先日オリンピックが閉幕し、今週にはパラリンピックがスタートしています。
オリンピックは無観客の開催ではありましたが、開幕式が話題を呼び、日本選手が多数メダルを獲得するなど盛り上がりが見られました。
オリンピックでは各国の関係者が来日し、彼らの日本に対する感動や印象がニュースやSNSを通じて発信されています。
この記事では各国のオリンピック関係者の日本体験を例に、口コミ投稿をしてもらうための仕掛けについて考えます。
ホテルが駄菓子でおもてなし、しかし口コミは…
NHKの報道によれば、オリンピック関係者の受け入れ先となった東京都内のあるホテルでは、行動制限のある海外の関係者たちに少しでも日本らしさを感じてもらう取り組みとして、ロビーでの駄菓子の無料配布を実施しました。
実際に駄菓子は利用客の興味をさそい、楽しまれていたそうです。
しかしTwitter上ではこうした取り組みに対する外国語での口コミはほとんど見られませんでした。またGoogleマップや口コミサイト上にも関連した投稿はなかったようです。
<参照>
海外からの五輪関係者を駄菓子でもてなし 都内のホテル | オリンピック・パラリンピック 話題 | NHKニュース
海外五輪関係者の心つかんだ「コンビニ」「シール」
いっぽう、オリンピック関係者がSNSに日本の魅力を投稿した例がいくつか見られています。駄菓子のケースと異なり、商品やサービスの提供元が意図的にアピールしたものではありませんが、口コミの発生する条件のヒントが見えてきます。一例を紹介します。
オリンピック関係者の心を惹きつけたものの一つには、コンビニがあります。コンビニの品揃えの豊富さや値段の手頃さ、24時間安全安心に買い物ができることなどは訪日外国人にとって新鮮に映り、オリンピック期間中にはSNSへの投稿や、コンビニを絶賛する海外記事などが現れました。
他にも、オリンピック関係者を感動させた意外なものとしてシールがあります。
日本らしい、かわいらしさを感じさせる小さなシールを手に、感動を伝えた元五輪選手でレポーターのAnastasia Bucsis氏のTwitter投稿は広く拡散されています。
<参照>Anastasia Bucsis氏のTwiitter投稿
日本人にとっては当然のものでも、外国人からみれば新鮮で、感動を呼ぶものがあります。訪日外国人が日常目にしている光景や生活と比較し、そのギャップから感動が生まれるようです。
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「口コミ」投稿してもらうには?必要な2つのステップ
上記の例からは、同じように魅力を感じてもらっても、口コミされるケースとそうでないケースがあることがわかります。また、口コミの投稿先はSNSはじめとするどのサービスに投稿されているかも重要です。
駄菓子の例では、顧客の体験を口コミに投稿してもらうことがそもそも起こらなかったように見受けられます。また投稿されていたとしても、友人限定の投稿などクローズドな場所であったか、あまり注目されないような形だったと考えられます。
いっぽう、コンビニやシールなどの例は、SNSに共有されたことにより魅力に気づいてもらうきっかけになりました。ただし、どこのお店や施設で入手できるのかの情報は添えられていません。
もしもシールの口コミに、販売している施設や関連商品の情報が含まれていれば、シール以外の商品や体験に心惹かれる顧客も中にはいるかもしれません。実店舗や観光施設にとっては、店舗や施設の情報とセットで口コミが投稿されることが理想的です。具体的なサービスとしては、Googleマップ、TripAdvisor、食べログなどグルメレビューサイト、位置情報と一緒に投稿できるSNSなどがあります。
どのように口コミを発生させ、投稿してもらうことができるのでしょうか。順に解説します。
ステップ1. 写真をとってもらう仕掛けを用意
良い写真が撮れた時はそれを誰かに見せたくなったり、広めたくなるものです。口コミを投稿してほしいと思ったら、まずは写真を撮りたくなるような風景や仕掛けがあるかを確認します。
フォトジェニックな写真となるよう、小物やインテリア、陳列に気を配ったり、余計なものが入り込まない構図が可能かどうかの観点で室内外をチェックしたりします。
どのような構図であれば顧客は写真を撮り、口コミ投稿するのかは、実際に口コミが投稿されている事例を探すと良いでしょう。Googleマップには、海外のユーザーの口コミもたくさんあり、日本国内のスポットにも投稿されています。
たとえば今回の例の駄菓子であれば、渋谷区に所在する「しぶや駄菓子バー」に寄せられたGoogleマップの口コミを研究することで、駄菓子を目の前に外国人が写真を取りたくなる構図が理解できるかもしれません。実際に確認してみると、テーブルの上に複数の種類の駄菓子を並べて撮影した画像が、訪日外国人らしきユーザーによりアップされています。
<参照>
Googleマップ:しぶや駄菓子バー
ステップ2. 口コミを書いてください!とアピール
写真を撮ってもらったり、体験に満足してもらったあと、口コミを投稿してもらうためには何ができるでしょうか。
まずは「口コミの投稿先がある」ということを知らせることが大切です。顧客は、体験について口コミ投稿できることを意識していないことも珍しくありません。
店頭ポップによる表示や、実際に声をかけていくなどの行動が有効です。
口コミを投稿するために、SNSやアプリを立ち上げて店舗や施設を検索することは、少なくない顧客にとって面倒に感じられます。QRコードを掲出して、読み込めば投稿先が表示されるようにしておくと良いでしょう。
どこのプラットフォームに口コミを投稿してもらうのかは、店舗や施設で検討するとよいでしょう。口コミを特定のプラットフォームに集約することができれば、そのサービスの中での存在感を向上させることにもなります。
インバウンド需要を狙う場合は、ターゲットとなる市場でよく利用されているプラットフォームを選ぶことも必要です。英語圏ならGoogleマップやTripAdviser、中国なら大衆点評など、普及しているサービスは大きく違います。
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体験を口コミにして還元してもらう大切さ
今回はオリンピック関係者の訪日の際の行動に着目し、口コミを投稿してもらうための取り組みについて整理しました。感動やうれしさを味わってもらえても、それを口コミという形で表現してもらえなければ個人の思い出だけに終わってしまい、口コミ経由での宣伝機会が失われてしまいます。
体験にもとづいた口コミは、素直な感想や同じ消費者目線の情報として参考にしている人は多く、行動を喚起する力を持っています。店舗や観光施設にとって、口コミの獲得に本腰を入れて取り組むことはますます大切になってくるでしょう。
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