コロナ禍で自由に観光や旅行ができなくなり、外出自粛の生活に疲れを感じている人も少なくありませんが、そんな中、新たなツアーの形として注目されているのが「バーチャルツアー」です。
その名の通り、実際に現地に行かずに疑似体験をするツアーで、写真やテレビ番組とは一味違ったリアリティある旅行気分を味わえます。
本記事では、バーチャルツアーのコンテンツを作成する方法や、観光地での活用事例を紹介します。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
バーチャルツアーとは
従来、博物館など一部の場所でしか体験できなかったバーチャルが、ゲームなどのエンターテイメントを始めとするさまざまな業界で取り入れられ、身近なものになってきました。
改めてバーチャルツアーとは何かを理解し、作成方法を知ることで導入しやすくなります。
バーチャルツアーとは
コロナをきっかけに、バーチャルツアーの新たな可能性に目を向ける人が増えています。
ツーリズム・マーケティング・エージェンシーがコロナ禍でバーチャルツアーを催行した会社に調査したところ、4割の人が「自社ブランドの認知度が上がった」と回答しています。
コロナ禍で奪われてしまった旅行の機会に替わり、三密を避け、移動不要で観光スポットなどを巡れるバーチャルツアーは、今まさにニーズが高まっています。現地イメージを掴みやすく親近感が生まれるといった利点もあり、コロナ収束後も積極利用する企業は増えるでしょう。
バーチャルツアーは、360度カメラやドローンの撮影動画などで作られたコンテンツで、ユーザーが自由に場所や視点を変え、現地にいるような仮想体験ができます。
バーチャルツアー作成方法1. 作成ソフトを利用する
実は、バーチャルツアーは素人でも簡単に作成できます。作成ソフトを4つ紹介します。
- VRTourMaker…パノラマ写真と360度動画を取り込み、二眼VRモードに対応したVRコンテンツを作成できます。Googleマップと間取り図を連携できるなど内観案内に便利です。
- VeeR Experience…無料で利用でき、バーチャルツアー内にテキストや写真、動画を入れ、別のシーンにジャンプできます。
- THETA360.biz…360度カメラ「RICOH THETA」で撮影した画像を使用し、簡単に制作・公開できるクラウドサービスです。不動産業界で多く利用されています。
- Google Tour Creator…Googleが提供する無料のサービスで、360度カメラの画像やGoogleストリートビューのパノラマを使って作れます。(2021年6月30日以降利用不可)
バーチャルツアー作成方法2. 作成会社に委託する
バーチャルツアーを作成する会社に委託する方法もあります。代表的な作成会社2社を紹介します。
- Webクロスネット…360度写真の撮影から合成作業、オーサリングなどの工程をワンストップで提供し、撮影箇所数や高機能を取り入れるかにより価格が決まります。ポップアップ表示や多言語切り替えなどをオプションで付けることもできます。
- 日本アーツ…撮影とデータ制作で料金体系が分かれています。撮影はノーマルプラン、高解像度カメラで撮影する高解像度プランがあり、BGMやサムネイルなど機能追加が可能です。各プラン、推奨する店舗規模や場所があり、適したプランを選びやすくなっています。
バーチャルツアー作成方法3. Googleストリートビューを利用
Google マップにビジネス情報を掲載できるGoogleマイビジネスを利用していれば、360度カメラで撮影したパノラマ写真を取り入れ、Googleマップ上に表示できます。
ユーザーは自社ウェブサイトまでアクセスせずとも、マップ上で閲覧できるため、ビュー数を獲得しやすく、所在地や外観と内観を紐づけて記憶にも残りやすいのが特徴です。
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バーチャルツアー導入の具体事例
国内外の名所や観光スポットで導入が進むバーチャルツアーですが、うまく取り入れている事例を3つ紹介します。
バーチャルツアー事例1. 万里の長城
中国の歴史スポット、万里の長城は、現存する部分でも数百キロという距離があり全容を見ることが難しいですが、バーチャルビューでその場を歩くツアーを展開し、リアルな魅力を伝えています。
海外旅行客が今後来訪した際に備え、バーチャルツアーと一緒にリアルなツアーも申し込めるようになっています。
バーチャルツアー事例2. ルーブル美術館
フランスにある有名なルーブル美術館は、コロナ前は900万人以上が入場していましたが、コロナの影響で半年間閉館を余儀なくされました。
そんな中、館内バーチャルツアーで、ユーザーが自分で操作しながら館内を進み、美術品鑑賞ができる環境を提供しています。
バーチャルツアー事例3. JTBオンラインツアー
JTBでは、Zoomなどからアクセスして参加できるオンラインツアーを多数提供しており、ツアー参加中にガイドとチャットで会話できるのもオンラインならではの体験です。無料のツアーも多数あるため、配信時間に合わせ気軽に参加できます。
また、オンラインによるプライベートツアーも開催しており、遠方に住む親戚や仲間同士で貸し切って楽しめます。
観光に人気のアメリカやヨーロッパ諸国のツアーなどがあり、目的に合わせてモデルコースが選択できます。
バーチャルツアーコンテンツ制作のポイント3選
バーチャルツアーのコンテンツを作成する際、参加者からの良い評価を得るためにはどのような点に注意すればよいかについて、3つのポイントを説明します。
1. 臨場感を演出
ユーザーがバーチャルツアーに期待することは、何より、いかに現地に行ったかのような臨場感ある体験ができるかどうかです。さらに、バーチャルならではの迫力や新感覚も味わえると、付加価値が高まります。
むやみに撮影写真をつなぎ合わせただけでは品質が劣ってしまうため、写真以外にも、効果的にBGMやアクションある加工を取り入れ、対面のツアーで得られるのと同等かそれ以上の満足感が得られるような構成が重要です。
実際のツアーの工程を参考に、行き先までのフライトを体感できる映像や、オンライン上でガイドやゲストが一緒に乾杯するシーンを盛り込むなどのアイデアも楽しみの一つになります。
2. 顧客とのコミュニケーション
ツアーの醍醐味として、顧客とゲストや顧客同士が会話をしながら、知識を深めたり共感したりできる点があります。
バーチャルツアーにおいても、単に映像を提供するのではなく、顧客と双方向のコミュニケーションができるツアーを企画すれば、テレビや動画視聴とは違った有益な時間を提供できます。
たとえば、ツアー中、顧客にクイズを出題したり、質問タイムを設けるなどすると、参加意義が増し、思い出にも残りやすくなるため、工夫してコミュニケーションの場を作るとよいでしょう。
3. 充実したコンテンツ作り
ある程度の長編になると、途中で飽きてしまう可能性があります。リアルなツアーと違い、画面越しでの参加は単調に感じやすく、五感を刺激するコンテンツ作りが必要です。
一定時間が過ぎたら映像に変化を入れたり、音や動画を差し込んで注意を向けるなど、画面の向こうにいる顧客を想像しながら作成する意識を持ちます。
また、音声と文字で伝わりやすい日本語の表現や、海外の顧客でも楽しめるよう多言語に対応するなど、顧客への配慮も大切です。
また手触りなどの触感や味覚、嗅覚を刺激するためには、事前に関連する道具や食品を送付し、それを手にとってもらいながら参加してもらうよう設計することも検討に値するでしょう。
ユニークなバーチャルツアー企画で知られていなかった魅力に気づいてもらう
バーチャルツアーはコロナ禍における一過性のコンテンツではなく、今後大きな需要が見込まれます。日本国内外にある資産を多くの人に紹介することは、旅行気分を味わえたり歴史や造形への興味を深める大切な機会です。
従来は叶わなかった顧客層の参加や自力では難しかった場所へのアクセスが実現できるため集客力も高まるでしょう。
バリアフリーなツアーの開催や自操できる面白みなど、バーチャルツアーならではの魅力も多くあることを認識し、企画やコンテンツ制作を進めることは、旅行会社を始めとする観光業界にとって強力な戦略になります。
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