Appleは6月7日、開発者向けの新機能発表会「WWDC 2021」を開催しました。
今回のWWDCではiOS 15やmacOS Montereyなどの新OSが発表されたほか、iPhoneの「マップ」アプリ(Apple Maps)にも5つの新機能が発表されました。
この記事では、Apple Mapsの新機能を中心に、WWDCで発表された内容の見どころを解説します。
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AppleMaps、5つの新機能発表
今回のWWDCでは、Apple Mapsに5つの新機能が発表されました。
1. より詳細な地図をスペイン、ポルトガル、イタリア、オーストラリアにも配信
Appleでは、2019年頃からこれまでより詳細な地図を配信しています。道路の太さや曲線などが現実に即したものとなっているほか、公園内の歩道が表示されるなどの改善が施されています。
まず米国、英国、アイルランド、カナダの4か国で利用されていましたが、今回スペインとポルトガルでもより詳細な地図が利用できるようになりました。
また、年内にはイタリアとオーストラリアでもより詳細な地図が利用できるようになる予定です。
同時に、商業地区や港、建物などの詳細情報と標高に関する情報が地図に追加され、道路の色とラベルが更新されるほか、数百箇所にも及ぶランドマークに3Dモデルが適用される予定です。
なおGoogle マップでも、2020年8月頃から横断歩道や植え込みなどの情報がより詳細に表示されるなど改善が続けられています。
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2. 車道に関する情報を追加、インターチェンジを3D表示
車道の中央分離帯や右左折車線、バス専用車線、タクシー専用車線などの情報が追加されることが発表されました。
また、高速道路において、車道が重なり合った複雑なインターチェンジは3Dで表示されるようになります。
これらの更新は年内に配信される予定です。
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3. 近くの公共交通機関を調べる機能追加
「Nearby Transit(近くの交通機関)」という機能が発表されました。
この機能では、近くの公共交通機関の駅と発着路線、到着時刻が一目でわかるようになります。
また、好みの路線をピン止めしたり、特定の路線をApple Watchで追跡することも可能です。
さらに、今後はApple Mapsで公共交通機関のルート案内を実行している際に、降りる時間になると通知が送信されるようになります。
これらの機能は年内にロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンディエゴ、サンフランシスコ・ベイエリア、ワシントンD.C.で配信され、今後1年間でより多くの都市に配信される予定です。
4. 駅周辺の建物をスキャンするとARでルートが表示されるように
公共交通機関のルート案内を利用しているとき、駅の出口にてiPhoneで周囲の建物をスキャンすると正確な現在地が検出され、画面上にAR(拡張現実)を用いたルート案内が表示されるようになります。
この機能は公共交通機関の機能と同じく、年内にロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンディエゴ、サンフランシスコ・ベイエリア、ワシントンD.C.で配信され、今後1年間でより多くの都市に配信される予定です。
なお、近年はGoogle マップでもAR対応が強化されており、3月には屋内ライブビュー、5月には地図画面からライブビューを利用できるアップデートが発表されています。
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5. 月明かりモードが追加
夜間のための表示モードとして、Moonlit Glow(月明かりモード)が追加されました。
月明かりモードを有効にすると地図の表示が黒ベースになり、3Dモデルが月明かりに照らされたような色に変化します。
<参考>
Apple Newsroom:iOS 15 brings new ways to stay connected and powerful features that help users focus, explore, and do more with on-device intelligence
TechCrunch:Apple Maps upgrade brings more detailed maps, transit features, AR view and more
新OSや新サービス、8つの発表内容を一挙紹介
WWDCではApple Maps以外にも、新しいiOSやmacOSなどが発表されました。
ここからは、WWDCで発表されたOSやサービスを8件ピックアップして紹介します。
1. iPhone、iPod向け次世代OS「iOS15」
iPhone、iPod touch向けの次世代OSとして、iOS 15が発表されました。
iOS 15では、Apple Mapsの更新以外にもFaceTimeへのオンライン会議向け機能の追加、Safariのデザイン変更と拡張機能の解禁、「カメラ」アプリへのOCR機能の追加、通知機能の進化などが目玉となっています。
更に、運転免許証や自宅の鍵をデジタル化する機能も発表されました。
また、「写真」アプリのデザイン変更、「天気」アプリと「メモ」アプリの強化なども施されています。
iOS 15はiOS 14が動作するiPhone全機種とiPod touch 第7世代に対応しており、2021年秋頃にリリース予定です。
2. iPad向け次世代OS「iPadOS15」
iPad向けの次世代OSとして、iPadOS 15が発表されました。
iPadOS 15では主にマルチタスク関連機能が強化されているほか、ホーム画面にウィジェットを置ける機能、AppライブラリなどがiOSから導入されました。
また、Apple Maps、FaceTime、Safariなど、iOS 15のアプリに発表された更新はほぼ全てiPadOS 15にも適用される予定です。
iPadOS 15はiPadOS 14が動作するiPad全機種に対応しており、2021年秋頃にリリース予定です。
3. 次世代macOS「macOS Monterey」
Mac向けの次世代macOSとして、macOS Montereyが発表されました。
macOS Montereyでは、MacとiPadの間でキーボードとマウスを共用できる「Universal Control」が目玉機能とされています。
また、iPhoneやiPadの音声や映像をMacで再生する「AirPlay to Mac」が発表されたほか、Safariのデザインが刷新されました。
Apple MapsやFaceTimeの更新も適用される予定です。
macOS MontereyはLate 2013以降のMac Pro、Late 2014以降のMac mini、Early 2015以降のMacBook AirとMacBook Pro、Late 2015以降のiMac、Early 2016以降のMacBook、そしてiMac Proの全モデルに対応しています。2021年秋頃にリリース予定です。
4. AppleWatch向け次世代OS「watchOS8」
Apple Watch向けの次世代OSとして、watchOS 8が発表されました。
watchOS 8では「呼吸」アプリや「ワークアウト」アプリが強化されているほか、睡眠追跡機能も強化されています。
また、新しいウォッチフェイスが追加され、メッセージがより簡単に書けるようになります。
watchOS 8はwatchOS 7が動作するApple Watch全機種に対応しており、2021年秋頃にリリース予定です。
5. AppleTV向け次世代OS「tvOS15」
Apple TV向けの次世代OSとして、tvOS 15が発表されました。
tvOS 15ではApple TV 4KのスピーカーとしてHomePod miniを利用できるようになったほか、空間オーディオに対応したコンテンツを再生できるようになりました。
また、Siriが強化されており、HomeKitでは複数の監視カメラの映像を同時に表示できるようになりました。
tvOS 15はtvOS 14が動作するApple TV全機種に対応しており、2021年秋頃にリリース予定です。
6. iCloudの課金オプション「iCloud+」
iCloudには、料金を支払うことで追加の保存容量を購入できるオプションがあります。
今回、このオプションが「iCloud+」と改名されました。
同時に、通信を暗号化する「Private Relay」、匿名のメールアドレスを用いてメールを送受信できる「Hide My Email」、監視カメラを何台でもiCloudに接続できる「HomeKit Secure Video」の3機能が新たに発表されました。
7. AppleMusicが空間オーディオに対応
Appleの定額課金型楽曲配信サービス「Apple Music」が空間オーディオに対応しました。
空間オーディオに対応した楽曲を空間オーディオに対応したApple製デバイスで再生すると、前後左右から音が聞こえるような臨場感が味わえます。
8. 既存のAirPodsシリーズに機能更新
Appleのワイヤレスイヤホン及びヘッドホン「AirPods」シリーズにも更新が発表されました。
今回の更新によりAirPodsがiPhoneの「探す」アプリで探せるようになったほか、通知をSiriが読み上げる機能、目の前で話している人の声を強調する機能などが追加されます。
<参考>
Apple Developer:WWDC21
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