消費者にとって口コミとは第三者の率直な意見を得られ、サービス選択の重要な判断材料になるため、多くの宿泊業者が口コミに注目し様々な施策を行っています。また、楽天、じゃらん、トリップアドバイザーなど、さまざまな口コミ媒体が増えています。
ポータルサイトや口コミサイトだけでなく、SNSでの集客を意識した情報発信も当たり前になってきています。特に若年層は、SNSで検索をして写真や口コミの情報を得ることが主流になってきています。
本記事では宿泊業が口コミ集客する際に意識すべきポイントやメリット、口コミの集め方などを解説します。
宿泊業での口コミ集客をする3つのメリット
口コミ集客では新規顧客の獲得やリピートの促進、コストを抑えた宣伝が可能です。口コミ集客はネット上の情報だけでなく、既存顧客から友人への紹介も含まれます。宿泊業が口コミ集客をするメリットについて解説していきます。1. 新規顧客の獲得が可能
集客に口コミを取り入れると「第三者の意見」としての情報を提供でき、顧客のサービス選択における重要な判断材料になります。たとえば、宿泊した顧客がどのようなサービスを受けたか、提供された郷土料理などのリアルな意見が届けられます。
多くの消費者はサービス選択の際に、SNSや個人ブログ、口コミサイトなどでコメントや評価を調べます。このような口コミを参考にするユーザーは、宿泊業者側が発言する言葉よりも実際にサービスを利用した顧客の「良質なホテルだった」という意見の方に強い信頼性を感じます。
2. リピートを促進できる
口コミは新規顧客の獲得だけでなく、リピート顧客を増やせるようになります。口コミを書くことによってサービスの良さを再認識でき、リピートしたいという意識が芽生えます。さらに、口コミを参考にした顧客から「役に立った」などの良い反応があると、口コミ投稿者の宿泊施設に対する愛着が高まることも期待でき、再訪にもつながるでしょう。
これはネット上だけでなく、既存客が友人にすすめる口コミも含まれます。友人に口コミを伝え、来訪した友人から紹介してくれたお礼などを言われるとさらに施設のファンになっていきます。
また、口コミから実際に訪れた人は口コミで見ていたよい点を予め意識しているため、よりその施設のいいところに気づきやすいといえます。
3. 低コストで集客できる
口コミの最大のメリットは広告宣伝費を抑えられることです。小さな宿泊施設などでは集客にコストを割くことが難しく、口コミ集客でコストを抑えつつ新規顧客を獲得できるのは魅力的です。顧客の自発的な情報発信によって宣伝されるので、広告を出稿するよりもコストを抑えられます。しかし悪い口コミばかり集まっては逆効果となってしまうため、ポジティブな口コミを書いてもらうためには良質なサービス提供を心がける必要があります。
ユーザーに口コミを投稿してもらうには?
口コミを集めるにはポータルサイトや口コミサイトへの登録、SNSアカウントの開設やGoogle マイビジネスでの管理などの方法があります。目的やターゲット層、情報をどこに集約したいかによって口コミ戦略は変わってきます。ポータルサイトに登録する
ポータルサイトとは、集客などを目的につくられるサイトのことで、魅力的なポータルサイトの作成は新規顧客獲得のための手法として非常に有効な手段です。サイトを作成する場合は、CMS(コンテンツマネジメントシステム)という作業を自動化するシステムを使って自分で作成する方法や、業者に依頼する方法があります。サイト管理が難しい場合は、口コミサイトに登録して店舗情報を掲載すると手間がかかりません。口コミサービスを利用する消費者はすでに泊まったため口コミを投稿したい、宿泊施設を予約するので口コミを見たいという目的を持った人が多いため、集客アップの可能性が高まります。
SNSアカウントを開設する
集客力をアップするためにSNSの開設は重要です。SNSには魅力的な写真や動画で施設のイメージを発信できるInstagram、こまめに情報発信ができるTwitter、ブログのようなしっかりした形で情報発信するFacebookなどがあります。各SNSによって利用者の年齢層や管理の手間に違いがあるので、目的やターゲットに合ったSNSを開設します。最近ではSNSを利用して宿泊施設を探す人は多く、消費者はインフルエンサーや実際に訪れた顧客の投稿内容や口コミを参考にしています。
SNSの口コミは拡散性が優れており、実際にサービスを利用した顧客がタグ付けや位置情報の共有をしてサービスの情報が拡散していきます。
Instagram:Ocean Villa Fuchakuに関する投稿(https://www.instagram.com/p/CLg56WkrRXf/)
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Google マイビジネスを利用する
無料で利用できる「Google マイビジネス」はGoogle アカウントを持つユーザーがサービスを利用し、星の数とコメントでレビューを投稿できる機能が備わっています。よかったという前向きな口コミだけでなく、ユーザーの厳しい意見も多いのでレビューを参考にする消費者は多いといえます。
Google マイビジネスには口コミの管理機能もあり、不適切なコメントの削除申請や各コメントに返信を送れます。
口コミを集める際のポイント
口コミは自然に集めることは難しく、顧客が協力してくれる流れをつくる必要があります。一気に集まるものではないため、地道にコツコツと取り組むのがポイントです。利用者に口コミ投稿を促す
どんなに良質なサービスを受けて満足しても、顧客がその体験を口コミにして発信する義務はありません。店舗側が口コミを誘導する流れをつくる必要があります。たとえば「更にサービスを向上するため」「顧客の要望を取り入れたいため」などの理由を提示し、顧客に口コミをお願いすることで、顧客は協力的になります。
口コミの投稿を直接依頼する
会計時などの待ち時間に「口コミの投稿をお願いします」と直接一言添えるのが最も効果的です。
スマートフォンやタブレットを使い、その場で投稿方法を説明すると、顧客はイメージがわきやすいでしょう。操作ステップが多かったりわかりづらかったりした場合、投稿への意欲が下がってしまいます。
口コミを書いてもらう際は「例文を提示する」ことも効果的です。何を書けば良いか分からないユーザーもいるため、料理や温泉の感想、宿の雰囲気など、投稿して欲しい内容を具体的に伝えると、投稿の煩わしさが軽減できます。
たとえばGoogleでは、インセンティブを提供して口コミ投稿を依頼することは禁止されています。
2024年6月には、消費者庁がインセンティブを用いてGoogleの口コミを集めた医療法人に対し、景品表示法(ステルスマーケティング告示)違反に該当するとして措置命令を行ったことがわかりました。詳しくは「【専門家解説】Google口コミの「ステマ」に措置命令 "★5投稿で割引"が景品表示法違反に、事業者やユーザーの責任は?」の記事で紹介しています。あわせてご確認ください。
口コミを利用して集客につなげるには?
口コミに対して返信をするとポジティブな印象を与えられ、リピーターの増加と新規顧客の獲得が期待できます。活用の仕方によっては、サービスの改善やスタッフのモチベーション向上に役立ちます。
1. 口コミに丁寧に返信する
店舗が口コミに対して反応をすると口コミを書いた顧客だけでなく、これから宿泊しようとしているユーザーからの印象も向上します。丁寧に返信することで顧客を大事にしている印象を与え、新規顧客の獲得とリピーターの増加につながります。口コミを返信する際に、ポジティブな口コミだけでなくネガティブな口コミに対しても丁寧に返信すると更に印象が改善されます。たとえば、サービスが悪かったなどの口コミに対しては謝罪をし、改善していく姿勢を見せます。そうすることで、口コミを見た顧客に「顧客の意見を取り入れてくれる気持ちの良い施設」とイメージがつき、再来店と新規顧客の獲得につながっていきます。
"☆1 口コミ"への返信が話題…2枚の画像を比較してわかる、口コミ返信の重要性2. 口コミを活かしてより良い施設作りをする
改善すべき口コミがないかをチェックし、顧客の意見を真摯に受けとめてサービス改善につなげます。実際にサービスを利用した顧客の意見は貴重であり、積極的に改善していけば更に良質なサービスを目指せます。厳しい指摘だけでなく顧客からの嬉しい言葉や〇〇さんのサービスが良かったなどの口コミは社内で共有し、スタッフのモチベーションの向上に活かしていきます。宿泊業でも口コミを利用して集客力向上
宿泊業で口コミを活用した集客には新規顧客の獲得やリピートの促進、低コストでの集客が期待できます。口コミを集めるには、ポータルサイトや口コミサイトへの登録、SNSアカウントの開設、Google マイビジネスでの管理などの方法があります。集まった口コミに対して返信をするとポジティブな印象を与えられ、集客力の向上とリピーターの増加につながります。アピールしたいポイントやターゲット層に合った口コミ管理と対応の戦略を考えることが重要です。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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