4月12日より、東京都で「まん延防止等重点措置」が適用され、飲食店は20時まで営業時間を短縮するよう要請されます。
これにより営業時間を変更した場合、それをWeb上の店舗情報にもしっかりと反映しなければなりません。
こうした対応ができていない場合、Google マップ等の口コミプラットフォームに「せっかく行ったのに開いてなかった」「Google マップの営業時間通りに行ったのに閉まっていた」といった低評価な口コミが寄せられる懸念があるためです。
本記事では、口コミ分析・管理ツール「口コミコム 」を用いて、Google マップ上に登録されている渋谷・表参道エリアの飲食店800店に寄せられた、口コミ56,956件を分析しました。
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【独自】飲食店口コミ 低評価の原因は「接客」だけじゃない
Web上の営業時間が実際と異なると、口コミの低評価率は61.5%に
口コミコム では、登録した複数の店舗情報に寄せられた口コミを、特定のキーワードが含まれているかどうかで絞りこめます。これはGoogle マップ上の店舗情報管理ツール・Google マイビジネスにはない機能です。
渋谷・表参道エリアの飲食店800店において、過去1年間(2020年4月12日〜2021年4月12日)に寄せられた口コミは56,956件でした。
これを「営業時間」のキーワードで絞り込んだところ、54件の口コミが該当しました。
そのうち13件が、「営業時間が変わっていて困った」「Google マップに書いてある営業時間と違った」など、営業時間に対するネガティブな口コミとなっています。
それらの口コミ13件の☆評価では、☆1、2が61.5%を占めました。営業時間が間違っているなどの問題があると、低評価な口コミが寄せられる可能性が高くなってしまうのです。
- ☆5:1件
- ☆4:1件
- ☆3:3件
- ☆2:4件
- ☆1:4件
以下に、実際に寄せられていたネガティブな口コミの内容を紹介します(※店舗の特定を防ぐため、一部内容を変更しています)。
マップの営業時間信じて行ったら閉まってた。
Google マップで表示される営業時間が間違ってる旨を店員に説明したが、通じなかった。
お店の方は11時に閉まると言っていたのに、9時に追い出されてしまいました。がっかりです。
平日夜に2回行って、2回とも閉まってた時はがっかりでした。
飲食店のオーナーは、こうしたネガティブな口コミが寄せられることを防ぐため、あらかじめWeb上の営業時間などの情報を正確に更新しておく必要があります。
また万が一こうしたネガティブな口コミが寄せられた場合はしっかりと返信し、その口コミを閲覧しているユーザーに悪印象を与えるのを防ぎましょう。
ただし営業時間が短くなったことで、ネガティブな口コミばかりになるというわけではない
- ポジティブ:34件(63.0%)
- ネガティブ:13件(24.1%)
- どちらでもない:7件(13.0%)
その内容がポジティブか、ネガティブかどうかを確認したところ、ポジティブが63%を占めました。
内容としては「営業時間が長く、使い勝手がいい」「営業時間は短いものの、料理は美味しい」といったものが挙げられます。営業時間が短くなったからといって、ネガティブな口コミが多くを占めるというわけではないようです。
ユーザーが「営業時間変更の張り紙」の写真を投稿することも!「正しい営業情報」ニーズは高い
Google マップでは、店舗と関係のない写真が投稿されることがあります。そのような場合、Googleに報告して削除してもらうといった対応が必要となります。
今回は、渋谷・表参道エリアの飲食店800店で、1回目の緊急事態宣言中(4/7〜5/25)に投稿された521枚の写真を、口コミコム の写真一覧機能を用いて確認しました。
- 料理:364件(69.9%)
- 店舗の外観:68件(13.1%)
- 店内:49件(9.4%)
- メニュー、ポスター:25件(4.8%)
- 店舗と関係のない写真:6件(1.2%)
- その他:9件(1.7%)
やはり飲食店では、料理の写真が多くを占めています。
口コミコム の「ユーザー投稿写真一覧」機能を見てみると、写真によって鮮やかさが異なるのがわかります。きちんと管理しなければ、見栄えの悪い写真で埋まってしまうかもしれません。
Google マイビジネスを用いて、オーナーとして見栄えの良い写真を投稿しましょう。
他に投稿されていた写真として、メニュー表のほか、店頭の「営業時間変更のお知らせ」の写真がユーザーにより投稿されている店舗もありました。
このことからも、「正しい営業情報」のニーズがかなり高いことがわかります。
こうした写真の情報が、現在の営業状況と一致しない可能性も高いと考えられます。その場合はGoogleに報告するほか、Google マイビジネスの投稿機能* を用いて新しい情報を発信するようにしましょう。
* Google マイビジネスの投稿機能…営業時間やキャンペーン情報、クーポン、イベント、商品などを発信できる機能です。口コミコム では、Google マイビジネスにはない「複数の店舗情報に一括で投稿する機能」が利用できます。
コロナ禍で「ランチ」が口コミ頻出キーワードに
口コミコム では、口コミの中で頻出するキーワードと、それがポジティブ/ネガティブどちらの文脈で言及されているかが分析できます。これもGoogle マップ上の店舗情報管理ツール・Google マイビジネスにはない機能です。
この機能で口コミ56,956件を分析すると、「ランチ」というキーワードが2,609回使用されており、最も頻出したキーワードでした。かつ、ポジティブな文脈で言及されている割合も93%となっています。
「関連する口コミを見る」をクリックすると、キーワードが含まれる口コミを閲覧できます。
以下にいくつか紹介します(※店舗の特定を防ぐため、一部内容を変更しています)。
ランチで利用しました。眺めが良いので、ディナーでも楽しめるのかなと思います。コロナ対策もしっかりしていて、スタッフのサービスも良く、安心して会食を楽しめました。
コロナの影響で始まった、テラスでのランチに行きました。2000円でこれは豪華。美味しかったです。また行きます。
コロナ禍で夜間の営業が減ったことから、ランチの重要性が上がっています。ディナーに比べてリーズナブルに楽しめるメニューなどが好評となっているようです。
「店員」というキーワードでは、コロナ対策に対するネガティブな口コミが寄せられている
他の頻出キーワードにおけるポジティブ・ネガティブの割合を見てみると、「店員」というキーワードはネガティブの割合が27%で、他のキーワードと比較してネガティブな口コミが多いようです。
ここでも、「関連する口コミを見る」をクリックした際に表示された口コミを紹介します(※店舗の特定を防ぐため、一部内容を変更しています)。
コロナ対策が全くできていなかったです…。お客さんもマスクしていなかったり、お皿も清潔でなかったので気になりました。
PayPayなどで感染対策をアピールしてるけど、店員さんは素手で現金を触ったあと、消毒もせずそのまま配膳したりしている。
コロナ禍では、以上のような感染対策に関するネガティブな口コミが寄せられることが多いようです。スタッフの感染対策がしっかりとできているのかどうか、それが来店客に伝わっているのかどうかが口コミからみえてきます。
口コミコム ではこうしたキーワード分析や口コミ一覧などを用いて、口コミ評価の☆の数だけでなく、内容も分析することが可能です。店舗オペレーションの改善などに活かすことができるでしょう。
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