マイナンバーカードの保有率アップや消費増税の影響による消費の落ち込みの緩和、キャッシュレス決済の普及などを目的として「マイナポイント事業」が2020年9月から開始されます。
本記事では、マイナポイント事業の概要と合わせて、詳しい申し込み方法やお得な活用方法を紹介します。
※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。
マイナポイントとは?キャッシュレス決済利用でお得に
2020年9月1日からの導入に向けて、7月から申し込みが始まったマイナポイントですが、具体的な制度の中身についてはまだまだ理解されていないのが現状です。
そこで以下では、まずマイナポイントの概要について、詳しく説明します。
マイナポイントとは?ポイントはどのように付与される?
マイナポイント事業は、消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目的とし、総務省が中心となって導入した国の事業です。
マイナポイント制度を利用するためには、まずはマイナンバーカードを取得した上で、マイナポイントの申し込みを行います。そして、この申し込みの際に選択したキャッシュレス決済でチャージまたは買い物をすると、25%のマイナポイント(上限5,000円)がもらえます。
実施期間は2020年9月から2021年3月までの7か月間で、対象となるキャッシュレス決済サービスにはクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済などがあり、マイナポイント登録の際に使用する決済方法を1つだけ選択します。
マイナポイントの申込みができるキャッシュレス決済サービスは?
2020年8月6日時点で、マイナポイントに登録できるキャッシュレス決済は、100種類以上あり、今後もその数が増えることが予想されています。そこでどんなキャッシュレス決済が登録できるのか、具体的に紹介します。
メルペイ・FamiPay・auPAY・PayPay・LINEPay・ゆうちょPay・d払いなど17種
■電子マネー
楽天Edy・はまPay・HOPマネー・Suica・ICOCA・PASMOなど45種類
■プリペイドカード
Mijica・ほぺたんカード・マルカ・おさいふHippo・WA!CAなど24種類
楽天カード・イオンカード×WAON・オリコカード オリコポイント・東急カード・三井住友カード Vポイントなど23種類
■デビットカード
SMBCデビット Vポイント・イオン銀行CASH+DEBITカード×WAON
マイナポイントで使用する決済サービスは、申込後の取消や決済サービスの変更はできないので、慎重に選択する必要があります。
マイナポイントのスケジュール
2020年9月から本格導入されるマイナポイントですが、制度の利用に向けてすでに各種スケジュールが進行しています。
マイナポイントを利用するためには、マイナンバーカードの取得が必須です。マイナポイントの利用を希望しているにもかかわらず、まだマイナンバーカードの発行を受けていない場合には、速やかに申請して取得する必要があります。
マイナンバーカードの発行を受けたら、次にマイナポイント予約のためのマイキーIDの設定を行います。マイキーIDの設定は、マイナンバーカードを所持していれば、すでにパソコンやスマートフォンからの操作で設定が可能になっています。
そして2020年7月から始まったのが、キャッシュレス決済サービスの登録です。前章で紹介した決済サービスから1つを選択し、申し込みをします。ただし、制度が始まる9月以前にチャージや購入をしてもマイナポイントの対象にならないので注意が必要です。
マイナポイント取得方法を紹介:マイナンバーカードの申請〜予約方法まで
次にマイナポイントを取得するための、具体的な事務手続きの方法について紹介します。
いずれもそれほど煩雑な手続きではありませんが、パソコンやスマートフォンを利用していない層には難しい部分もあり、日頃パソコンやスマートフォンとあまり接点のない高齢者層への対応が課題として浮上する可能性がありそうです。
1.マイナンバーカードを取得
2016年1月から交付が始まったマイナンバーカードは、本人確認の際の公的な身分証明書として利用できるほか、カードを提示することでさまざまな行政サービスを受けることができるICカードで、交付は現在無料です。
日本に住民票を有するすべての人(外国人も含む)には、すでに12桁のマイナンバーが交付されています。そのため交付申請書または個人番号通知書が手元にあれば、マイナンバーカードはスマートフォン、パソコン、郵送、証明用写真機での交付申請が可能です。
マイナンバーカードの受け取りは、行政から届く交付通知書(はがき)を持参して交付窓口まで受け取りに行く必要があります。窓口ではその場で本人確認が行われ、暗証番号を設定するとカードが交付されます。
2. マイナポイントを予約
マイナンバーカードの交付を受けたら、次に行うのはマイナポイントの予約です。
予約はiPhone(iPhone7以降)、Android、パソコン、マイナポイント手続きスポットで可能で、スマホから行う場合にはマイナポイントアプリのダウンロードが、パソコンから行う場合には「マイキーID作成・登録準備ソフト」のインストールが必要です(2020年8月7日現在、Windowsにしか対応していません)。スマホから作業を行った場合の具体的な手順は以下のようになります。
1. アプリを立ち上げ
2. マイナンバーカードの4桁のパスワードを入力
3. マイナンバーカードを読み取る
4. マイキーIDの発行を受ける
なお、マイナポイント手続きスポットは、公式サイトで確認できます。市区町村窓口・郵便局・コンビニ(マルチコピー機・ATM)・携帯ショップなどが中心で、全国で約9万か所に設置される予定です。
3. マイナポイントを申し込む
スマホの場合、マイナポイントを予約したら、そのまま申し込みをタップすれば、すぐにマイナポイント申し込み画面に移行できます。もし、予約だけして後日申し込みを行う場合には、予約画面に表示されている「マイキープラットフォームトップへ」ボタンをタップしてください。申し込み画面からの操作は、以下の通りです。
1. マイナポイント申し込みの画面に進む
2. 決済サービス検索画面が表示されるので、自分が利用するサービスを選択(決済サービスによっては、店頭からしか申込みができないものがあります)
3. 正しく選択されたか確認し、合っていれば「次に進む」ボタンをタップ
4. 利用規約を確認後、申し込み情報(決済サービスID・セキュリティコード・電話番号<下4桁・任意>)を入力
5. 申し込み内容を確認後、パスワード(暗証番号)を入力
6. マイナンバーカードの読み取り
7. 申し込み情報を確認し、必ずログアウトする
気になる疑問:各社のキャンペーン内容は?事業者の手続きは?
これまで紹介してきたように、マイナポイントの申し込み自体はそれほど難しい作業はありません。しかし新しい制度だけに、制度に対する疑問や、どの決済サービスを利用するのが良いのかなど、疑問点も多いもの。そこで気になるポイントについて検証してみます。
各社のキャンペーン内容は?
マイナポイントの場合、1度選択した決済サービスはその後変更できないだけに、各社が上乗せキャンペーンを展開しています。
キャンペーンの内容で1番多いのが、ポイントとして還元するタイプです。マイナポイントに自社のキャッシュレス決済を登録しただけでポイント還元されるタイプと、登録の上、実際にチャージや決済をした場合に還元される2つのタイプがあります。
例えば、auPAYでは、au PAYまたはau PAYカード(au PAYの公式クレジットカード)のどちらかを登録し、さらに期間内にチャージすると通常の25%の付与率に加え、20%のポイント還元(上限1000円相当)を受けることができます。また、WAONではチャージ額に応じてポイント10%(最大2,000円相当)、Suicaでは最大1,000円相当のポイントが還元されます。
さらに、還元率の高さで目立つのが「ゆうちょPay」で、マイナポイントにゆうちょPayを登録するだけで最大2,000ポイント(2,000円相当)が付与されます。
それ以外にも、ポイント還元と合わせて、別途ポイントプレゼントをするケースもあります。
メルペイでは、マイナポイントへの登録、メルペイへの本人確認、2020年9月1日以降のメルカリでの決済の3つを条件として、メルカリポイントを1,000ポイント(1,000円相当)を上限に付与する以外にも、期間中にマイナポイントにメルペイを登録した人を対象に、抽選で合計約13万名に最大1,000万円相当、総額1億円相当のポイントを付与する「マイナポイント申込みで、総額1億ポイント山分けキャンペーン」も実施しています。
ポイント還元は、ユーザーにとって魅力的ですが、ポイントの還元率だけで選択した結果、自宅周辺では使い勝手の悪いキャッシュレス決済で実際には使う機会がなかったというのでは意味がありません。
そのため、マイナポイントに登録するキャッシュレス決済を選択する場合には、ポイントの還元率だけではなく、自分の利用頻度や使い勝手の良さ、さらには特典ポイントの付与方法や時期などもしっかり確認した上で選択する必要があります。
子供はもらえる?
結論からいえば、子供でもマイナポイントへの登録や利用は可能です。マイナンバーカードの基本となるマイナンバーは、年齢や性別を問わず、日本に住民票がある人全員に交付されています。そのため生まれたての子供であってもマイナンバーは付与されるので、その番号でマイナンバーカードを作成すれば、マイナポイントへの登録が可能だからです。
マイナポイントの申し込みは、規約上は名義者本人が行うこととなっています。しかし申請者が未成年者の場合には、法定代理人名義のキャッシュレス決済サービスをポイント付与対象として申込むことが可能なので、子ども名義で申し込みを行い、キャッシュレス決済は法定代理人である親(または保護者)名義のものを登録することが可能です。
ただしこの場合、親子で同一のキャッシュレス決済サービスを利用してポイントを合算して付与することはできないため、親(または保護者)がマイナポイントに登録したキャッシュレス決済とは異なるキャッシュレス決済サービスを登録する必要があります。
加盟店側に対応は必要?
マイナポイントは、キャッシュレス決済事業者を通じて消費者に対して還元されるものなので、加盟店である商店は、マイナポイント関する申請等の作業は不要です。
ただし、マイナポイントの対象となるのはキャッシュレス決済を行った場合のみなので、対象店舗となるためには、キャッシュレス決済の導入が必要です。
マイナポイントでキャッシュレスの促進は見込めるか:政策・決済サービス
マイナンバーカードについては、1枚のカードに顔写真を含めて個人情報が集約されていることから、所有することや持ち歩くことに抵抗感が強く、それが交付の推進の妨げの一因ともなっています。
しかしマイナポイント事業では、登録時に紐付けを行うだけでマイナンバーカードの持ち歩きは不要であるほか、登録することでキャッシュレス決済時に25%という高いポイント還元を受けることができます。
そのため、マイナポイント事業においては、キャッシュレスサービスの拡大と合わせて、マイナンバーカードの発行者の増加にも期待が寄せられています。
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