本日9月1日より、キャッシュレス決済を対象にした、総務省による新たな経済活性化施策「マイナポイント事業」が始まりました。
利用額の25%分(一人当たり上限5,000円分)を還元化することで、マイナンバーカードやキャッシュレス決済の普及を促進し、消費を活性化させようとするものです。
この「マイナポイント」の仕組みや課題、事業者にとってのメリットや導入方法を見ていきましょう。
※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。
最大5,000円のキャッシュバック「マイナポイント」の仕組み
マイナポイントとは、マイナンバーカードを使って申し込み手続きを行った上で、選択したキャッシュレス決済方法で買い物またはチャージをすることで貯まるポイントのことです。
利用できるキャッシュレス決済方法は「PayPay」や「WAON」「d払い」などで、普段使っているものが使えます。
ポイントは国からキャッシュレス決済事業者を通じて消費者へ、利用額の25%分(一人当たり上限5,000円分)進呈されます。消費者は最大5,000円分の獲得したポイントをキャッシュレス決済時に利用できることから、消費活性化を目指すものとしています。
マイナポイント事業は期間限定で実施される予定で、ポイントが獲得できるのは2020年9月〜2021年3月です。
マイナポイントの予約・申し込み方法:基本はスマホから
マイナポイントを獲得するためには、消費者自身が事前に予約・申し込みをする必要があります。予約・申し込みには
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードの申請時または受取時に設定した「数字4桁」のパスワード
- 決済サービスID/セキュリティコード
が必要です。
予約・申し込みはスマートフォンやパソコンなど自身の端末で行うか、全国各地の市町村窓口や郵便局、コンビニなど全国約9万か所に設置されている支援端末で行います。
申込方法としてはスマートフォンが推奨されており、「マイナポイント」アプリをインストールし、パソコンの場合は「マイキーID作成・登録準備ソフト」をインストールするなど、手続きをします。
マイナポイントの課題
きょうからスタートしたマイナポイントですが、その普及にはいくつかの課題がありそうです。
1. 過半数が「聞いたことはあるが、内容把握していない」
株式会社ICT総研が8月31日に発表したインターネット調査によれば、マイナポイントについて「内容を把握している」が36.8 %、「聞いたことはあるが、内容把握していない」が50.7%、「聞いたことがない」が12.5%という結果でした。
「マイナポイント」という用語を聞いたことがある人は合計87.5%で、認知は進んでいるものの、その内容が把握されていないことから普及が進んでいない様子が伺えます。
2. すすまぬ申込み:7月1日から申込み開始も「登録していない」 83.4%
また同調査によれば、7月1日から申込みが始まった「マイナポイント」について、登録したかどうかを聞いたところ、「登録している」が16.6%、「登録していない」が83.4%という結果でした。
3. 手続きの煩雑さ:開始直前まで「IEしかダメ」
登録が進まない要因に、手続きの煩雑さがあるようです。
そもそも前提となる「マイナンバーカード」が発行されるまで、申込みから1ヶ月かかるうえ、「マイナポイント」の手続きが煩雑だったり使いにくいことが普及の妨げになっています。
それを象徴するのが、PCからマイナポイントに申し込む場合、OSは「Microsoft Windows8.1,10」、ブラウザは「InternetExplorer11」(以下IE11)がインストールされていることが条件となっていたことです。
「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などのブラウザでは申し込みができず「IE11のみ対応」という点に対して、Twitterなどでは消費者から多くの意見が寄せられていました。
Twitter:etoileさん @etoile__libra による投稿
ただし、現在はChrome、Edgeともに拡張機能がリリースされています。
拡張機能を追加することにより、ChromeやEdgeでも申し込みが可能になりました。そのほか、セブン銀行ATMでも申し込みできます。
事業者の最大のメリットは「消費拡大」
2020年6月に終了した消費税増税に伴う「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、キャンペーンを利用する事業者には、キャッシュレス決済に伴う決済手数料の軽減や、キャッシュレス決済端末の無償導入などのメリットがありました。
今後はマイナポイント事業が、事業者にどのようなメリットをもたらすことができるのか、注目されます。
1. 消費拡大
メリットとしては、マイナポイントを活用して買い物をする消費者が増えることで集客力のアップが期待できる点が挙げられます。
2. 新たな手続きは不要
対応している決済サービス(対象となるサービスは電子マネー、プリペイドカード、クレジットカード、デビットカード)を導入していれば、該当サービスをマイナポイント事業で登録している消費者が積極的に利用してくれることが期待できます。
3. ポイント還元の負担は国
付与されるポイントは店舗負担ではなく国が支給することもあり、ポイントの付与によって店舗の売上が減少することもありません。
ただし、マイナポイント事業に参加するための手続きや手数料は不要であるものの、クレジットカードなどの決済手数料は店舗側が負担することになるほか、新たに決済サービスを導入する場合は相応の費用がかかるなどのデメリットもあります。「キャッシュレス・ポイント還元事業」時のように、キャッシュレス決済端末の導入が無償になるなどの国からの支援は、今回は行われません。
マイナポイントによって集客を見込めるメリットがある一方で、決済システム利用による負担もあるため、どちらともいえないというのが結論になりそうです。
ただし、すでにキャッシュレス決済端末を導入し積極的に活用している店舗であれば、「集客率の向上」というメリットに期待できそうです。
<参照>
総務省:マイナポイントとは?
PayPay:話題のマイナポイントを徹底解説!気になる登録方法や使用方法とは?
株式会社ICT総研:2020年8月 マイナポイント利用状況に関する調査
ITmedia NEWS:マイナポイント、セブン銀行ATMで申し込み可能に
まねーぶ:【消費者意識調査】消費活性化策「マイナポイント事業」の期待度は50.2%、申込方法に懸念
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