ECサイトを運営するにあたり、「実施したキャンペーンで思ったよりも効果が得られなかった」「ECサイトからおすすめされた広告を打ち出してもアクセスが増えなかった」など、売り上げアップに悩むEC事業者は少なくないでしょう。
このような場合、販促計画を立てることで解決できるかもしれません。
販促計画とは、目標の売り上げを達成するために、具体的な商品の販売数や価格設定、キャンペーンなどを計画することです。
本記事では、ECサイトの販促計画の重要性、効果的な販促を選択するための準備と集客方法を解説します。
ECサイトの販促計画を立てる意味と重要性
ECサイトの開設により、日本国内および海外の顧客に対して手広く商品を提供することが可能となります。
しかし、販促計画なしにECサイトを開設しても、顧客の獲得にはつながりません。
以下では、販促計画の重要性について解説します。
他のECサイトとの差別化
2019年にエンパワーショップ株式会社が発表した統計によると、国内のECサイト・ネットショップの総稼動店舗数は、2019年5月時点で270万9,043店舗だったことがわかっています。
多くのECサイトがある中で、顧客に選ばれるサイトにするためには「販促」が重要になります。
販促計画をたて他社ECサイトとの差別化を行い、自社のサイトに訪問してくれる顧客を確保することで売り上げの向上にもつながります。
販促計画はリピーター獲得に有効
ECサイトの売り上げを継続的に向上させるには、リピーターの獲得が必要です。
新規顧客を獲得するにはリピーターよりも5倍のコストが必要だといわれているため、リピーターが多くなれば、新規顧客を獲得するよりもコストをかけずに効率的に売り上げを伸ばすことができます。
リピーター獲得に有効な要素のひとつとして、顧客を飽きさせないことが挙げられます。
具体的には、季節やトレンドに合わせたイベントの開催や特典キャンペーンの実施、商品情報やレビュー内容を充実させるなどの取り組みを行うことが挙げられます。
このように、季節や行事、トレンドなどさまざまなタイミングで利用してもらえるように新しい取り組みをしているECサイトであれば、顧客は新しい発見を求めてECサイトを訪問するでしょう。
ECサイト販促計画の準備
販促計画を立てるには現状の把握やターゲット設定などの準備をしておくと、ECサイトに適切な方法を選択できます。
ここでは、ECサイトの販促計画を立てる準備段階として何をすればいいのかを解説します。
現状を把握する
「とにかく売り上げが伸びるような施策がしたい」という漠然とした考えだと、効果的な販促計画を立てられません。
まずはECサイトの現状を把握することが非常に重要です。
たとえば、どの商品が伸び悩んでいるのか、逆に売れた商品の共通点が何かなどがあげられます。
現状を把握すれば具体的な目標が設定できるので、より効果的な販促計画を立てられるでしょう。
改めてターゲットを設定
販促計画を立てるためには明確なターゲット設定が重要です。
長くECサイトを運用している方の中には、いつの間にかターゲット設定がずれていたことに気づかないケースがあります。
販促計画を立てるのをきっかけに改めて過去の販売データなどを分析し、新しいターゲットを設定しましょう。
ECサイト販促・集客方法5選
効果的な販促を行うためには、時事ネタに合わせたキャンペーンを行う、限定表示などで購買意欲を掻き立てるなど、顧客の関心をひく工夫が必要です。
以下では、販促計画の立て方や方法について解説します。
関連記事
Amazonにおける集客方法
1. 年間のイベントに合わせたキャンペーン
販促計画を立てる上でまず必要になるのが、年間予定の把握です。
例えば夏の販促を考える際は、7月7日の七夕や海の日、8月の山の日といった暦上のイベントの他に、夏休みレジャーやお中元、暑中見舞い、お盆などがあります。
他にも、季節やクリスマス、ハロウィン、お正月などのイベントに合わせ、各時期に適した商品群を紹介することも効果的です。
顧客獲得のためには、年間の販促予定を把握したうえで、以上のようなキャンペーンやイベントを開催することも必要となります。
イベントを把握することで、広告を使った販促の材料仕入れや、商品企画の検討材料などに活用できます。
年間販促カレンダーや時事ネタから自社の商品に影響があると予想されるイベントを把握し、どの季節、時期にどんな需要があるのかを考え在庫不足や在庫を抱えすぎないよう計画することが重要です。
在庫を起点に計画を立てることで、資金計画も考えられます。
2. 期間限定の商品
希少性の原則(原理)という人間の心理を活用した販促方法で購買意欲を促進します。
希少性の原則(原理)とは、数が制限されたり日時が限定されるなど、市場に出回る数や機会が少ないことによって希少価値が高まり購買意欲を促進する販促方法です。
たとえば、「○月×日23:59まで!」「夏季限定」など、期間限定商品とわかるようにキャンペーンの残り日数や時間をカウンター表示することで特別感を演出します。
また、限定的な表示としては「数量・回数限定」をする販促方法も考えられます。
「先着○名様限定」「初回限定」などの限定販売や「在庫限り」「売り切れ御免」などの文言で、注文数量を制限して希少性を高めます。
限定表示を行う際には、終了期間や終了個数を明らかにして守らなければ、消費者庁に景品表示法違反と指摘されて課徴金納付を命じられる可能性があるので注意が必要です。
3.メールマガジンの活用
メールマガジン(メルマガ)は過去に自社ECサイトで購入した顧客に対し、定期的またはキャンペーンなどの不定期にお得な情報や顧客の役に立つ情報を配信します。
メールマガジン(メルマガ)の配信は顧客の許可が必要なため、顧客がアカウント登録する際、または商品購入の際などにメールマガジン(メルマガ)を配信する可能性がある旨を明記する必要があります。
メールマガジン(メルマガ)を通して顧客との接点を作り、自社ECサイトを意識してもらうことが大切です。
また購入履歴から顧客に合う商品をタイミングよく提案することで販売促進につながります。
4. CRMツールの導入
CRMとはCustomer Relationship Management(顧客関係管理)の頭文字です。
自社と顧客との関係性を可視化し、より良い関係を構築し、売上の拡大や収益の改善をはかること(あるいは手法)を意味します。
CRMを改善するためのツールも販売されています。
CRMを通じて、企業は消費者との交流をはかることができます。
結果、新規顧客からリピーターへ、リピーターからコアなファンへと関係が深まることが期待できます。
CRMツールの主な機能は下記の通りです。
- 顧客情報管理
- メール配信
- キャンペーン管理
- データ分析
多くのCRMツールでは、メール配信機能がついており、先述したメールマガジン(メルマガ)の作成や配信に役立ちます。
CRMツールを導入することで細かい管理や分析が可能となり、より効果的に販促につなげられます。
5.継続的なアクセス分析
実施したキャンペーンが狙った通りに働いているか状況を確認します。
どのページのアクセスが高いか、離脱されてしまうページがどのくらいあるのかなど、さまざまなデータを収集し、分析できます。
長期的にECサイトを運用するのであれば、アクセス解析ツールがあるECサイトを選び、継続的にデータ分析をしましょう。
ECサイト販促は計画性とツールの活用が重要
ECサイトを活用し新規顧客を獲得、リピーターへとつなげるためには、効果的な販促計画を立てることが重要です。
具体的には、季節や時事ネタに合わせたキャンペーンの開催や期間限定、数量限定などの「希少性の原則(原理)」の活用などが挙げられます。
ただし、限定表示を行う際には、景品表示法違反とならないよう注意を払います。
またキャンペーンを打ち出す際には、在庫の把握も欠かせません。
どの季節・時期にどの商品の需要があるのかを考え在庫不足や在庫を抱えすぎないよう計画性が大切になってきます。
CRMツールやメルマガを活用して顧客との接点を積極的に作ることができれば、消費者との関係性を深めリピーターの獲得も期待できるでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
※『口コミアカデミー 』にご登録いただくと、レポートの全容を無料でご確認いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】