ヤマとは?飲食店で「品切れ」意味する業界用語・由来は?

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飲食店では、スタッフ間の会話の中で日常では耳にしない言葉を聞くことがしばしばあります。その中には業界用語も含まれており、馴染みがない単語もあるでしょう。

「ヤマ」という単語もその1つであり、通常は寿司屋や居酒屋などの飲食店スタッフの間で使用される言葉です。

本記事では、「ヤマ」の意味やこのような業界用語を用いるメリットにはどのようなものがあるのか紹介します。

ヤマとは

「ヤマ(山)」は、日常の中で「テストのヤマ」のように用いられることもあります。しかし、飲食店における「ヤマ」は全く異なる意味合いをもちます。

飲食店における「ヤマ」は「在庫切れ」や「品切れ」の意味です。その由来や似た言葉にはどのようなものがあるか紹介します。

飲食店で用いられる業界用語

「ヤマ」は飲食店の中でよく用いられる業界用語であり、主に「在庫切れ」「品切れ」といった意味合いを持ちます。

たとえば、顧客に出す寿司のネタがなくなってしまった際は「マグロはヤマです」といえます。

この用語はスタッフ同士で用いる業界用語として「ヤマ」を使用するため、顧客に対して用いる言葉ではありません。寿司屋や蕎麦屋などの日本料理店において比較的よく使用されており、居酒屋などの店舗でも使用している場合もあります。

飲食店では特に商品の在庫管理が重要であるため、スタッフ同士での情報交換を円滑に行うために「ヤマ」という言葉を用いています。

「ヤマ」の由来

「ヤマ」の語源は諸説あるとされています。そのうちの1つとして、「山の頂上に到着してしまうと、その先には何もない」という点から、「品切れで何もない」という意味を持つようになったとされています。

江戸時代から使用されているといわれており、古くから親しまれている隠語であることがわかります。

隠語を使わずに「~品切れです」とスタッフ同士でやり取りをしている店舗もありますが、そうした表現を意識的に用いないことを決め、「ヤマ」という単語を使用している店舗もあります。その理由には、「ヤマ」という言葉の言いやすさや、顧客に話の内容を伏せるため、などがあります。

また、寿司屋では、山で笹が採れることから笹切りのことを「ヤマ」と呼ぶ場合もあります。

おすすめ品を意味する「カワ」とともに知られる

「ヤマ」という言葉とともに、「カワ(川)」もよく使用されます。

「カワ」もヤマと同様に居酒屋や寿司屋で用いられる言葉であり、「おすすめの商品に対して用いられる業界用語です。

「カワ」の意味はネガティブなものではないため、隠語を用いず会話する場合もあります。「カワ」という短い単語を使用することで、短い会話で情報伝達ができ、スタッフ同士の連携を円滑なものにできます。

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ヤマなどの業界用語を用いるメリット

業界用語を使用すると、より業務やスタッフの育成がスムーズになるケースが多くみられます。

この項では、こうした業界用語を用いるメリットを紹介します。

1. 素早い情報伝達により業務を効率化できる

業界用語を用いる最大のメリットとして、時短による仕事の効率化が挙げられます。飲食店は時間との勝負である場面が多く、ランチタイムなど特に混雑する時間帯においてはいかに時短できるかが重要となります。

そのような場面で、長い文章や言葉で説明しようとすると、急いでしまっているために正確に相手に情報が伝わらないことや、円滑な業務の遂行の妨げとなってしまいます。

たとえば、飲食店では様々な布巾がありますが、テーブルを拭くものは特に頻繁に使われます。そのたびに「テーブル用布巾」「食卓用布巾」と言っていては時間がかかってしまいます。 また、他のものを拭くための布を誤って使用しては、顧客は良い印象を持たないでしょう。

飲食店ではテーブルを拭く布巾は「ダスター」と呼ばれます。この名称があることで、飲食店は特定の用途にある布を間違いなくスタッフに利用してもらえます。

積極的に業界用語を活用すると、わずかな時間でも短縮できるため、回転率の向上にも期待できます。

2. 来店した顧客への気配りになる

業界用語を用いるメリットとして、顧客への配慮も挙げられます。顧客には聞かれたくない言葉を業界用語に置き換えることで、情報共有が必要な行動もスムーズに遂行できます。

飲食店のスタッフがお手洗いに行く場合、または万が一害虫がいた場合、スタッフの間で共有する必要があります。

こうした状況が直接顧客に理解されてしまった場合、顧客に不快感を与えてしまうと考えられます。

そこで、業界用語を用いれば、顧客を不快にさせることなく必要な情報共有が達成できます。

また、顧客が立て込む忙しい時間帯では、スタッフの間で丁寧な言葉を用いる余裕はありません。余裕がない場面では敬意のない言い方となってしまうこともあり、顧客に聞かれてしまうとイメージダウンになってしまいます。

顧客に対して不快な思いをさせなかったり、スタッフ間で必要な情報を短く共有できるようにするためにも、業界用語を設定しておく必要があります。

3. 職場内での仲間意識やプロフェッショナルとしての意識を高められる

業界用語を用いることは、チームワークの構築スタッフ一人ひとりのプロ意識にもつながります。スタッフにしかわからない言葉をその店舗内のみで共有できることから、スタッフ同士の仲間意識が高まります。

さらに、業界用語として自分たちだけが理解できる言葉という認識を持つことでプロ意識を芽生えさせることにもつながります。これは、特定の業種でのみ使用される用語を話すことに対する特別感から生まれます。

特に学生アルバイトでは、プロ意識を芽生えさせることが難しいことが課題としてあげられます。このような場合に、業界用語を学生アルバイトに使用させることで、特別感を意識させやすくなります。

業界用語やその他の事項を職場で共有することが重要

「ヤマ」は飲食店業界の中ではポピュラーな言葉として知られていますが、入りたての従業員や別の店舗から来たスタッフなどは知られていない場合もあります。

そのため、スムーズな運営のためにも、店内で「ヤマ」を使用する場合はあらかじめ説明しておくことが必要です。

実際に使用していく中では、どの商品が「ヤマ」であるかを正確に伝達することが重要になります。たとえば、顧客から注文をとった後に、その商品が「ヤマ」であったことが発覚した場合、二度手間になるだけでなく顧客からの印象も悪くなってしまいます。

品切れをきちんと顧客に伝えられるように、「ヤマ」である商品はないか、在庫が少ない商品はないかをスタッフ同士であらかじめ共有しておくとよいでしょう。

ヤマの意味や業界用語が持つメリットをおさえ、適切な使用を

「ヤマ」のように、飲食店において頻繁に用いられる業界用語は数多くあり、店舗によって使用している業界用語は異なることもあります。

飲食店を経験している人であっても、新しい職場で使用されている用語に馴染みがない場合もあります。スタッフの教育や研修をしっかりと行い、その中で業界用語についても説明しておくことが必要です。

また、業界用語を教えておくことで、その後のスタッフ間における会話もスムーズになります。その場でしか使えない特別感を持たせることで、新人や学生アルバイトにもプロ意識を持たせる効果も期待できます。

適切に業界用語を使用することで、更なる業務の円滑化が見込めるでしょう。

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    この記事の筆者

    口コミラボ編集部

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