毎月小売業界の動向をまとめている「小売業界動向まとめ」2022年9月版です。
今月はローソンがアバター接客を導入したり、サツドラが商品が動いて話しかけるロボットを導入したりと、新たな試みが多く発表されました。
また、商業動態統計速報(8月)により、小売業界がゆるやかに回復していることが示されました。
この記事では「小売業界まとめ 2022年9月」の資料の一部を紹介します。全編は以下のダウンロードリンクから見ることができます。ぜひご覧ください!
ローソン、アバター接客導入
ローソンは9月22日、11月末から店舗に設置したモニターに表示したアバターを使った接客を始めると発表しました。
専用オペレーターが自宅などから遠隔操作し、セルフレジや商品の説明などリモート接客を行う想定です。 アバター事業を手掛けるAVITA社のサービス「AVACOM」を導入することで、アバターとオペレーターの動きを連動することが可能になり、音声だけでなく身ぶりや表情を通じて接客を行うことができます。
まず11月末に都内にオープン予定の未来型店舗「グリーンローソン」で実験し、2025年度を目処に全国200〜500店規模に拡大する計画です。 店舗のサービス拡充やセルフレジと組み合わせた省人化、複数店舗での勤務など多様な働き方の実現、アバターを通じた従来のコンビニにはないサービスの提供の実現につなげたい考えを示しています。
<参照>
LAWSON:ローソン×AVITA アバター活用で協業開始!
サツドラ、商品が動いて話しかけるロボットの実証実験
サイバーエージェントは9月21日、商品が自ら動いて販促活動を行う「自己推薦ロボット」の販売促進に関する実証実験を開始しました。
本実験は、商品自身が動いて顧客に話しかけることで、商品の販売促進効果や人々の興味関心度合いを検証するものです。
対象商品は「マルちゃん やきそば弁当」「Diane ビートゥルー ボディソープ」「Diane ビートゥルー ボディミルク」の3つで、従来のPOPやサイネージと異なり、商品自身が動いて話しかけるため、説明を聞いてもらいやすい、手に取られやすいなどの販促効果が期待されます。
サイバーエージェントは、今後店舗内販促の新しい手法として、自己推薦ロボットの商用化を目指すとしています。
<参照>
CyberAgent:商品が自ら動いてアピール!「自己推薦ロボット」を活用した販売促進の実用化に向け、サツドラ北8条店にて実証実験を開始
無印良品、コンビニに参入「無印良品 500」
良品計画は9月30日より、500円以下の日用品や消耗品を中心に集めた新業態の店舗「無印良品 500」の1店舗目である「無印良品 500 アトレヴィ三鷹」をオープンしました。
「無印良品 500」では500円以下の日用品・消耗品をメインに、洗剤各種や掃除用品、キッチン用品、洗面用品、スキンケア用品、下着やくつ下、文房具、食品など幅広いラインナップを展開します。 1店舗目である「無印良品 500 アトレヴィ三鷹」では、500円以下の日用品を約2000アイテム、全体で約3000アイテムを販売します。
今後「無印良品 500」は、通常の無印良品と比べて売り場面積をコンパクトにし、駅ナカや駅チカ、街中など日常的に来店しやすい生活圏を中心に、2023年2月末までに都心部を中心に30店舗、その後年間20店舗のペースでの出店を計画しているとしています。
<参照>
株式会社良品計画:新業態「無印良品 500」を開始
小売業界ゆるやかに回復
経済産業省が発表した8月の商業動態統計によると、小売販売額が前年同月比で4.1%増の、12兆5210億円に達し、小売業界が緩やかに回復基調にあることが明らかとなりました。
コロナ禍以降3年ぶりに行動制限のない夏休みとなり、外出機会の増加により売上も増加傾向にあるとみられます。
10月11日から始まる全国旅行支援や、インバウンドの水際対策の緩和により、旅行先における旅行客の購買行動がさらなる回復の後押しとなることが期待されます。
いっぽう10月以降も原材料の高騰や円安の影響が懸念され、小売業界には値上げへの対応や顧客離れを起こさない対策が必要とされます。 売上増加を継続できるか、今後の業界動向に注目です。
<参照>
経済産業省:商業動態統計速報 2022年8月分
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