ユーザーの購買行動の最大要因の1つとされる口コミを活用した口コミマーケティングは、現在さまざまな企業で広く利用されています。
口コミマーケティングは費用対効果が高いマーケティング手法として注目されている一方で、ステルスマーケティング、いわゆるヤラセにならないよう注意することも重要です。
今回は、口コミマーケティングにおけるステマについて、具体的な手法や防止するためのポイントを解説していきます。
口コミマーケティングとは?
口コミマーケティングの概要について、注目されている背景やメリットを解説します。口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは、商品やサービスの口コミを意図的に広げて、商品を宣伝したり、集めた口コミを管理するマーケティング方法です。
そのため、口コミマーケティングは一般消費者の口コミを活用し、認知を広げるマーケティング手法として注目されています。
近年はインターネットショッピングが普及したこともあり、ネット上で口コミやレビューを見て商品を購入する傾向が顕著となりました。
特に知人や好きな芸能人が口コミで勧めるものはより高い信頼度を得られることから、一般消費者の購買行動を促進しやすいのが特徴的です。
なぜ注目されているのか
以前は広告やメディア、販売チャンネルでの訴求が中心でしたが、近年はスマートフォンの普及により、口コミマーケティングの需要も拡大しました。
Marketing Research Campが実施した2012年7月から2019年2月までのスマホ普及率調査によると、スマホ普及率は2019年3月時点で85%となっています。
スマートフォンユーザーの増加により、個人ブログ、SNS、口コミサイトなどを通して、いつでも評判や口コミを調べ発信することが可能になりました。
こうした背景から、企業は従来のマーケティング手法に加え、ウェブを意識した口コミマーケティングを新たに導入する傾向にあります。
口コミマーケティングのメリット
口コミマーケティングのメリットは、主に2つ挙げられます。
1つは、口コミは信頼度が高く、消費者に受け入れられやすい点です。
企業が出稿する広告は、企業にとって都合の良い情報や表現となりやすく、一般消費者の信頼を得にくいこともあります。
一方で口コミは消費者視点の中立的かつ客観的な意見が得られるため、消費者は口コミをより信用する傾向にあります。
2つ目は、費用対効果が高い点です。
通常のマーケティングは多額の広告費用を費やしても、結果的にあまり効果が得られないこともあります。
しかし口コミマーケティングは、一般消費者が自発的に情報を発信するため拡散力が強いことから、低コストで集客ができるのが魅力です。
ステルスマーケティングとは?
口コミマーケティングはメリットも大きい一方で、ステルスマーケティングとならないよう気をつける必要があります。ステルスマーケティングの概要をふまえ、具体的な手法や避けるべき理由について解説します。
ステルスマーケティングとは?
ステルスマーケティングとは、制作物や活動、口コミが宣伝であると一般消費者に気づかれないように宣伝行為を行うことを意味します。
一般的にステマと略される、いわゆるサクラ行為です。
ステルスマーケティングの手法は、大きく分けて2つあります。
1つは、企業の社員などが一般消費者を装い、商品のイメージアップをおこなうことです。
具体的には、社員が自社商品を褒める口コミを投稿するほか、金銭を受け取った人が一般消費者を装い商品の口コミを投稿し紹介することが、ステマとされています。
もう2つ目は、インフルエンサーや芸能人が金銭のやりとりをともない、PRと明記せずに紹介することです。
通常、商品を宣伝する際にはそれが広告であることがわかるようにしなければなりません。
しかし、SNSへの投稿やブログの記事で商品PRをする場合、企業の広告であることが明記されていない場合、ステマとして扱われてしまいます。
企業の信頼度に関わる
ステルスマーケティングを行うことは、売り手目線でのプロモーションになり消費者目線を無視した行為となるため、消費者を欺く行動として批判や非難が集中することとなります。
企業への不信感が強まり不利益が生じるだけでなく、業界全体の信頼度が落ちることにもつながります。
ステマはハイリスクローリターンであり、事業者と業界双方はもちろん、何よりも一般消費者にとってもマイナスにしかなりません。
ステルスマーケティングを防止するには?
ステルスマーケティングを防止する上で、意識すべき3つのポイントを紹介します。インフルエンサーと広告主の関係性を明示
インフルエンサーに口コミを依頼する場合は、「イベントに招待してもらった」「新製品をもらった」など、投稿に企業とのタイアップであることを明示してもらう必要があります。
ユーザーにインフルエンサーと広告主の関係性を分かりやすく示すことで、ステマ防止になります。
明示の方法は文字だけでなく動画や画像、音声などいずれの方法であっても問題ありません。
ただし、文字が小さくて見づらい、音声が聞き取りにくいなどは、関係性の明示方法としては不十分なため、注意しましょう。
ハッシュタグを活用
たとえ広告主とインフルエンサーとの間に金銭のやりとりがあったとしても、SNS投稿やブログ記事には金銭をもらっていると書く必要はありません。
直接的な表現は双方とユーザーにとって抵抗があるため、代わりにハッシュタグを活用し、広告主との関係性を表現するのが適切です。
ハッシュタグでは、「#PR」や「#タイアップ」「#提供」などと表記するのが一般的です。
インフルエンサーがアンバサダーとして長期契約を結んでいる場合は、投稿ではなくプロフィール欄に#アンバサダーのハッシュタグを明記しておく方法もあります。
偽造や誇張はしない
口コミマーケティングを行う上で、インフルエンサーにメリットを偽装・誇張して表現するよう強要してはいけません。インフルエンサーの権威性を借りて行うマーケティングのため、実際のものより著しく優良もしくは他社よりも有利だと一般消費者に誤認させる可能性を与えないように注意する必要があります。
ステルスマーケティングを理解し正しいPRを
口コミマーケティングをおこなう際は、ステルスマーケティングとならないよう細心の注意が必要です。
「広告主とインフルエンサーの関係性を明示」「広告主がインフルエンサーへ提供した金額や商品、サービスがあることを明示」「情報の偽造をしない」といった3つのポイントをしっかり押さえることは、ステマ防止に重要です。
SNS活用ルールのマニュアル化や社員教育の実施などを日頃からおこなうことも、大切な対策といえるでしょう。
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