マーケットセグメンテーションとは?必要な理由と効果、成功事例を解説

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マーケットセグメンテーションとは、市場の顧客属性を細かく分類することをさします。マーケティング戦略のフレームワークの1つであるSTP(エスティーピー)分析の最初のステップでもあり、飲食や小売をはじめ、熾烈な競争が続く業界で勝ち抜くためには欠かせないマーケティング用語です。

この記事では、マーケットセグメンテーションの基本や必要な理由と効果を解説します。さらに、基本となる属性や具体的な成功事例を紹介したのち、STP分析におけるマーケットセグメンテーションの活用方法も解説します。

マーケットセグメンテーションとは

マーケットセグメンテーションとは、市場の顧客属性を細かく分類することをさします。企業や個人事業主が「この商品を売りたい」「いいサービスだから必ず売れる」と思っても市場・顧客のニーズに合わなければ売れません。

そうならないよう、ある地域で生活する人々の情報など基本的な顧客属性を調べて分類するのがマーケットセグメンテーションです。マーケティングで最大の効果を発揮するためには、マーケットセグメンテーション段階での顧客分析をいかに精度高くできるかが鍵になります。

マーケットセグメンテーションが必要な理由

マーケットセグメンテーションが必要な理由は2つあります。

1つ目は、市場が成熟し、消費者ニーズが多様になったためです。現在は商品サービスが多種多様に展開されているため顧客の目も養われました。「作れば売れる」時代は終わり、今の時代は顧客ニーズを分析し戦略的に販売しないと売れません。

2つ目は、テクノロジーの進化により、どの企業でも簡単に効果的なマーケティングが可能になったことです。急速なIT化により情報網は多量・多様・迅速になりました。

消費者一人であらゆる情報を得られ、誰もが情報通になれます。商品サービスの提供者は消費者以上に広く深い視野が必要です。

せっかく商品開発したのに大手の○○に先を越された、とならぬよう「意味のある顧客層」を見つける必要があります。

マーケットセグメンテーションの効果

マーケットセグメンテーションの効果は次の3点です。

  • 顧客ニーズが分かり自社に最適な商品・サービスを提供できる
  • 細分化されたターゲットの心理に訴えるような広告を出せる
  • 戦略的な販売促進や予算配分により自社の利益につながりやすい

特に中小企業では、大企業と同じマーケティングをしても同様の効果を得ることは難しいです。

しかし、自社商品の購買想定層が20代前半の女性だとしたら、テレビなどの媒体による宣伝のように不特定多数に向けるのではなく、インスタ広告などのSNS広告を活用することで費用対効果の高い広告運用が可能になります。

マーケットセグメンテーションの基本となる属性(変数)

マーケットセグメンテーションを行うにあたって、市場を細分化する際に評価軸が必要となります。セグメンテーション分析では、評価軸となるものを「属性(変数)」と呼びます。ここでは、セグメンテーションを行う際に一般的に使われている次の4つの属性を解説します。

  1. 地理学的属性(ジオグラフィック)
  2. 人口統計学的属性(デモグラフィック)
  3. 心理的学属性サイコグラフィック
  4. 行動学的属性(ビヘイビアル)

1. 地理学的属性(ジオグラフィック)

地理学的属性(ジオグラフィック)とは、居住地域、環境や気候、人口密度や面積、経済成長度などの数値です。

地理学的属性は比較的広い視野の指数となりますが、初期段階で必要な項目です。

例えば寒冷地では普通のエアコンだと室外機が凍るなどの問題が生じます。「寒冷地エアコン」ならマイナス25℃でも安心です。

2. 人口統計学的属性(デモグラフィック)

人口統計学的属性(デモグラフィック)とは、年齢・性別・職業・家族構成・年収などが該当します。まさに顧客その人の情報なので商品・サービスと強い連動性があります。

例えば「40代男性」としても、その人が正社員・非正規雇用・経営者であるかにより商品サービスのイメージは大きく変わるでしょう。顧客に直結するため一層丁寧に把握する必要があります。

3. 心理学的属性サイコグラフィック

心理学的属性サイコグラフィック)とは、性格・価値観・ライフスタイル・関心事・趣味趣向などです。

表面的な情報である人口統計学的属性と異なり、内面的個人情報といえますが、可視化が難しい属性です。潜在ニーズを把握するには、心理学的属性の分析をしっかり行いましょう。

口コミやレビュー(他社商品サービス含む)の文面もその対象になります。その過程でイノベーターとなる顧客層が見つかれば、ターゲットを絞り思い切った事業展開が見込めます。

4. 行動学的属性(ビヘイビアル)

行動学的属性(ビヘイビアル)とは、購買日時や使用頻度、情報検索や口コミ・レビュー投稿などです。

心理学的属性とつながりますが、行動パターンや反応といった視点で分析します。ほか3つの属性と若干異なるのは、事後的な側面をもっている点です。

自社の商品開発・広告・販売の結果が目に見えるので、その後の事業を方向づける要素といえます。

マーケットセグメンテーションの成功事例

ここでは、「炭焼きレストランさわやか」と「JINS」のマーケットセグメンテーションの成功事例を元に、4つの属性を関連づけながら成功のポイントを解説します。

マーケットセグメンテーション飲食事例:炭焼きレストランさわやか

ハンバーグチェーンを展開する「炭焼きレストランさわやか」。ある有名女優の地元の味として紹介されて以降、全国に知れ渡りました。

静岡に34店舗展開中で、しかも静岡だけにしか店舗がありません。つまり「炭焼きレストランさわやか」はとくに地理学的属性(ジオグラフィック)にあるといえます。ご当地性という差別化が人気の要素なのです。

参考:ご当地ハンバーグ最強ブランドは静岡のあのお店! 人気の秘密をGoogleマップ・食べログの口コミで徹底調査!

マーケットセグメンテーション小売事例:JINS

「眼鏡を使うのは目が悪い人」というのが常識でした。それを覆し「視力はそんなに悪くないけどPCやスマホで目が疲れる」という声に応えて発売したのが「JINS PC(現:JINS SCREEN)」です。

また、自分でデザインできるサービスJINS PAINT」も展開しています。自分らしく簡単に、お手頃価格でおしゃれを楽しめます。さらにオンラインで簡単にできる点も、ターゲットとする30〜40代男女に人気です。とくに心理学的・行動学的属性をメインに成功した事例といえます。

参考:ジンズ(JINS)はどこへ向かっているのか?

マーケットセグメンテーション後のSTP分析の流れ

まずは、これまでに解説したマーケットセグメンテーションが正しく実施できているかを確認します。

「4R」と呼ばれる4つの評価基準を解説したのちに、STP分析法の残り2ステップ「Targeting:ターゲティング」と「Positioning:ポジショニング」の流れを解説します。

マーケットセグメンテーション評価基準

マーケットセグメンテーション評価基準は4つあります。

  1. 規模の有効性(Realistic)…本当に収益につながる規模なのか
  2. 優先順位(Rank)…確実に成果を上げるため重要度の高いものを選ぶ
  3. 到達可能性(Reach)…商品やサービスを届けられる範囲なのか
  4. 測定可能性(Response)…実施後の顧客の反応などを分析できるか


これらの頭文字をとって4Rです。マーケットセグメンテーションの目的は「顧客ニーズをしっかり捉える」と「商品サービスを開発・広告・販売して自社の業績向上につなげる」ことにあります。

セグメンテーション実施後は、目的に照らして評価しましょう。市場の細分化で見えてきた顧客ニーズを自社のビジョンと融合させるイメージです。あるいは新たな事業展開顧客満足度を上げられるかを見極めましょう。

セグメントと自社商品サービスの照合(ターゲティング

4Rで評価したのち、アプローチすべき顧客層を決めます。つまりマーケットセグメンテーションで分けた顧客層から絞る作業がターゲティングです。

大企業なら同じ商品をすべての地域に展開すると考えるのが一般的ですが、場所を選びそれぞれに合った顧客層をターゲットにするケースもあります。あるいは1ヶ所・1商品限定でコアファンを作る戦略も考えられます。

ターゲットに対する自社商品サービスの差別化(ポジショニング)

ターゲットに対する自社商品サービスの差別化を考えるにあたって、ポジショニングは有効な手法です。せっかくターゲットを絞り込んでも、他社と被ったり類似したりする場合は充分な効果を得られません。

ポジショニングでは、セグメント内において競合の商品サービスと比較します。つまり「立ち位置」を確かめるのです。

価格・品質・企業規模などの指標がありますが、1〜4つの指標に絞り座標軸(ポジショニングマップ)にしましょう。「立ち位置」がはっきり分かります。

マーケットセグメンテーションは差別化がカギ

競合に勝つには、いかに他社と異なる分野を見つけ戦略的に自社商品サービスを投入できるかにかかっています。

まずは、マーケットセグメンテーションを活用しアプローチできるターゲットを絞り込んでください。その後、ターゲティング、ポジショニングにより、競合と比較し唯一無二の立ち位置を定めましょう。

マーケットセグメンテーションの基本となる4つの属性を意識しつつ、より細分化したセグメントを行い、実施することで、それぞれ丁寧に評価・分析すれば自社の強みを活かせる立ち位置が見えてきます。

飲食や小売の店舗においては、売上アップや売れ残り防止にも期待できるでしょう。

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