ヤオコー、32期連続の増収増益 コロナでも好調な業績の理由とは

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

埼玉県に本社を置き、関東を中心に約180店舗の食品スーパーマーケットを展開するヤオコーは、コロナ禍にもかかわらず32期連続で増収増益を達成しました。

本記事では、巣ごもり需要の恩恵を受けたスーパーマーケットのなかでも特に好調を見せたヤオコーについて解説します。

関連記事
スタジオアリス、純利益2倍に コロナ禍で記念撮影の需要増
イトーヨーカドーがドラッグストア型売り場をオープン ワンストップ購入できる商品陳列など

ヤオコーなど関東エリアのスーパーマーケット、業績が好調

関東エリアを中心に展開しているスーパーマーケット「オーケー」、「ヤオコー」、「ベルク」、「ロピア」、「まいばすけっと」、「成城石井」は、2020年度の業績がいずれも前期比二桁増を記録しました。

そのなかでもヤオコーは、営業収益が前期比₊10.3%の5,078億円でスーパーマーケット業界6位、32期連続の増収増益という好業績でした。

ヤオコーは1890年に埼玉県の八百屋からスタートし、1958年にスーパーマーケットに業態転換した老舗企業です。

ヤオコー公式サイトトップページ
▲トップページ:ヤオコー公式サイト

巣ごもり需要や1品単価の上昇など

好業績が続いたヤオコーは、2021年度に予定していた10店舗の大型改装を前年に前倒しするとともに、新規出店も積極的に展開しています。

ヤオコーの業績が好調な理由として下記が挙げられます。

1.コロナ禍での巣ごもり需要の継続

新型コロナウイルス感染の拡大により、消費者の外出自粛や生活スタイルの変化により巣ごもり需要が続きました。ヤオコーもその恩恵を受ける格好となりました。

2.バラ売り販売の廃止で1品単価が上昇

ヤオコーの2021年3月期決算の発表によると、既存店の売上高は前期比9.1%増で、客数は同8.9%減少した一方で客単価は18.7%増加しました。客単価の増加は、点数PI値と一品単価の上昇によるものです。

感染症対策により、惣菜やベーカリー商品のバラ売り販売を中止しパック詰めや袋詰めに変更したところ、一品単価が同3.2%増となりました。また客数100人当たりの買上点数を示す点数PI値も同15%増を記録しました。

度々店舗に足を運ぶより一回でまとめ買いをして外出自粛しようとする消費者の動きが広まり、買上点数が増えたことが客単価を押し上げた要因とみられます。

3.広告宣伝費が減少

度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、店舗内の混雑を避けたり商品を安定的に供給したりするために、折込チラシを中止し広告宣伝費が縮小したことも営業利益の好調に貢献したといえます。

ヤオコーの取り組み

2020年度は巣ごもり需要の高まりにより、食品スーパーマーケット全体がその恩恵を受けました。そのため、2021年度の業績は反動を受け厳しい予想を立てる企業が多いなか、ヤオコーは33期連続の増収増益を達成すべくさらなる取り組みに積極的です。

EDLP政策による価格対応

ヤオコーでは、店舗内の密や特定の日に消費者が集中することを避けるためにEDLP戦略を実施しています。コロナが終息した後にEDLP戦略を廃止して消費者に値上がりの印象を与えてしまうことを懸念し、今後も続ける方針を発信しています。

EDLPとは、特売戦略ではなく毎日同じ低価格で販売する手法のことをいいます。

また、ヤオコー商品は、質は良いが値段が少し高めという消費者の認識から、特にヤングファミリー層の支持を得るための商品やアイスクリーム、スナック菓子の価格を強化していく予定です。

関連記事
EDLPとは?価格の一定化で売上向上・HILOとの違いや成功へのプロセスを解説

個店経営戦略の強化

ヤオコーでは「個店経営」を店舗運営方針として掲げています。全店に一律した商品を供給して販売するのではなく、店舗の主体性を重視し、それぞれの地域や店舗のニーズに合わせて陳列する商品を変えていくやり方です。

たとえば、同じ大型店舗であっても客層を考慮して商品を調達したり、シニア層の多い地域であれば少量パックの品ぞろえを増やしたりする対応は、基本的に店舗に任せています。

ヤオコーが旗艦店と位置づける「所沢北原店」を昨年改装し、次世代の店舗づくりに注力しています。新たな旗艦店への集客につなげるための商品づくりを研究し次に活かす戦略です。

今後の見通し

ヤオコーは、千葉県を地盤とする食品スーパーマーケット「せんどう」と資本業務提携することを9月中旬に発表しました。少子高齢化やEコマース市場に対応しさらなる利用客の拡大が期待されます。

2024年3月期までに23店舗の新規出店を計画している第10次中計も発表されました(2019年3月期から2021年3月期の第9次中計では新規出店実績16店舗)。

2022年3月期の業績は既存店売上の大きな反動を想定しており、営業収益5,086億円、前期比₊0.1%と控えめに予想されています。

ヤオコー店舗だけでなく、子会社の店舗拡大にも積極的です。2021年8月にヤオコー子会社であるディスカウントスーパーマーケット「フーコット」の1号店が埼玉県飯能市にオープンしました。2号店の準備も引き続き進めているとのことで、今後も店舗数の拡大が見込まれます。

口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】


MEOに関わるサービス「Googleマップ」「Googleビジネスプロフィール」や、各種地図アプリ・口コミサイトは日々更新を続けており、その全容を把握するのは難しくなっています。

そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。

本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。

※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
※『口コミアカデミー 』にご登録いただくと、レポートの全容を無料でご確認いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】

<参照>
ヤオコー2021年3月期決算説明資料

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

関連するオススメ記事

    この記事の筆者

    口コミラボ編集部

    口コミラボ編集部

    口コミラボ編集部ではMEO対策、ローカルSEO対策、販売促進店舗の口コミデータをもとにしたコンテンツなどを配信しています。