新型コロナウイルスの影響で2020年度から注目を浴び続けているクラウドファンディングですが、失敗事例があることは否定できません。
飲食店で採用されることが多い購入型クラウドファンディングから成功事例を紹介します。成功のポイントについても取り上げます。
飲食店のクラウドファンディングにとって重要なことは何であるかを把握することが、クラウドファンディング成功の鍵となるでしょう。
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飲食店注目のクラウドファンディング
2020年から飲食店経営のための資金調達に利用されてきたクラウドファンディングの仕組みなどを整理します。
特に資金調達以外のメリットは、クラウドファンディング終了後重視すべき項目です。
aurant-2-1">資金調達ができる
クラウドファンディングを利用すれば、プロジェクト単位で資金調達ができることはよく知られているでしょう。
クラウドファンディングには形式があり、飲食店で特に利用されるのは購入型という、クラウドファンディング終了後、支援者にリターンを渡す形式です。
また、目標金額に到達できなければ支援者に返金のあるAll or Noting型と、集まった分だけ支援金が手に入るAll in型のどちらかも選べます。
aurant-2-2">資金調達以外のメリット
飲食店がクラウドファンディングを利用するメリットは、資金調達だけではありません。
たとえば失敗した場合、新規事業や新商品に需要がないという判断をすることもできます。投資金額の比較的小さい、早い段階で計画の練り直しができます。
また、クラウドファンディングをとおして店舗の存在を認知してもらう、プロジェクトへの情熱に共感してもらうなど、ファンづくりのきっかけにもなり得ます。
クラウドファンディング担当者からもらえるアドバイスも参考になるでしょう。
飲食店のクラウドファンディング成功事例
数あるクラウドファンディングサイトのうち大手や飲食に強い事例から、多くの支援者からの支持を集めた人気プロジェクトを紹介します。
失敗しても結果としては成功につながったプロジェクトもあり、これについても取り上げます。
1. 千葉県柏市の飲食店支援
千葉県柏市は飲食店と市役所、インフォメーションセンター、広告代理店が手を組みコロナ対策のクラウドファンディングに挑戦しました。
10%分お得な食事券のリターンとリターン無しの寄付という多くの自治体と同じリターンを採用した柏市ですが、4,000人以上から支援金が届く大盛況でした。その多くが柏市民であり、また高齢層でもこうしたオンラインプラットフォームを経由して支援していたことが語られています。
金額も目標金額の300万円を1,000%以上上回り、成功例としてCAMPFIRE公式メディアでも紹介されています。
柏市は成功要因に、当初広告代理店が作成していた文章について当事者の飲食店による執筆の形をとったこと、それにより思いが伝わりやすかったことを挙げています。
<参照>
街一体を味方につけて、コロナに挑む。『飲食したつもりで柏の飲食店を応援』プロジェクト成功の秘訣 | BAMP
新型コロナウイルスに負けない!飲食したつもりで柏の飲食店を応援! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
2. 鯖料理店の新店舗オープン
飲食店のクラウドファンディング成功事例として、とろさば料理専門店SABARの事例はさまざまな場所で取り上げられています。
同店は2014年に東京進出を目指し、MAKUAKEにて支援者を募りました。しかし支援者は100人強しか集まらず、目標金額1,080万円の2割程度でクラウドファンディングが終了してしまったのです。
一見失敗かと思いきや、当時は目新しかった飲食店のクラウドファンディング挑戦が話題となり、同店は一躍有名店となりました。資金調達面では失敗でも、PRの面で成功体験を得た例です。
<参照>
新しい資金調達の方法!飲食店のクラウドファンディング成功事例: NECモバイルPOS - タブレット(iPad)対応クラウド型POSレジシステム | NEC
サバ料理専門店を倒産危機から救ったクラウドファンディング | ユニーク企業の仰天戦略 | ダイヤモンド・オンライン
Makuake|とろさばを世界ブランドに!とろさば料理専門店「SABAR(サバー)」関東初出店!|マクアケ - アタラシイものや体験の応援購入サービス
3. 老舗焼肉店と著名シェフのコラボ商品販売
都内の老舗焼肉店「焼肉たまき家」はコロナショックの打撃を受けた際、フランス料理店「シェ松尾」のシェフとコラボ商品を開発し販売するために、READYFORを通じて支援金を募りました。
多くのメディアに取り上げられた名店同士のコラボで、クラウドファンディングも目標金額の500万円を100万上回る形で終了しています。
おそらくほかの販売方法でも成功した商品ですが、調理時間が長く一度に作れる量が50食だったため、小ロット販売がしやすいクラウドファンディングを選択したとのことメディアの取材で語られています。
購入者の満足度にも配慮したうえで選ばれた販売方式であり、結果としてネームバリュー以上の話題性を獲得できたと考えられるでしょう。
<参照>
〈焼肉たまき家〉が〈シェ松尾〉元オーナー松尾幸造シェフとコラボ!「極上手造りビーフシチュー」を販売。 | Food | Hanako.tokyo
「焼肉たまき家×松尾幸造」極上手造りビーフシチューを販売します!(株式会社たまき家レストラン 2021/03/09 公開) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)
4. すし店の若手育成を兼ねたランチ予約
飲食特化のクラウドファンディングHAYARUKAでは、スタートアッププロジェクトだけでなくイベントのクラウドファンディングにも対応しています。
都内のすし店「鮨 在」はこのサービスを利用し、All In型で二番手の職人によるランチコースの支援を受け付けていました。
若手職人の育成も兼ねていることはクラウドファンディングと相性が良かったようで、HAYARUKAが新規プロジェクトを受け付けている間は毎回満席だったようです。
<参照>
HAYARUKA(ハヤルカ) - 投稿 | Facebook
広尾「鮨 在」個室担当職人のご紹介ランチの会|HAYARUKA(ハヤルカ)飲食専門クラウドファンディング
aurant-3-5">5. 会員制パフェバーの先行会員募集
都内の会員制パフェバー「REMAKE EASY」では、オープン時にクラウドファンディングを利用しました。
リターンは額面に応じた料理やチケット、会員権です。最高額の支援を選択した場合はVIP会員権に加え、オリジナルパフェの命名権も与えられました。
クラウドファンディングページの魅力的な文章や写真が多くの支援者を集め、目標金額は50万円を桁ひとつ分以上オーバーしました。CAMPFIREから表彰されたプロジェクトです。
<参照>
渋谷の雑居ビルに「完全会員制パフェバー」誕生。CAMPFIRE先行で会員を募集 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
飲食店のクラウドファンディング成功のポイント
プロジェクトが乱立するコロナ禍のクラウドファンディングにおいて、結果を残すプロジェクトにはさまざまな工夫が凝らされています。
成功事例と失敗したプロジェクトの違いを、クラウドファンディング成功のポイントとして解説します。
プロジェクトに関する情報を明確にする
クラウドファンディングはプロジェクト単位で資金を募るため、クラウドファンディングページに掲載する文章や写真は非常に重要です。
プロジェクトを始める動機や実現したいこと、資金の使い道を明確化し、なぜ支援を必要としているのか、支援者にわかりやすく伝える必要があります。写真に限らず動画を利用しても良いでしょう。
有効なリターンを用意する
支援者が支援先を選ぶにあたり、魅力的なリターンを受け取れることも判断材料のひとつとなります。そのため、支援者に欲しいと思ってもらえるリターンを用意しなくてはなりません。
支援者の中にも店舗に来店可能な支援者、そうでない支援者がいるため、複数の支援者像を想定してリターンを考えます。周囲の人に相談してみても良いでしょう。
飲食店のリターンの事例を見てみると、特に採用されるリターンはお礼のメールや手紙、食事券、店のオリジナルグッズなどがあります。シェフによるレシピや、会員制の店舗への招待券、会員権などを使う店舗も見られます。
aurant-4">飲食店のクラウドファンディングサイト選び
クラウドファンディングの人気が高まり、現在複数のクラウドファンディングサイトやプロジェクトが乱立している状態です。
クラウドファンディングサイトの選び方を解説します。また、飲食店と相性が良いサイトについて紹介します。
選び方/飲食店の利用実績・知名度・担当者
クラウドファンディングサイト選びの際は、まずは事業そのものとの相性を考慮する必要があります。
クラウドファンディングサイトにも、飲食店に強いサイトとそうでないサイトがあります。各サービスの成功したプロジェクトを確認し、飲食店に支援したい人が集まるサイトを探さなくてはなりません。
飲食に強いように見えても、あまり知名度が低いサイトでは支援者が集まらないため注意が必要です。
また、担当者との相性も考慮する必要があります。
手数料や決済方法などの金銭面も、飲食店側の都合に合うかどうか事前に確認しておくと良いでしょう。
aurant-5-2">飲食店が利用すべきサービス
大手のクラウドファンディングサイトであるCAMPFIREやREADYFOR、MAKUAMEはすでに飲食店の成功事例も多くあるため、安心して取り組みやすい点がメリットです。
また、上述した飲食専門クラウドファンディングサイトHAYARUKAもありますが、こちらは2021年7月現在、新規プロジェクトの受付を停止しています。
アート系に強いMotion galleryや達成率80%を誇るKibidangoも飲食系プロジェクトが複数見られます。
<参照>
クラウドファンディング - MotionGallery (モーションギャラリー)
飲食店のクラウドファンディング成功のコツは資金調達「だけ」を考えないこと
成功した飲食店のクラウドファンディングページを見ていると、当事者の熱意が支持者に伝わるような工夫が凝らされていることが少なくありません。
また、プロジェクトの進行とお礼の言葉を丁寧に伝え、支援者との信頼関係を構築している例も多数見受けられます。目標額に到達しなくても話題になり多くの支持を得た事例もあります。
飲食店のクラウドファンディングでは、資金調達だけを考えず、事業に対して熱意を持っているかを伝え、支援の感謝を喜ばれる形にして届けることで、支援者にとともに歩んでいくことが成功につながるといえるでしょう。
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