緊急事態宣言対応特例とは?大企業の「雇用調整助成金」助成率、最大100%まで引き上げ

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厚生労働省は2月26日、2021年1月に発令された2回目の緊急事態宣言に伴い、雇用調整助成金の「緊急事態宣言対応特例」に関するパンフレットを公表しました。

2021年4月1日から4月30日を「緊急対応期間」と位置付け、全国的に助成率の引き上げや要件の緩和などを実施しています。

緊急対応期間 雇用調整助成金 特例措置 大企業 助成率 引き上げ
▲緊急対応期間中の雇用調整助成金の特例措置:厚生労働省より

本記事では、「緊急事態宣言対応特例」の内容や対象、申請方法などについてまとめます。

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雇用調整助成金の新たな措置「緊急事態宣言対応特例」

新型コロナウイルス感染拡大により厳しい状況に置かれている企業に対し、国や各自治体はさまざまな支援策や助成案を策定してきました。

今回は1月からの緊急事態宣言の発令に伴い、2021年4月1日から4月30日を「緊急対応期間」と位置付け、助成率の引き上げや要件の緩和などを実施しています。

そもそも、雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金は、経済的な理由によって事業を縮小せざるを得ない事業者に対し、雇用を維持するために必要な休業手当の費用を助成する制度です。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大による影響を踏まえて特例措置が講じられており、以下の3つの条件を満たした事業者を対象としています。

  1. 新型コロナウイルスの影響から事業の経営状態が悪化
  2. 直近1か月の売上高または生産量が前年同月比で5%以上減少
  3. 休業して従業員に休業手当を支払っている

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緊急事態宣言対応特例の内容は?

今回の緊急事態宣言対応特例では、これまで最大で3/4(75%)となっていた大企業への助成率が、一人1日15,000円を上限として最大10/10(100%)まで引き上げられます

さらに、雇用維持要件も緩和されました。「2020年1月24日から判定基礎期間(※)の末日まで」となっていたものが「2021年1月8日から判定基礎期間の末日まで」に変更されるため、昨年解雇を実施した企業も1月8日以降実施していなければ今回の条件の対象となります。

また、「判定基礎期間末日の労働者数が、各月末の労働者数平均の4/5以上」の要件が除外されるため、労働者数が退職により減少しても同様の条件が適用されます。

※判定基礎期間とは:毎月の賃金の締め切り日の翌日から、その次の締め切り日までの期間。この期間ごとに雇用維持や休業等の実績を判定する。

以下では、今回の緊急事態宣言対応特例の対象となる事業者を以下の4つに分け、事業者それぞれの条件や対象期間、助成率などについてまとめます。

対象1:全国の大企業の事業者

<対象条件>

  • 2021年1月からさかのぼった3か月間の生産指標(売上高など)が前年比または前々年比30%以上減少している全国の大企業の事業者
  • (休業の初日が2021年2月1日以降の場合は休業初日の月からさかのぼった3か月間)
  • (短時間休業を含む)

<対象期間>

  • 2021年1月8日〜4月30日

<助成率>

  • 解雇などを行った場合:4/5(80%)
  • 解雇などを行わなかった場合:10/10(100%)

対象2:1都3県の大企業の事業者

<対象条件>

  • 1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)において、各都道府県知事からの営業時間の短縮要請に協力している大企業の事業者

<対象期間>

  • 2021年1月8日〜4月30日

<助成率>

  • 解雇などを行った場合:4/5(80%)
  • 解雇などを行わなかった場合:10/10(100%)

対象3:7府県の大企業の事業者

<対象条件>

  • 7府県(栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県)において、各都道府県知事からの営業時間の短縮要請に協力している大企業の事業者

<対象期間>

  • 2021年1月14日〜3月31日

<助成率>

  • 解雇などを行った場合:4/5(80%)
  • 解雇などを行わなかった場合:10/10(100%)

対象4:全国の中小企業の事業者

<対象期間>

  • 2021年1月8日〜4月30日

<助成率>

  • 解雇などを行った場合:4/5(80%)
  • 解雇などを行わなかった場合:10/10(100%)

申請方法は?

今回新たに加えられた雇用調整助成金の緊急事態宣言等対応特例対象となる休業については、これまでの雇用調整助成金の申請手続きと同様に、事業所の所在地を管轄する都道府県の労働局またはハローワークでの受け付けまたは郵送となり、追加での申請が必要となります。

まだ申請していない場合、2021年3月31日までに判定基礎期間の末日がある休業なら、5月31日まで申請が可能です。

申請書類一覧

雇用調整助成金の緊急事態宣言等対応特例の申請に必要な書類はそれぞれの対象ごとに、以下のようになります。

申請書類の確認やダウンロードは以下のページから行えます。

対象1:全国の大企業の事業者

  • 事業活動の状況に関する申出書
  • 支給要件確認申立書
  • 支給申請書
  • 助成額算定書
  • 休業等実績一覧表
  • 休業協定書
  • 生産指標の確認のための書類(30%以上の減少がわかる書類)
  • 休業した日や時間がわかる書類

対象2・対象3:時短要請に協力する大企業の事業者

  • 事業活動の状況に関する申出書
  • 支給要件確認申立書
  • 支給申請書
  • 助成額算定書【要請等対象施設/要請等対象施設以外】
  • 休業等実績一覧表【要請等対象施設/要請等対象施設以外】
  • 休業協定書
  • 生産指標の確認のための書類
  • 休業した日や時間がわかる書類
  • 要請等対象施設の所在地、その施設における対象労働者を確認できる書類

対象4:全国の中小企業の事業者

  • 事業活動の状況に関する申出書
  • 支給要件確認申立書
  • 支給申請書
  • 助成額算定書
  • 休業等実績一覧表
  • 休業協定書
  • 生産指標の確認のための書類
  • 休業した日や時間がわかる書類

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<参考>
厚生労働省:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
厚生労働省:緊急事態宣言等対応特例について
JIJI.COM:宣言対象外の飲食店支援を コロナ対策で政府に提言―全国知事会

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