STORESレジはECサイトや決済サービスを提供するSTORESがリリースしたPOSレジです。競合が多い中、STORESの開発・運営をするhey社は他社サービスとの差別化に注力しており、特に在庫管理機能に強みを持っています。
また、レッドオーシャン化するPOSレジ業界の中で、STORESは特定の事業者に訴求する事業展開を心がけたとのことです。こういった状況下で生まれたSTORES決済の特徴や長所、機能などを紹介します。
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STORESレジとは
ECサイトで知られるSTORESはこれまで予約システムやキャッシュレス決済などをリリースしてきました。2021年、ついにSTORESブランドからPOSレジがリリースされたため、まずはSTORESレジの基本的な情報を紹介します。
ネットショップと実店舗を一元化
STORESレジはネットショップと実店舗の売上や在庫を一元管理できるPOSレジです。マルチチャネル化が今後も継続されることを見越して開発されたことをSTORESの開発・運営を手掛けるhey社のデザイナー、井出氏が明かしており、情報の管理のしやすさが魅力のひとつです。
機能は大きく分けると会計、決済、商品および在庫の管理、ネットショップ連携が含まれています。実店舗とネットショップで情報が連携しているため、ネットショップに入ったオーダーを実店舗で即対応することも可能です。
また、周辺機器との連携でさらに多くの機能を利用できます。
<参照>
機能|STORES レジ
STORESレジができるまで - ideyuta.com
STORESのECサイトやキャッシュレス決済と連携
STORESがこれまでリリースしてきたサービスとの連携も可能で、特にSTORESのECサイトとは一体化しているため、ECサイト利用に使われるSTORESアカウントでSTORESレジを利用できます。STORESのECサイトをすでに利用している事業者は、iPadがあれば追加費用なしで今すぐレジの導入が可能です。
STORES決済とも完全連携しており、スムーズにキャッシュレス決済に対応させることもできます。STORES決済にはSTORES決済独自のアカウントが必要なため、連携時には申し込みが必要です。
ネットショップ開設機能付き、小規模事業者のニーズにも合致
hey社CPOの塚原氏は、多くのPOSレジがある中、スモールチームでもマルチチャネル化に対応できることを意識して開発したことを自身のブログで明かしています。
また、同社代表の佐藤氏も日本の中小企業がマルチチャネル化に後れを取っていることを改善したいと述べています。
STORESレジはSTORESのECサイトと一体化しているため、ECサイト利用者がすぐにレジを利用できるように、レジを使い始めた事業者はいつでもECサイトの利用を開始できます。
この仕組みを利用すれば、たとえネットショップ開設のための人員や時間が少ない小規模事業者でも、STORESレジに登録した情報を用いてすぐにネットショップを始めることができます。
<参照>
「STORES」のヘイ、無料のPOSレジアプリを提供--実店舗とECの売上・在庫も一括管理 - CNET Japan
プロダクト作りの活力はいつだってオーナーさんからの反応です|Ayana Tsukahara|note
STORESレジの機能
在庫管理や決済など、競合サービスにも含まれている基本的な機能がSTORESレジには搭載されています。
レッドオーシャンのPOSレジ業界で、STORESレジが特に注力した競合サービスとの差別化のポイントや、その他の機能を紹介します。
在庫管理
STORESレジの大きな特徴として、在庫管理の利便性の高さが挙げられます。これは開発においても注力されていたようで、STORESの既存ユーザーからも注目を集めたようです。
一口に在庫管理といえばどのPOSレジにも備わっている機能のように思えますが、実店舗かネットショップで登録した商品が売れた場合、もう片方の在庫も減少する仕組みとなっています。
反対に在庫の登録時も一度の登録で双方に在庫登録することも、ネットショップと実店舗で在庫を分けることも可能なため、目的に合わせたレジの使用が可能です。CSVからの一括登録にも対応しています。
<参照>
機能|STORES レジ
STORESレジの衝撃 小さなお店こそ知っておきたいECと実店舗の在庫連動の話|山下義弘/ドケットストア店主|note
会計・清算機能
STORESレジに登録した情報はすぐレジに反映され、会計する商品をパネルから探し出すことができますし、情報を登録していない場合は手入力も可能です。
STORESレジの清算機能は売上に限らず、返金や割引にも対応しています。現金の移動も確認できるため、レジ締め作業の手間の減少も期待できそうです。
レジ締め作業が終了するごとに、指定期間の決済方法別売上額を確認することもできます。割引については商品単位の割引、全体の割引の双方に対応しており、軽減税率も商品登録時に設定した税率が適用できます。
STORES決済や他社商品との連携
STORESレジは同ブランドの決済端末のほか、他社商品との連携も可能です。連携している商品にはまずスター精密社やセイコーエプソンまたはインスツルメンツ社のレシートプリンターがあります。プリンターを連携すれば、紙のレシートの発行が可能です。
その他、スター精密社のドロワーやSocket Mobile社のバーコードリーダーを併用すれば、より業務の効率向上が期待できそうです。
売上管理(後日追加)
STORESレジは近日中にリリースされる機能として、売上管理機能を挙げています。この機能を利用すると実店舗とネットショップの売上をリアルタイムで確認できるようになります。
また、清算機能を併用すると各店舗の詳細な売り上げ情報を確認できます。現在は清算ログ内から指定期間の売上を確認することが可能です。
Web管理画面内にある売上管理画面や入金タブページからは、「ネットショップ」での受注分を対象に数字が確認できます。
<参照>
【STORESレジ】売上の確認はできますか? – よくある質問|STORES
STORESレジの費用
スモールチームでもECサイトが始められるというSTORESレジですが、利用料も事業の規模を問わず、誰でも導入しやすいリーズナブルな価格設定がされています。STORESレジ利用時にかかる費用について説明します。
無料プランあり
STORESレジは基本機能の利用であれば無料プランが用意されています。無料プランでもSTORESレジの機能のほとんどを利用可能です。
月額2,178円のスタンダードプランを選択した場合に使えるようになるのはバーコードスキャンや品番表示です。連携バーコードリーダーを使いたい場合はスタンダードプラン登録を忘れてはいけません。
また、クレジットカード決済を選べばスタンダードプランの初回利用料が無料になります。
競合サービスとの比較
競合の多い業界に新たなPOSレジを投入するにあたり、STORES開発チームは複数の競合サービスを参照したことを各スタッフが明かしています。これらのサービスとSTORESレジの違いについて解説します。
ShopifyやSquareとの比較
STORESはPOSレジの比較対象として、同じようにECサイトを持つShopifyやSquareを挙げています。
前述のサービスとSTORESレジは全体的な構造こそよく似ていますが、リーズナブルな価格で豊富なEC機能を利用できる点や、管理画面のシームレスさがSTORESレジの強みです。
また、スモールチーム向けの競合サービスとしてAirレジやスマレジも挙げており、これらのサービスはネットショップとの連携時に料金が発生します。
ECサイトを同時に使えるSTORESレジは、業界内でも極力コストを削減できるPOSレジという立ち位置を得るかもしれません。
<参照>
ECプラットフォーム「STORES」が拡大──店舗とECの情報を同期するPOSレジを提供開始 | DIAMOND SIGNAL
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STORESブランドがリリースした新しいPOSレジは、ネットショップと店舗の一元化に強みを持っています。特に在庫の一元化は事業者としては使い勝手の良い機能でしょう。
また、STORESが以前より運営していたECサイトとの一体化によりEC関連のサービスも同時に利用できること、これからオムニチャネル化を進めたい中小企業にもマッチしそうです。
STORES決済を使っている場合も連携がしやすく、もともとSTORESを利用している場合も使い勝手がよさそうです。
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