西松屋の今後の戦略は?コロナ禍でも好調を維持する理由とは

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子供服を中心に扱い、全国にチェーン展開している西松屋が、コロナ禍でも大幅に増収増益しています。多くの小売業が苦しむ中での、異例の成長です。

しかし実店舗を訪れてもそれほどの客足があるわけではなく、むしろ店内は閑散とした印象さえ漂わせています。にもかかわらず業績が伸びているのには、どういった秘密があるのでしょうか。

この記事では、その西松屋の好調の理由について紹介します。

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西松屋が好調

子供服を扱う大手チェーンである西松屋は2021年2月19日、2021年度2月期における業績予想の上方修正を発表しました。通期の純利益予想を上方修正した企業のなかで、西松屋修正率188.3%と全体の6位につけています。

緊急事態宣言で休業を行った4月も、既存店売上高が前年同月比で2.1%増、5月も8.8%増と健闘していました。

西松屋は以前から安定した成長を続けており、2021年度で25期連続の増収増益となる見込みです。コロナ禍で苦境に陥る小売業が多いなか、異例の成長を遂げているといえるでしょう。

しかし店内は「ガラガラ」

業績は絶好調の西松屋ですが、実際の店舗に足を運ぶと、いつも賑わっているというわけではありません。

コロナの影響もあり、店内はむしろ「ガラガラ」といっていいほどの状態だといいます。

コロナ禍で子供服の需要は低調

さらに子供服業界は、コロナ禍の影響を強く受けています。

コロナ禍により外出の機会が減ったことでアパレル産業自体が大きな打撃を受けています。なかでも子供服は、外出自粛によって記念日や式典などの「ハレ(晴れ)の日」の外出が減少したことで、単価の高いおしゃれ着や礼装などの需要が大きく減少しました。

西松屋が好調を維持する2つの理由

子供服業界はコロナで低調となっており、西松屋自体の客数も決して多くはない状況で、なぜ西松屋は好調な売り上げをキープできているのでしょうか。

ここでは、その西松屋の好調の理由について紹介します。

1. 「混んでいない」「郊外型」の環境がコロナ禍に合っている

もともとベビーカーも通りやすいよう広々とした通路を確保していた西松屋では、確かに店内の客数が少ないように見えます。しかしその環境ならばソーシャルディスタンスも取りやすく、子供を安心して連れて行ける環境でもあるため、ユーザーに受け入れられているといいます。

また、テレワークの普及により、都市圏より郊外の店舗が好調となっています。幹線道路沿いの大型店舗を持つホームセンタードラッグストアなどが、まとめ買いや巣ごもり需要を取り込み成長しています。

西松屋もそのような企業の一つで、2020年2月現在で全国に1006店舗展開していますが、その多くが郊外型の大型店舗です。

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2. 店舗オペレーションの無駄をなくし、人件費削減

以前より西松屋は、徹底したコスト意識により店舗オペレーションを改善し、無駄のない店舗経営を続けてきました。

たとえば、正社員が人手不足を埋める形で長時間労働をしている小売店舗が多いなか、西松屋では正社員が作業に埋没しないよう、各作業を従業員や外注に振り分けています。正社員である店長は、本部からの指示の実行と確認作業、および店舗の改善活動に集中します。結果として、店舗あたりにかかる正社員の人数を減らすことに成功しており、一人の店長が4店舗を兼任するケースもあるようです。

また店舗のオペレーション自体も、効率化を強く意識したものとなっています。レイアウトは全店で統一されたものを採用し、本部から一元管理されています。陳列されている子供服はハンガーで壁にかけて並べてられており、ワゴンや平積みのスペースは配されています。これは服を畳むオペレーションの無駄を省くためです。余計な接客を増やさないために、来店客に積極的に話しかけるようなマニュアルもありません

このような細かい積み重ねによりコストを削減し、人件費を抑えることで、少ない客数でも大きな利益を出すことが可能となっています。

西松屋が好調を続けるワケ-4">今後の戦略は?

子供服業界は、低調な中でもECによる販売を伸ばしています。たとえば子供服を専門に扱うECサービスの「デビロック」は、2020年3月の時点で売り上げ前年比50%を達成しています。そこで西松屋2020年6月からEC事業を拡大しており、2021年夏までに自社の通販サイトも立ち上げるということです。

また、西松屋はメインである子供服以外にも、若い女性向けのカジュアル衣料を自社ブランドから展開しています。親子でペアのコーディネートができるようになっているものもあり、実用性だけでなくおしゃれ着としての用途を意識したものとなっています。さらにピアスなどの小物や雑貨などもあり、新たにターゲットを広げていく可能性もあります。

今後のブランディング商品展開次第では、近年のワークマンのように客層を広げ、その人気を拡大させるようになるかもしれません。

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<参考>
西松屋:決算短信
DIAMOND online:純利益の上方修正率が大きい企業ランキング!6位西松屋、3位武田薬品、1位は?
ITmediaビジネスONLINE:店内は客が少ないのに25年連続増収 西松屋がコロナ禍でも絶好調の理由
繊研新聞社:止まらない子供服の低価格化 ハレの場なくなり日常着の競争激化
@DIMEアットダイム:ニトリ、コスモス薬品、西松屋は純利益が増加、コロナ禍でも「郊外型小売り」が好調な理由
日経ビジネス:縮小市場でも西松屋が連続増収できるワケ
日本経済新聞:西松屋、EC事業を底上げ
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    口コミラボ編集部

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