新型コロナウイルスの感染拡大に伴い多くの宿泊施設が休業をしましたが、緊急事態宣言の解除をきっかけに順次営業を再開する動きが広がっています。
本記事では、宿泊施設に焦点をあて、アフターコロナに向けて必要な取り組みと検討するべき内容について紹介します。
新型コロナウイルスによる旅館の休業
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各都道府県の要請や利用者減少により多くの旅館が休業していました。
緊急事態宣言が解除された現在の政府の方針と、各自治体での取り組みについて紹介します。
緊急事態宣言の解除と今後
順次緊急事態宣言が解除される中、最後に宣言が解除されていなかった1都3県が5月25日夜に解除されることとなり、政府は全面的な緊急事態宣言のを表明しました。
今後は感染拡大リスクに鑑み、段階的に外出やイベント、施設利用が緩和される方針となっており、順次定められたロードマップに従い日常生活や社会経済活動の再開が行われています。
引き続き感染拡大を防止するために、各企業や団体は、厚生労働省が公開している「新しい生活様式」や業種別ガイドラインに沿った取り組みを従業員に周知徹底する必要があります。
新型コロナウイルスによる休業の現状
全国の旅館では、外出自粛終了に向けた営業再開や行政による支援の活用を進めています。
新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、緊急事態宣言の対象地域となった各都道府県では、旅館やホテルに対して部分的、全面的な休業要請を行っていました。
緊急事態宣言が解除となった今も、ウイルスの脅威は去ったわけではなく、出来るだけ人との接触や3密を避けるように政府や各自治体は呼びかけています。
政府や各自治体では、休業要請に協力したホテルや旅館に対して休業要請支援金を支給する支援体制を整えています。
緊急事態宣言や県をまたぐ外出自粛が解除されるタイミングは各都道府県で異なるものの順次営業を再開、もしくは再開めどのたっている旅館が全国的に増えています。
宿泊施設の新型コロナウイルス対応ガイドライン
旅館の所在する地域や規模に合わせた新型コロナウイルス対策を講じるための指針として、日本旅館協会のホームページでは「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」が公開されています。
基本事項
同ガイドラインで挙げられている9つの基本事項を整理すると以下のようになります。
密を回避するため、館内での対人接触をできるだけ避け、2メートルを目安に個人間の距離を確保し、多くの人が集まる場所で混雑を緩和するために人員整理する必要があります。
衛生的な空間を維持するために、施設内への定期的な消毒散布や換気を行ったり、感染防止のために従業員及び利用者のマスクの着用、手洗い、消毒液の利用を徹底する必要があります。
体調不良者による勤務を防止するため、従業員に対して毎日体温測定と健康チェックをすることが推奨されています。
チェックイン手続きでの対応
宿泊のチェックインの手続きは、従業員と利用者の距離が近くなりやすく感染のリスクが高い場面であるため、対策が必要です。
同ガイドラインでは、フロントデスクにおいてアクリル板または透明ビニールカーテンなどで利用者と従業員との間に遮蔽を作ることを勧めています。
またモバイル機器や、文書、動画による案内を活用するなど、非対面でのチェックイン手続きのための新たな取り組みが推奨されています。
大浴場での対応
大浴場では、基本事項と同様に定期的な消毒や入場人数の制限などの対策を行う必要があります。
消毒を推奨されている箇所としてはロッカー、テーブル、椅子、機器のボタンなどが挙げられています。
大浴場ならではの注意点としては、浴室、浴槽内での会話の自粛要請や備品の取り扱いがあります。
平時であれば、利用者はドライヤーや化粧品、ブラシ、貸しタオルなどを自由に利用できますが、感染防止の観点から利用者による持参を要請するべきとされています。
宿泊施設のこれからの対策
新型コロナウイルスの影響による休業への協力や利用者減少によって、多くの旅館が収益の減少し経営難に陥っています。
今後、宿泊業界が安全対策を徹底した営業の再開と、今後の旅館の財政状況を改善させるための方針について紹介します。
安全を考慮して運営を再開する
ガイドラインでの基本事項を遵守することが、安全面を考慮した運営において一つの目安となります。
従業員のマスク、フェイスシールド着用や遮蔽の設置による感染対策、館内各所の消毒と換気など、受け入れ側の対策が必要です。
また、利用者に対して、入館時、食事の際の消毒液利用、手洗い、マスクの着用のお願いや、感染対策の一環として食事などのサービスが一部変更となることへの理解を促すことが求められます。
安心安全を考慮した営業戦略を立てる
トラベルズー・ジャパン株式会社が、旅行好きを中心とした国内の会員4,000名以上を対象に行った「緊急事態宣言解除後の旅行意向に関する調査」によると、国内旅行の再開の時期は3か月以内が41.6%、すぐにでもが23.6%、または4~6か月後が23.3%となりました。
新型コロナウイルスの影響による旅に対する価値観の変化に関する質問では、「マスクやアルコール消毒などの衛生対策を旅行中でも意識するだろう(75.2%)」「混雑した観光地や、混雑する時間の観光を避けるようになるだろう(59.2%)」などの回答がされています。
また、「衛生対策がホテルや航空会社などを選ぶ際の基準になるだろう」の回答者が46.6%に達していることから、今後は宿泊施設への感染予防対策や衛生管理の徹底が新型コロナウイルス発生前よりも一層高まるでしょう。
経営状況を好転させるためには、今までのような他の宿泊施設との差別化・インターネットを活用した宣伝と同時に、いかに安心安全な宿泊施設なのかをアピールする必要があります。
財政の立て直し
経営の立て直しのための運転資金を獲得するための方法として、行政の提供する各種サービスの活用、給付金の受給、金融機関からの借り入れなどが挙げられます。
各都道府県は、新型コロナウイルス感染症被害事業者経営再建特別相談窓口などを設けており、事業の継続のためのアドバイスを行う専門家の派遣を行っています。
日本政策金融公庫では、経営環境変化対応資金、衛生環境激変特別貸付、新型コロナウイルス感染症特別貸付など、業績の悪化した企業に対する融資を行っています。
各種支援制度を活用し、資金繰りや借入金返済の計画を適切に見直すことは、経営状況の好転と継続的な運営のために重要です。
安全確保の徹底と、アフターコロナに向けた戦略と見直しを
緊急事態宣言が全面的に解除され、アフターコロナにおける需要の獲得に向けた取り組みが注目されはじめています。
1つ目のステップは、従業員と利用者の健康と安全を確保することです。
「新しい生活様式」や「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」に沿った適切な対応が重要となります。
2つ目のステップは、財政状況と経営戦略の見直しをすることです。
健全な経営状況への復帰のために各種支援制度を活用して資金を確保し、戦略的な経営によって利用者を獲得することが重要です。
従業員への周知徹底、お客様へのご協力のお願い、各種申請などこれまで以上に手間のかかる業務が必要となる場面もありますが、適切に対処することで一日も早い経営再建につながるでしょう。
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