方法であり、25歳の女性がどのような好みを持ち何に悩んでいるかにアプローチします。

商品サービスが飽和状態にあり消費の多様化が進む現代社会において、数ある選択肢から自社製品を選んでもらうためには、より個人的なニーズに寄り添う必要性があることから、個人の気持ちや考え方などから分類するサイコグラフィックが役立ちます。

デモグラフィックやジオグラフィックが、性別なら男性か女性といった画一的なセグメンテーションなのに対し、サイコグラフィックや行動変数は個性が反映され幾通りも指標があげられるセグメンテーションと言えるでしょう。

サイコグラフィックを用いるメリット

サイコグラフィックにより、顧客のパーソナリティによるセグメントが可能になります。

たとえば同じ30代の主婦で、世帯年収が同程度の場合でも、節約が趣味の人はコストパフォーマンスを重視した商品を手に取ると推測できますし、料理が趣味の人は多少高額でもこだわりの食材やスパイス、調理道具を選ぶと推測できます。

デモグラフィックやジオグラフィックではできなかった新たなグループ分けができ、顧客のニーズや興味関心にあわせた細やかなアプローチ戦略がたてられます。

見込み顧客の心理的な側面を分析したサイコグラフィックを用いることで、情報を収集する中で顧客に耳を傾け、企業と顧客の距離を近づけることも期待できます。

サイコグラフィックの要素を集めて初めて「こんなところにこんなニーズがあったのか」と、想定していなかったグループが作られるケースもあるでしょう。価値観やライフスタイル、悩みは人それぞれ違いますから、顧客の数だけ要素をピックアップすることができ、見逃していた要素に気づく可能性があります。

サイコグラフィックの活用方法

ここからはサイコグラフィックの具体的な活用方法と、活用にあたって意識したい点を解説します。

まずはデータ収集から

サイコグラフィックのデータを集める時に大切なことは、どれだけ顧客の声をしっかりとすくいあげられるかです。サイコグラフィックデータは年齢や年収などのように数値では測れないものがほとんどですので、顧客に直接聞くアプローチ方法を実践しなくてはいけません。

具体的には以下のようなデータ収集の方法が考えられます。

  • ヒアリング
  • アンケート
  • SNSでのアンケートやコミュニケーション
  • 行動観察

また自社が持つWeb上のコンテンツを利用して、顧客の買い物頻度や重視する点などの消費傾向や、どのページから自社のコンテンツにアクセスしているかなど顧客のWeb上行動ログ分析からも、サイコグラフィックのデータを収集できます。

サイコグラフィックのデータは、ヒアリングなど顧客の声を聞く作業を繰り返すことで精度をあげます。パーソナルな部分を他者に打ち明けることになるため抵抗を感じる人も想定されますが、ヒアリングやアンケートを重ねるうちに心理が表面化していく場合もあります。

マーケティングに活用するには?

マーケティングにおいては、特に見込み顧客のセグメントに活用されます。

デモグラフィックやジオグラフィックの分析結果を基にしてサイコグラフィックを活用し、より明確なターゲット層やペルソナを設定します。詳細なペルソナの設定が、マーケティング戦略の具体化、ニーズを訴求したアプローチに活かされます。

冒頭に例で上げたファンデーションのマーケティング戦略で考えてみましょう。

たとえば「25歳女性、東京在住」のデータからは、「都会で働くおしゃれ女子に人気のファンデーション」などのキャッチコピーが考えられます。ここにサイコグラフィックのデータを反映させると、「肌の調子が悪い朝もひと塗りでカバー、肌荒れも防ぐ優秀ファンデ」などのキャッチコピーが導かれるでしょう。

サイコグラフィックデータの活用と明確なペルソナ設定により、「私のことだ!」「私が求めていたものだ!」などのように顧客が強く反応する広告を展開できるため、コンバーション率をアップさせることにつながります。

複数のセグメンテーションを用いた活用を

セグメンテーションはどれかひとつを単体で実施するのではなく、ターゲットの絞り込みや具体的なペルソナ設定を目的に複数のセグメンテーションを併用して精度を上げることが望ましいです。

そのために、サイコグラフィックだけではなく、今回触れたデモグラフィックやジオグラフィック、行動変数などを一緒に用いて、ペルソナを設定するためのデータをより多く揃えます。

ターゲットを絞ることで、売れる可能性を自ら狭めるのではないかと感じるかもしれません。しかし、ターゲットが広ければ広いほど「みんなのための情報」と見なされ、「私のための情報」と受け取られないために無視されてしまう可能性が高まります。

「都会で働くおしゃれ女子」に「あてはまります」という人よりも、「肌の調子が悪い朝もひと塗りでカバー、肌荒れも防ぐ優秀ファンデ」が必要なのは「私です」という人を増やすことが、結果的にコンバーション率アップにつながるのです。

サイコグラフィックを活用し、サービスの向上を

商品サービスを選ぶ基準は、人によって異なります。商品サービスが増え、顧客が持つ背景も多様化している中で、サイコグラフィックを活用したパーソナルなデータの収集が、ターゲットとペルソナの設定に不可欠になりつつあります。

サイコグラフィックのデータ収集をすることで顧客ニーズの把握につながるため、サイコグラフィックで得たデータがマーケティング活動の全体に影響を与えるでしょう。

心理的なデータを得ることで心理的にアプローチするキャッチコピーや広告の作成が可能になります。サイコグラフィックによって「顧客の心理に訴えるマーケティング戦略」を展開することが、収益拡大のポイントになります。

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