集客アップや新たなニーズの発見にもつながるお客様アンケート。適切に実施すれば効果を発揮する一方で、やみくもに実施してしまうとその後の改善につながらなかったり、お客様アンケートの回答率が悪く、有益な情報を集めることすらできなかったりしてしまいます。
そこで本記事では、飲食店がお客様アンケートで盛り込むべき効果的な質問や回答率を上げるためのポイントを解説します。お客様アンケートを実施したい方は、参考にしてみてください。
飲食店におけるお客様アンケート 3つのポイント
飲食店でお客様アンケートを実施する前に覚えておきたいポイントが3つあります。意外とできていないケースが多いので、しっかりと確認していきましょう。
- 目的を明確に設定する
- できる限り「選択回答」にする
- 質問の順番に気をつける
1. 目的を明確に設定する
何よりも重要なポイントが、お客様アンケートを実施する目的です。「なんとなくアンケートを作ろうかな」「やらないよりはやったほうがいいかな」などと考えて、お客様アンケートを実施しようとしていないでしょうか。
お客様アンケートを実施するのであれば、必ず目的を明確にするようにしてください。目的には以下のようなものがあります。
- お客様満足度を知り、マイナス点を改善したい
- 来店のきっかけを聞いて、閑散期の集客アップにつなげたい
- 当店を選んだ理由を知り、さらに差別化していきたい
たとえばお客様満足度を知り、マイナス点を改善したい場合、お客様アンケートで「満足度」と「具体的にどのあたりが不満だったのか?」を聞く必要があります。
目的によって質問内容が異なるので、まずは目的を明確にするところからスタートしてください。
2. できる限り「選択回答」にする
お客様アンケートの回答は、「選択回答」と「自由回答」の大きく2パターンに分かれます。回答者にとって負担が少ないのは選択回答です。丸印をつけたりチェックを入れたりするだけなので、単純に回答率が上がります。
選択回答 |
自由回答 |
料理の味に満足していますか? |
料理の味はどうでしたか? |
とても満足・満足・どちらでもない・不満・とても不満 |
(自由回答) |
3. 質問の順番に気をつける
質問の内容や選択肢だけではなく、質問の順番にも気をつける必要があります。質問の順番によって回答率が上がったり下がったりします。
たとえば、以下の場合はどちらが違和感なく答えられるでしょうか。
質問例1 | 質問例2 |
|
|
多くの場合は質問例1のほうがスムーズに回答できると答えるはずです。
これは少し極端な例ですが、質問の順番にも気をつけてお客様アンケートを作る必要があることを覚えておいてください。
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飲食店がお客様アンケートを実施する方法3つ
お客様アンケートを実施する方法によっても回答率は変わってくるはずです。どのような方法があるのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。
1. アンケート用紙
多くの飲食店で実施されているのが、アンケート用紙を使ったアナログな方法です。
客席に置いておくことでお客様にとっては料理を待っているあいだに回答できたり、どの世代にもわかりやすかったりなどといったメリットがあります。
一方、アンケート用紙を印刷したりペンを用紙したりするのが手間なのはもちろん、集計作業の負担が大きくなるなどのデメリットがあります。
2. オンライン
最近はオンラインでお客様アンケートを実施する飲食店も増えています。たとえばGoogleフォームは無料で使えるうえ、さまざまな形式でアンケートを作成できる点が魅力です。
また、口コミサイト・SNSの一元管理ツールである「口コミコム」では、お客様アンケートを簡単に作成できるだけでなく、アンケートを取り込んで分析することもできます。
少しでも回答率を上げるため、紙ベースでアンケートを実施している方も、オンラインでのお客様アンケートも併用するようにすると良いでしょう。
3. 口頭でヒアリング
規模の小さい飲食店であれば、空いている時間を使ってお客様に直接ヒアリングするのもひとつの手です。
数を集めたり本音を引き出したりすることは難しい一方で、追加で質問できるので細かくヒアリングできる点が魅力です。
ただしヒアリングした際は、Excelなどのオンラインツールもしくは紙のノートなどでもいいのですが、何かしらの形でメモを残しておかないと、社内共有する場合や後から振り返る際に困ってしまう可能性が高いので注意しましょう。
飲食店のお客様アンケートで聞くべき6つの内容
お客様アンケートをする目的によって質問内容は異なります。ここからは飲食店のお客様アンケートで聞くべき内容を紹介します。基本となる質問は以下の6つです。
- 来店者の属性
- お店を知ったきっかけ
- 当店を選んだ理由
- 注文した料理に対する感想
- 店内の雰囲気や清潔感
- 接客の質
1. 来店者の属性
飲食店でお客様アンケートを実施する場合は、来店者の性別や年齢、同行者などの属性を聞くようにしましょう。
たとえば若年層の女性が多い飲食店の場合は、InstagramやTikTokなどを利用したマーケティングを強化したり、ファミリーが多い場合は子ども向けのメニューを充実させたり。属性によってさまざまな対策が講じられます。
例文(テンプレート)
「お客様の年齢を教えてください」
「本日はどなたとご来店いただきましたか?」
選択肢の例
( )歳 / (10代・20代・30代・40代・50代・60歳以上)
(ひとりで来た・友人・同僚・恋人・家族・その他)
2. お店を知ったきっかけ
集客数をアップさせるためにも、お店を知ったきっかけはぜひ聞きたい項目です。
グルメサイト以外にもInstagramやTwitterなどをきっかけに来店する方もいるでしょう。また、地域情報誌や街の看板をきっかけに来店する方もいるかもしれません。
さまざまなチャネルでマーケティングを実施している場合は、お店を知ったきかっけを把握することで注力すべきチャネルが明確になります。
例文(テンプレート)
「(店舗名)を知ったきっかけをお聞かせください」
「あなたは(店舗名)をどこでお知りになりましたか?」
選択肢の例
店頭、CM、テレビ、新聞、チラシ、雑誌、インターネット広告、ホームページ、Instagram、Twitter、Facebook、TikTok、YouTube、地域情報誌、その他
3. 当店を選んだ理由
多くの飲食店が軒を連ねるなか、選んで来店していただけるだけでありがたいことです。さらに集客をアップさせるためにも、「当店を選んだ理由」を聞いておくのがおすすめです。
自身では気づかないような回答が記されていれば、そのポイントをより強化してさらなる集客につなげられます。
例文(テンプレート)
「(他店ではなく)当店をお選びいただいた理由をお聞かせください」
「当店のどこが気に入ってご来店いただきましたか?」
選択肢の例
価格が手頃だったから、口コミが良かったから、お店の雰囲気が良さそうだったから、自宅から近かったから、気になるメニューがあったから、メニューが豊富だから、おすすめされたから、SNSで気になっていたから
4. 注文した料理に対する感想
料理の感想は、今後のメニュー開発や既存メニューのブラッシュアップを図るうえで重要です。
注文したメニューを質問する場合は、記入のハードルを下げるのと、正確なメニュー名を知るためにも自由形式ではなく選択形式で聞くようにしてください。
たとえば「塩分が少なそうだったから」という回答が多い場合、お客様は減塩メニューを求めて来店していることがわかります。意外なニーズがあることに気づけるのもお客様アンケートの魅力のひとつです。
例文(テンプレート)
「ご注文した料理名をお聞かせください」
「その料理をご注文した理由をお聞かせください」
選択肢の例
肉料理が好きだから、写真がおいしそうだったから、野菜が多かったから、値段が手頃だから、SNS映えしそうだから、新メニューだから、塩分が少なそうだったから、期間限定メニューだったから、量が多そうだったから、前回食べておいしかったから、その他
5. 店内の雰囲気や清潔感
店内の雰囲気は、利用するお客さんにとって重要な要素です。清潔感があれば良い印象を与えられる一方、清潔感がないと悪い印象を持たれることもあります。
普段から細かいところまで気をつけているつもりでも、自身では気づかない改善ポイントを知れるかもしれません。
例文(テンプレート)
「お店の雰囲気には満足されましたか?」「(不満という回答があった場合)その理由をお聞かせください」
「お店の清潔感は満足いくものでしたか?」「(不満という回答があった場合)その理由をお聞かせください」
選択肢の例
とても満足・満足・どちらでもない・不満・とても不満
トイレが汚い、テーブルに汚れが落ちていた、食器類に汚れが残っていた、ホコリやゴミが落ちていた、その他
6. 接客の質
接客が気に入ってリピートするお客様がいるほど、接客の質は飲食経営において重要な要素です。
口コミサイトなどに書いてもらえたら、新規顧客の獲得にも効果を発揮します。
例文(テンプレート)
「スタッフの接客はいかがでしたか?」
「『良い』と回答された方は、どのような接客が印象に残っているか教えてください」
「『悪い」と回答された方は、どのような部分でそう感じられましたか?』
選択肢の例
とても良い・良い・普通・悪い・とても悪い
身だしなみが整っていない、早口で聞き取りづらかった、注文にミスがあった、その他
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飲食店のお客様アンケートを効果的にする3つのポイント
より質の高い商品やサービスを提供するためには、効果的なお客様アンケートを実施する必要があります。
より回答率をアップさせるためにも、細かいことまで注意する必要があります。ポイントは以下の3つです。それぞれ解説します。
- 声がけをして協力してもらう
- 回答の目安時間を明記する
- 利用者の属性に合わせたツールを選択する
1. 声がけをして協力してもらう
シンプルな手法ですが、多くの回答を得るためには地道に声がけをする必要があります。
アンケートを実施していることに気づいていないケースもあれば、声がけをすれば意外と気軽に回答してくれるケースもあります。
スタッフ全員で声がけをしたり、アンケートの獲得数に応じてインセンティブを与えたり。一丸となって多くの回答を得るようにしてください。
2. 回答の目安時間を明記する
お客様アンケートの回答に必要な時間を明記すれば、心理的ハードルが下がって回答率がアップすることも考えられます。なかには煩わしさを感じてアンケートに回答しない方もいます。
ただ、アンケートの回答に必要な時間は3〜5分を目安にしてください。それ以上増えると逆に心理的ハードルが上がり、回答してくれないケースが増えるかもしれません。
3. 利用者の属性に合わせたツールを選択する
お客様アンケートを実施する店舗の中には、顧客層とマッチしないツールを利用している場合があります。
たとえば、利用者が20代前半の場合はオンラインがおすすめです。
一方、高齢者が多い飲食店にもかかわらず、オンラインでお客様アンケートを実施しても回答率が上がらないのは当然のこと。利用者の属性に合わせてツールを選択する必要があります。
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