ネットショップとは、インターネット上に自店を出店し、オンラインで商品のやりとりを完結させるお店です。最近では、さまざまなサービスの登場によって個人でもショップを開設するハードルは下がっています。
しかし商品によっては、免許や販売許可が必要な種類もあります。
そこで本記事では、個人でネット販売や、ネットショップを開設したいと考えている方が知っておくべき注意事項や開設サービスを紹介します。
個人がネットショップを開設するには
個人としてネットショップを立ち上げるときには、必要な手順を1つずつクリアしながら手続きを進めると効率的です。
本項では、ネットショップ開設の際に実施することと、主な注意事項を時系列に沿って紹介します。
ネットショップの開設手順1. コンセプトや商品を明確に
まず第一に取り掛かるのは、ネットショップの事業計画を考えることです。
ショップ上でどのような商品を取り扱うのか、どのようなコンセプトで売るのかを整理して、立ち上げる前に明確なプランニングを実施しましょう。
この際にコンセプトが明確化されていないと、商品が溢れているインターネット上で魅力や商品を買う価値が十分に伝わりにくくなります。
また、決定したコンセプトを元にどの商品や部品を仕入れ、どの部分を自分で作るのかなども検討します。
仕入れ額や数量、自身での作業コストなどを計算した後には、商品1つあたりどれくらいの利益が出るのかも計算しておきましょう。
ネットショップの開設手順2. ECサイトの形態を選択
ネットショップの開店には、大きく分けてASP型のサービスの利用と、モール型ECサイトの利用があります。
ASP型のネットショップとは、ショップの運営に必要なサービスをプロバイダから借りて出品するシステムです。代表例にはBASEやMakeShopなどがあり、独自のドメインが持てることが特徴です。
一方モール型ECサイトでは、複数のショップや企業が商品を出展するサイトのことを指しており、代表例にはAmazonや楽天市場などが挙げられます。モール型ECサイトでの出店をする場合は、運営方針に合ったサービスを選んで契約を結びましょう。
ネットショップ開設の注意点
ネットショップの開設にあたっては必ず注意しなければならない事項があります。
注意点1. 販売に免許がいる商品・ネットで販売してはいけない商品がある
ネットショップでは、販売に免許がいる商品やネットでの販売が禁止されている商品が存在します。食品、酒類、中古品の販売が代表例です。
たとえば健康食品の販売をする場合には、食品衛生責任者資の資格取得と、食品衛生法に基づく営業許可が必須条件です。
また酒類の販売には通信販売酒類小売業免許、もしくは一般酒類小売業販売免許のどちらかの取得が必要です。他にも著作権を侵害している商品の販売禁止や、各商品に適した表示が義務付けられているなど、様々なルールが存在します。
販売する商品によって条件や免許、申請先が異なるため、ネットショップの立ち上げ前に確認しておきましょう。
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注意点2. 特定商取引法に基づく表示
ネットショップでの販売を含む通信販売を提供する事業者は、定められた記載事項を公開していなければなりません。支払いの時期や方法、商品の引き渡し時期や返品の条件などです。すべての項目とそれぞれに定められている条件は消費者庁のウェブサイトで確認できます。
注意点3. 商品の表示の規則を守る
2つ目に注意しておきたいのは、商品ごとに定められている表示項目を守ることです。たとえば食品を販売する際には、原材料や内容量、販売者を明記しなければなりません。食品以外にも輸入品や洋服類など、商品ごとに必要な記載が異なります。
販売したい商品が実際にどのようにネットショップで販売されているのかを確認するのもよいでしょう。
注意点4. 開業届を出す
ネットショップの開設に伴い、多くの人が誤解しているのは開業届けの有無です。基本的には、開業届けは出さなくても罰則はありません。
しかし開業届けを提出すると確定申告の際に青色申告が選択でき、税金の控除が受けられるメリットがあります。青色申告での計算や書類作成に苦労するという点はありますが、節税したい方は開業届けを提出すると良いでしょう。
また、青色申告をする場合はネットショップで得た利益を振り込む口座を別に用意しておくと、私用の口座と分けられるため確定申告がしやすくなります。
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ネットショップ開設サービス5選
個人でネットショップを開設する際に難易度が低く、インターネットに疎い人でも始めやすいのが、ASP型のネットショップと契約する方法です。
そこで本項では、個人で利用しやすいASP型のネットショップのサービスを紹介します。
1. MakeShop
MakeShop【公式】|ネットショップ・ECサイトの構築・集客に強い!
MakeShopは大手ASPサービスの中で、最も多くのショップ数を誇るネットショップサービスです。
販売手数料が0円で運用でき、業界の中でも最安水準の料金を売りとしています。販売手数料がかからないため売るほどに利益が出やすい仕組みになっており、初期費用や導入コストを抑えて商品販売ができます。
また多数の商品を購入してくれる顧客には、個別に独自のポイント付与も可能です。
そのためリピーターの獲得にも効果が見込め、ネットショップの開設が始めての人でもスムーズに利用できます。プレミアムショッププランでは、月額料金と初期費用共に1万円(税別)となっており、ランニングコストが抑えられます。
2. BASE
BASEは、ネットショップの開設実績で4年連続1位を獲得しているサービスです。
ショップの開設数は150万件以上に上り、オリジナルの商品数が多いことも特徴です。開設するショップジャンルは、ファッションやフード、生活用品など多岐にわたり、カテゴリーごとに豊富なショップデザインが用意されています。
また初期費用無料で始められるため、個人でも手軽にネット販売を始められます。
ショップである程度の利益が出るようになったら、予約販売や顧客管理、ブログなど、機能をカスタマイズしながら追加することもできます。
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3. Shopify
ネットショップ開業を無料体験 | ShopifyでECサイトを構築しよう
Shopifyは国内にとどまらず、世界中の顧客を相手に越境ECサイトを立ち上げたい人におすすめのサービスです。
基本プランでは月額29ドルで運用ができ、ネットショップの規模によってスタンダード、プレミアムなどのプランが用意されています。
また、契約する前には14日間の無料トライアル体験ができるため、いくつかのECサイトサービスと比較したい場合に利用するとよいでしょう。
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4. STORES(ネットショップ)
STORESはASPサービスの中でも、初心者のサポートに特化しています。
サイト上には初心者ガイドが掲載されており、費用面や運営にかける時間がない方に向けの解説や、売上の振り込まれ方などを詳細に明記しています。
プランは月額0円で利用でき、決済手数料が5%かかるフリープランと、月額2178円、決済手数料3.6%のスタンダートプランの2つがあります。月額費用と決済手数料を天秤にかけながら、ショップの成長と共にプランの変更を検討すると良いでしょう。
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5. Squareオンラインビジネス
無料でネットショップを開設するならSquareオンラインビジネス
Squareの特徴はクレジット決済だけでなく、スマホ決済や電子マネー決済への対応サービスを実施している点です。
ECサイトの開設にまつわるサービスにも力を入れており、他にも実店舗とオンライン店舗の売上情報一元化や、テイクアウトの事前決済にも対応しています。
また店舗にてSquareを導入している場合は、ツールの一括化を図れ、効率的に業務を管理できます。
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ショップを開設する上でのポイント
専門知識や運営経験がない場合、ネットショップの開設は最初から軌道に乗るとは限りません。早い段階での集客や、システムの構築を実現するためには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。
本項では個人でネットショップを開設する上で、確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
1. 使いやすいサイトを構築する
ユーザーにとって使いにくいサイトに共通しているのは、全体的にごちゃごちゃしていて、何がどこにあるのか分かりにくいという特徴です。
項目が多すぎるサイトや、ユーザーが直感的に使えないサイトは、せっかく訪れてくれたユーザーが「サイト内離脱」してしまう可能性があります。何も購入せずに去っていくユーザーを減らすためには、購入までのステップの明確化や購入ボタンの装飾、商品とサイトのイメージを近づけるなどの工夫が必要です。
サイト内離脱の理由には、商品や値段が訪れるユーザーニーズとずれているなども挙げられるため、ユーザービリティの観点からサイトの構築を進めると良いでしょう。
2. 利益が出るような仕入れ値と販売価格を設定する
継続的にネットショップを運営するためには、利益を出さなければなりません。
しかし商品が売れた金額がそのまま収益になるわけではなく、ネットショップのサービス利用料や材料の仕入れ費、人を雇えば人件費などが毎月引かれてしまいます。
他にもサービスの一部を外部に委託するための資金や、商品の保管をする場所代など、実店舗ではないといえど費用はかかります。商品によって仕入れ価格やサービス料などは異なりますが、開設する前に「どのくらい売れれば十分な利益が確保できるのか」を計算しておきましょう。
3. 開設後も継続的に集客のための工夫をする
ネットショップを開設したからといって、すぐにユーザーがショップを見つけてくれるようになり集客できるというわけではありません。
運営においては「計画(Plan)」「実行(Do)」「確認(Check)「改善(Action)」からなるPDCAサイクルを回し続け、試行錯誤を続ける姿勢が不可欠です。計画を立てて実行したことの結果を確認し、運営方法の改善に取り組みましょう。
売り上げや利益などの数値化して分析することが重要です。SNSはネットショップの集客に利用できますが、SNSでもエンゲージメントやインプレッションなどの数字が確認できます。
またSNSは画像や動画のコンテンツで商品の魅力を伝えたり、価格やスペックなどの情報も展開できるため利用する価値があるといえるでしょう。
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計画性をもったショップの開設とSNS運用が大切
さまざまなサービスの登場によって、個人でネットショップを開設することは容易になってきています。しかし利益を出し続けることや、安定した顧客をつけることは簡単ではありません。
ネットショップの開設に際しては、材料の仕入れ価格や利用するネットショップのシステムの検討、そして集客するためのSNSアカウントの準備が大切です。
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