口コミは顧客が店舗の評価を公開することを指し、多くの人が来店の参考にする情報です。
2018年の厚生労働省による調査では、20~60代で寿司屋を利用している人の約4割が店を選ぶ際に活用する情報源を「口コミ・紹介」と回答しています。
この口コミを活用して店舗の集客と宣伝につなげることができます。
また、口コミは費用をかけずに始められるというメリットが存在します。本記事では寿司屋が口コミ集客を成功させる為に抑えておくべきポイントと、飲食店が口コミを活用して集客する際にはSNSやグルメサイト、Googleマイビジネスなどのツールについての情報を紹介します。
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※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
口コミ集客とは
口コミは顧客が利用した体験をもとに投稿されるため、顧客目線での店舗の評価が如実に表れます。
来店を検討する人は口コミを見て来店するかどうかを決めることがあります。
この口コミを利用した集客方法を「口コミ集客」と呼び、その特徴を詳しく解説します。
販促や広告コストをかけずに集客ができる
口コミによる宣伝は販促や広告に店舗がコストかけることなく実施できます。
主に口コミが書き込まれる媒体として挙げられるのはTwitterやInstagramなどのSNSやGoogleマップのビジネス情報(Google マイビジネス)、グルメ紹介サイトや予約サイトであり、そこに自店舗を利用した顧客が投稿します。
そのため、店舗が宣伝のために費用をかけて広告を打つ必要がなくなります。
口コミの信用度は6割弱
調査会社であるマイボイスコムが2020年3月に行った調査によると、55.7%人がネット上にある口コミを参考にしていると回答しました。
これは実際に利用した人などがその経験をもとに投稿しているという特徴に起因していると考えられます。
口コミは正直な評価によって信用性が持たされます。
口コミを集めるために投稿してくれた顧客に対して特典を付与するといった行為は、本来の口コミの価値を生まないため、使用するツールによっては口コミ投稿に対するインセンティブの扱いに注意が必要です。
2024年6月には、消費者庁がインセンティブを用いてGoogleの口コミを集めた医療法人に対し、景品表示法(ステルスマーケティング告示)違反に該当するとして措置命令を行ったことがわかりました。詳しくは「【専門家解説】Google口コミの「ステマ」に措置命令 "★5投稿で割引"が景品表示法違反に、事業者やユーザーの責任は?」の記事で紹介しています。あわせてご確認ください。
リピーターを生みやすい
口コミによる宣伝の特徴に、リピーターを生みやすいことが挙げられます。口コミの投稿主は店舗に対して感想を持ち、それを実際に文章化し投稿するという手間をかけてくれた顧客です。
その過程を通じ、顧客の店舗に対する印象は強くなります。また、口コミを投稿した顧客と嗜好性が似ている人が口コミを見て利用した場合、店舗を好みやすく、リピーター化しやすくなります。
寿司屋が口コミ集客をするときのポイント
寿司屋が口コミ集客に取り組む際のポイントはいくつかあります。
本項では寿司屋ならではの事情を反映しつつも口コミ対応する上での基本的ポイントを紹介します。
1. 自店のウリを押しだす
自店の特徴や最大のウリが何かを把握し、話題性を持たせることが必要です。
寿司屋として何を最大の価値としているのか、どのネタが看板商品なのかを分かりやすく表したキャッチコピーがあると顧客に認識してもらいやすくなります。グルメサイトのぐるなびでは、自店の「こだわり」を載せることもできます。
そのこだわりをきっかけに顧客が店舗を認識して訪れやすくなります。
口コミを投稿する際に顧客が店の特徴として捉えやすくなるため、口コミの内容を考えて投稿するまでのハードルを下げる効果もあります。
2. 口コミ投稿を促す
口コミは顧客が意識しない限り投稿することがないため、投稿を増やすことはそう簡単ではないといえるでしょう。
顧客の会計用のバインダーに伝票とともにメッセージを記載したカードを挟んで口コミ投稿の依頼をしたり、帰り際に口頭で伝えるなどをして投稿を促すことも効果的です。
3. 口コミに対しては丁寧に返信する
口コミは顧客の店舗に対する率直な意見です。この意見に対して丁寧に返信しコミュニケーションを成立させることが重要です。
顧客が投稿した店舗の良い評価に対して追加でアピールポイントを伝えたり、逆に悪い評価の投稿に対しては真摯に受け止めて改善に取り組む旨を伝えることが必要です。
これらのやり取りは口コミを投稿した顧客だけでなく、その媒体を利用する全ユーザーが閲覧できるため、対応の良し悪しが店舗のイメージに直結します。
この画像の口コミ返信例では、固定文ではなく、このコメントの内容に対して個別の返信をしています。また、再来店していただけるように別のアピールポイントも添えています。
口コミ集客で使えるツール
口コミ集客を進めるには、顧客が店舗に対する口コミを投稿し、閲覧できる環境を用意する必要があります。
本項では口コミ集客に活用できるSNSやグルメサイト、Googleマイビジネスなどのプラットフォームを紹介します。
1. グルメサイト
ホットペッパーグルメやぐるなび、食べログなどのグルメ紹介サイトに掲載することで口コミを書いてもらえます。
これらのグルメ紹介サイトは予約の受付などもしているため、口コミを見た顧客がそのまま予約できる導線を確保することもできます。
若年層を対象にリサーチを行っている「TesTee Lab」が2018年に行った調査によると、特に食べログに関しては60%の人が検索時に活用していると回答しており、グルメサイトの影響力の高さを伺えます。
こちらの画像は食べログの口コミ例ですが、食べログは最初に一言でタイトルをつけることができるので、読み手にとってもどのような店舗なのかが最初の一読でわかります。
2. Facebook
Facebookにビジネスページを開設することでインターネット上に営業時間や住所などの自店舗の情報を簡単に掲載できます。
Facebookの利点は一貫して無料で利用できることで、Facebookを利用する顧客が検索をかけた際に情報が得られやすくなります。
また、SNSであることから拡散しやすく設計されているため、顧客の投稿が「いいね!」や「シェア」などを通して広がっていきこれが宣伝効果を生み出します。
コメント、いいねで拡散力を維持できるため、投稿内容が多くの人の目に留まります。
また、Facebookにはグループ機能があります。誰でもそのグループ内で投稿でき、こちらの「寿司活」というグループでは、寿司好きの人をはじめとしてたくさんのユーザーが店舗の口コミを投稿しています。このグループの中で自店舗をアピールすることも可能です。
3. Google マイビジネス
Googleマイビジネスは店舗が利用できるGoogleの無料サービスです。
Googleマップ上に住所や連絡先、営業時間等のビジネス情報を掲載できるようになるほかに、アクセスしてきたユーザー数を収集できます。
また、店舗の情報がGoogleに登録されるため「地名+寿司屋」などで検索された際に検索結果に表示されやすくなります。
Googleマップ上に登録された店舗情報にはユーザーが口コミを投稿できる場所があります。
ユーザーは口コミを誰でも確認できるため、新規の顧客になりうる潜在顧客が口コミを見て来店を判断できるようになります。
Googleマイビジネスでは、星の評価1~5の分布とGoogleのアルゴリズムによってトップの口コミ3つが表示されるのが特徴です。
寿司屋も活用できる「口コミ」の威力、効果を最大化するために
口コミ集客は寿司屋でも活用できる宣伝手段でリピーターを生み出しやすいながらも、多額の費用を必要としません。インターネットが普及した現代では特に若年層において口コミの内容を来店の判断に活用する傾向にあり口コミの影響力は増しています。
だからこそ、口コミを利用して宣伝する際は自店舗のウリを理解し、顧客に伝えることが必要です。グルメサイトやSNS、Googleマップなどのサービスを媒体に口コミを投稿、閲覧してもらうためにも、それぞれのサービスへの登録が欠かせません。
投稿された口コミには丁寧に対応することで顧客とのコミュニケーションを図れます。ユーザーの目線から口コミの投稿、見え方を把握すれば、口コミの効果を最大化することにもつながるでしょう。
<参照>
厚生労働省:業種別マニュアル すし業編
マイボイスコム:ネット上の口コミ情報に関するアンケート調査(第5回)
TripAdvisor:口コミを無料で集める5つの方法
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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