Facebookには広告枠があり、Facebook広告はさまざまな業界で活用されています。
今年、黒人差別であるヘイトスピーチ投稿への対応が不十分であるとして、多くの広告主がFacebookへの出稿を停止する動きがアメリカで起こりました。
その中にはホンダやコカ・コーラといった世界的大企業も含まれ、アメリカ市場におけるFacebookの存在感がここからも見て取れます。
Facebook広告の形態は主に「インプレッション広告」「クリック広告」という2種類に分かれます。
それぞれ課金体制や効果が異なっているため、事業者は目的に応じて使い分けることが重要です。
この記事では、2つの広告形態の概要や使い分け、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
※2021年1月、Facebookページへの「いいね!」ボタンの削除が発表されました。今後フォロー機能のみが残り、ページのファンはフォロワー数として表示されます。「いいね!」はフォローに自動的に置き換えられることになっています(2021年1月28日追記)
Facebook広告の課金形態
Facebookの広告形態には、インプレッション広告・クリック広告の2種類が存在します。それぞれの広告形態で、課金の形態が異なっています。
1. インプレッションに基づく課金
Facebookの広告の課金形態のひとつとして、インプレッションに基づく課金(CPM配信)が挙げられます。インプレッション課金は、ユーザーに広告が表示されるたびに、広告のクリックの有無を問わず費用が発生します。
広告を押した人が多くても、0人であっても広告料金は変わらず、広告を表示したユーザー数が1,000人を超えるごとに広告料金が課金されます。
このインプレッション課金は、広告のクリックよりも広告表示回数を重視する場合に有効です。
クリックが多くなりそうな広告は、このインプレッション課金を利用した方が、結果としてクリック単価を抑えられる可能性があります。
2. 成果報酬の色合いが強いクリック課金
もうひとつのFacebook広告の課金形態は、クリック課金(CPC配信)です。これはリスティング広告で有名な方式で、広告がクリックされる度に課金されます。
ユーザーが広告をクリックしなければ、何度広告を表示しても費用は発生しません。
成果報酬型の広告であり、クリックの回数に基づき費用が発生するため、広告効果が分かりやすい特徴があります。
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Facebook広告の料金はどう決まるか
Facebookに広告を出す際、広告料金に決まりはないため、広告料金は広告主が自由に設定できます。
自由度が高い反面、広告を出したことのない事業者にとっては広告費の設定が難しいともいえます。
以下では、Facebookの広告料金の決まり方について説明します。
目的によって適切な料金は変化、目的を整理して判断
Facebook広告は、広告料金を広告主が決定できます。
適切な広告費を算出するためには、まずゴールを設定し、ユーザーの反応1件に対してどこまで予算をかけられるのかシミュレーションします。
広告を表示したことによる結果には、Facebookページへのいいね!や、アプリのインストール、商品の購入等が考えられます。
たとえば、広告に対するユーザー一人の反応に1万円をかけることができる場合で、20件の反響を獲得することがゴールならば、広告料金は20万円と計算できます。
広告出稿の方法
Facebook広告では、広告費用が予算上限を上回ることはありません。
広告を出稿するには、Facebookの広告管理ツールである広告マネージャを使います。
広告となるコンテンツを作成して、広告オークションにかけることで、広告を出稿したことになります。
Facebook広告は、ユーザーの行動データをもとに、広告内容に関心を持つ可能性が高い人に表示されます。これにより、広告が意図するところの行動をユーザーがとることが期待できます。
広告出稿の際に、インプレッションまたはコンバージョンの目的を選択し、選択したアクションに対する料金が広告料金となります。
広告料金を小さく設定するのは問題ないのか
ウェブマーケティングではこうした反応をコンバージョンと呼び、コンバージョンを1件獲得するのに必要な費用はCPAと呼ばれます。
想定CPAが3万円の商品やサービスの広告運用を、月1万円の予算で行うのは現実的ではありません。この想定では、平均3ヶ月に1件のCVが発生することになりますが、CVの発生が3ヶ月に1件のみの場合、広告の良し悪しや継続の必要性が判断しにくくなってしまいます。
また、Facebookは広告主から提供された広告費の金額に応じて、最大限の成果をあげるよう広告を表示します。ところが、コンバージョンが発生しないとFacebook広告の学習データが不足するため、コンバージョンに最適化するためのFacebookの機能が十分に活用できません。
Facebook広告にかける広告費に下限条件はないものの、効率よく広告配信するためには、ある程度の予算は必要になります。
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2種類のFacebook広告からどう選択するか
Facebook広告のインプレッション広告・クリック広告の使い分けについて解説します。
インプレッション課金は認知を優先する場合に
インプレッション課金は多くの場面で使われていますが、主に「認知してもらうための広告」であり、事業者が会社やサービスの認知度を高めたい場合に利用するものといえます。
ダイレクトメッセージやポスティングと比較して、時間をかけずに多くの人の視界に入るといえます。
無意識的にでも多くの消費者にFacebook広告を表示させることで、商品を目にした消費者に「この商品、どこかで見たことがあるな」と興味を持ってもらえます。
このように、商品の認知度を高めるためには、見てもらう機会が多いインプレッション課金が向いているといえます。
インプレッション課金は、「1,000回の表示あたりいくら」という形で設定され、たとえば、「1,000表示300円」という単価で広告を設定した場合、20,000回表示されると、6,000円の費用が発生します。
ユーザーが広告をクリックしてもしなくても、Facebook広告の費用は変わりません。
クリック課金は自社サイトへの訪問にこだわりたい場合に
クリック課金は、事業者が消費者に商品やサービスの購入を検討してもらうために、商品やサービスの詳細紹介ページに導くための広告です。
具体的には、Facebook広告内へリンクを設定して自社サイトに誘導する方法や、広告に「いいね!」を押してもらうことで、より多くのFacebookユーザーのフィードへ表示しアピールする方法があります。
また、クリック課金は「資料請求やお問い合わせなどのアクションを目的とした広告」であるともいえます。具体的にはクーポンの利用を促す広告などがあり、これらはクリックによるサイトへの誘導が発生します。
クリック広告の広告単価は「1クリックあたりいくら」という形で設定します。
たとえば、1クリック20円という単価で設定した場合、100回クリックされると2,000円の費用が発生します。こうした広告単価は他の広告主との入札形式となっており、競合の広告よりも入札金額が低い場合には、広告の表示回数が少なくなります。
広告予算を抑えるために入札金額を低く設定しすぎてしまうと、広告の配信すらもされない事態になりかねないため、注意が必要です。
インプレッション課金で想定されるメリット・デメリット
インプレッション課金は、ユーザーによる広告クリックの回数に問わず、配信回数に応じて広告料金が発生する方式となっています。従来のDMやチラシ配布といった方法に比べ、非常に多くの人の目に触れさせることが可能です。
以下では、インプレッション課金で想定されるメリット・デメリットについて解説します。
インプレッション課金のメリット
インプレッション課金のメリットは、クリック率(CTR)を高めると、1クリックあたりの単価を安く抑えられることです。また、さまざまな媒体に表示されやすく、多くのユーザーの目に触れる機会があることもメリットです。
インプレッション課金はクリックの回数に問わず広告料金は一定であり、ユーザーへの表示回数によって広告料金が変化するため、クリックの回数が多ければ多いほど、効率的に広告効果を得られます。
インプレッション課金のデメリット
インプレッション課金のデメリットは、広告を毎回クリックされても、1度もクリックされなくても同じく費用が発生するため、無駄にコストが発生してしまう可能性があることです。
たとえ広告をクリックされた回数が0回であっても、ユーザーに広告が表示された回数で広告料金が決まってしまうため、クリックされるような、あるいはクリックされなくてもユーザーの印象に残るような広告を作らなくては無駄になってしまいます。
クリック課金のメリット・デメリット
クリック課金は、ユーザーによるクリック回数に応じて広告費用が発生します。広告上に、目的のターゲット層に伝えたい情報を絞り込んだ情報を掲載することで、メインの消費者層を自社サイトへ誘導することも可能です。
以下では、クリック課金のメリット・デメリットについて解説します。
クリック課金のメリット
クリック課金のメリットは、クリックされない限り広告費が発生しないため、無駄なコストを削減しやすいことです。クリック数に比例して広告料金が発生するため、自社の商品やサービスを必要とする消費者にのみ広告を表示させられます。
また、もうひとつのメリットとしては、広告に具体的なメッセージを盛り込み、クリックしてくれるユーザーを限定した場合に、より確度の高いユーザーを呼び込めることです。自社の商品やサービスに合った消費者を、効率的に自社サイトへ誘導できます。
クリック課金のデメリット
クリック課金のデメリットは、クリック単価を低くつけてしまうと、ほとんど配信自体されない可能性があることです。
クリック課金の広告配信は入札制であり、競合他社との広告料金の勝負で決まります。しかし、このクリック単価は商材やターゲット、配信設定によってまったく異なります。
事前のクリック単価の確実な推測は非常に難しく、実際のクリック単価は配信クリエイティブなどの要素も加味されるため、実際に広告を配信しなければわかりません。
Facebook広告は予算が自由、目的から形態を選択
Facebook広告には、インプレッション課金、クリック課金という課金形態があります。インプレッション課金はユーザーへの広告表示回数によって課金され、クリック課金はユーザーが広告をクリックした回数に応じて課金されます。
Facebookユーザーへの認知を高めたいときにはインプレッション課金、Facebookユーザーを自社サイトへ誘導したい場合にはクリック課金と、目的によって使い分けることが重要です。
Facebook広告に問わず、広告を出す場合に共通していえることですが、広告を出す目的について整理し、方針を立てることが何よりも重要です。
<参照>
Digiday:Facebook 広告のボイコットに見る、広告購入の新しい基準
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