トランスコスモス株式会社は12月17日、「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021」の結果を発表しました。
本調査では、消費者と企業のコミュニケーションの現状について、DXや消費者の問題解決の観点から検討しています。
「企業に直接届く不満の声は全体の51%に過ぎない」など、企業の担当者が注目すべき多くの事実が明らかになりました。
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消費者の4人に1人が企業とのやりとりで新チャネルを利用
最初に、消費者ー消費者間、消費者ー企業間のコミュニケーションにおける「デジタル化」について調査を行っています。
調査結果によると、消費者同士のコミュニケーションにおいては、世代を問わずデジタル化が進行しているとわかりました。商品・サービスに対する口コミを、SNSや口コミサイトに投稿することなどがこれに該当します。
また、消費者ー企業間のコミュニケーションでも同様の傾向があることがわかりました。現状、企業とのコミュニケーションにおいて、メッセージアプリやチャットボットなどの新チャネルを利用している消費者は4人に1人となっています。一方、電話、実店舗利用も根強いニーズがあり、リアルとデジタルの使い分けが進んでいます。
新チャネルの利用を望む消費者は増加傾向にありますが、その一方、企業がそのニーズに応えきれていないという現状も明らかになっています。
企業が消費者とのコミュニケーションを活発にするためには、新チャネルの環境整備が急務であると言えるでしょう。
消費者はWeb検索で問題解決をはかる FAQの内容拡充や新チャネルの導入が必要
続く調査項目では、消費者が商品・サービスに対して問題を発見してから解決に至るまでの過程(カスタマージャーニー)に注目しています。
調査によると、問題や不満が発生した時、消費者の97%はまずWeb検索を駆使して自己解決をはかるといいます。うち79%は公式サイトの情報やFAQを駆使して自己解決をはかりますが、そこで自己解決できなかった場合には、チャット、コールセンターなどの対人チャネルに移行します。
したがって、FAQの内容拡充や新チャネルの導入によって、企業は消費者の自己解決を促すことができます。
また、問題解決時の顧客体験における消費者の真のニーズは「ストレフリーな体験」です。問題解決に至るプロセス自体を見直すことが、多くの問題の解決に直結するでしょう。
企業に直接届く不満の声は全体の51%…多くは口コミとして拡散
さらに注目すべき点は、口コミの重要性です。調査結果によると、企業に直接届く不満の声は全体の51%に過ぎず、残りの多くはSNSなどに口コミとして拡散されているといいます。
口コミは消費者間のコミュニケーションであり、ほかの消費者の行動に大きな影響を与えます。
企業はSNS等で発信される消費者の本音を拾い上げ、時にはSNS上の声に直接働きかけるなどして、利用促進や問題解決の支援を行っていくべきでしょう。
<参照>
トランスコスモス:トランスコスモス、「消費者が直接企業に伝える声は全体の51%に過ぎない。消費者の本音の多くはSNSに拡散される」との調査結果を発表