デモクラフィックとは年齢、性別、職業、年収、居住地域、家族構成など人口統計学的な属性の一つで、ほかの属性とともにターゲット層を明確にする指標となります。
デモクラフィックに関する詳細なデータがあれば、ターゲットを絞り込んだ内容で効率的なマーケティング活動ができ、自社の収益化につなげられます。カフェやレストランなどの飲食店では、ターゲットに沿った内装を取り入れることでファンの定着にもつながります。
本記事ではデモクラフィックの概要とともに、重要性とデータの活用や収集方法を解説します。
デモクラフィックとは?
デモグラフィックとは、人口統計学にもとづく属性を表し、顧客を詳細に分析する際に使われる用語です。主に年齢・性別・職業・年収・学歴など経済的なデータをさします。その数値をデモグラフィック変数といい、顧客の価値観やライフスタイルなどの把握につながります。
マーケティング戦略のスタートにあたる顧客分析の段階で、商品の見込み層に近いターゲットを見つける際に役に立つ要素です。
デモグラフィックの重要性
デモグラフィックの重要性は、顧客の利用状況を把握することにあります。
つまり顧客のデモグラフィックデータを入手すれば、どのような顧客がどの商品・サービスを購入・利用したかが分かります。
デモグラフィックデータから、当初のターゲット層とは異なる顧客が購入・利用している事実を把握できる場合があります。ターゲットのズレが分かれば、戦略の立て直しが図れるでしょう。また新たなターゲットの発掘や新商品の開発へつながります。
デモグラフィックとサイコグラフィックの関連性
デモグラフィックはサイコグラフィックとも関連しています。サイコグラフィックとはセグメントの心理的属性で、性格・価値観・ライフスタイル・習慣や生き方など内面的な要素をさします。
デモグラフィックデータでは年齢・性別・職業などの表面的なデータしか判別できませんが、サイコグラフィックデータも集めればターゲットの選定が具体的になります。
例えば「30代男性会社員」というデモグラフィックと「外交的かつアウトドア派」というサイコグラフィックを収集すれば、ターゲットがより絞られ効率的なマーケティングができるようになります。
デモグラフィックデータの活用方法
デモグラフィックデータをどの場面で活用できるか説明します。デモグラフィックデータを収集・分析してターゲットの購買意欲に直結させ、自社の業績向上につなげる方法です。
商品やサービスを利用している顧客層が確認できる
デモグラフィックは、どのような顧客層が自社商品・サービスを利用しているか確認する場合に有効です。例えば自社商品(デオドラントスプレー)のターゲットを以下のように設定しましょう。
- 年齢:30代
- 性別:男性
- 居住地域:都市部
- 職業:会社員
- 年収:400万前後
- 学歴:大卒
- 家族:独身
この場合、通勤や仕事で電車を利用したり、知人と会食に出かけたりする機会が多いと分かります。電車内でほかの人に嫌がられないような無臭デオドラントスプレーを販売するとします。
実際の利用状況をデモグラフィックデータで分析したところ、思わぬ事実が分かりました。本来狙った30代独身男性より、50代・60代の既婚男性の利用が多かったのです。逆に30代独身男性は微香タイプのものを選んでいました。
このように、デモグラフィックを活用すれば商品・サービスを利用している実際の顧客層を把握し、ターゲットの見直しを図る材料になります。
ターゲット層がどこにいるのか確認できる
デモグラフィックを活用すれば、ターゲット層がどこにいるのか確認できます。顧客はデモグラフィックの属性に応じて集まる場所が異なります。
30代独身男性であれば、駅周辺のカフェやレストラン、場合によってはフィットネスジムも考えられます。50代・60代既婚男性であれば、休日は自宅かその周辺が主になるでしょう。
広告の出し方もターゲット層のデモグラフィックによって変える必要があります。
30代独身男性であればInstagramやTwitterなどのSNS広告を中心に電車広告もありうるでしょう。50代・60代既婚男性であれば新聞やTV広告やYouTube動画も考えられます。
つまりデモクラフィックを活用すればターゲット層がどこにいるかを確認でき、効率的なマーケテイング活動につながるのです。
適切なターゲットに向けて販売しているか確認できる
実際のターゲット層が正しいものか判断する際にデモグラフィックデータを活用します。マーケティングの方向性が合っているか確認する場合に有効です。例えば比較的高価な商品・サービスのターゲット層を30代独身・年収200万円男性に設定したとします。年収400万・既婚男性や年収800万・50代既婚男性とでは、購入商品の価格をどの程度気にするか変わります。
高価な商品を年収200万の顧客に提供し続けていれば、想定しているほどの販売は見込めないでしょう。デモグラフィックデータは、各顧客層に応じた価格設定になっているか確認する際にも使えます。
デモグラフィックデータを収集する方法
デモグラフィックデータの収集は主に3つの方法があります。ターゲット層を明確にするという目的に沿って収集します。アンケートをおこなう
アンケートの実施はデモグラフィックデータ収集でよく使われる方法です。購入した顧客や見込み客から直接情報を集めます。具体的には、メールマガジンや公式LINEを使ったり、公式サイトを通じてプレゼント付きのアンケートをおこなったりする方法があります。
さらに、Web上のアンケートだけでなく、セミナーやイベントの参加者にアンケートの記入をお願いする方法もあります。時間に余裕があり詳細な情報を得たいときは、対面の場で直接のやりとりができる方法が効果的です。
アンケートを取ることで方向性の異なる顧客層は避けられるため、自社商品・サービスを継続して購入・利用する顧客層を増やすことにつながります。
アナリティクスで客観的な数値を把握する
デモグラフィックデータを客観的に収集するにはアナリティクスも有効です。アナリティクスはサイトのアクセス状況を分析できるツールです。例えば、Instagram、Twitter、YouTubeなどの媒体ではアナリティクスで得られた情報が閲覧でき、アクセスしている年齢層や場所、性別などが確認できます。Googleアナリティクスでも自社サイトに訪問する顧客層のデータを収集できます。
自社商品をいろんな媒体に掲載することで、これらのアナリティクスから情報を得られ、自社サイトの改善や今後の方向性を見直せます。
パネル調査で長期的なデータを集める
パネル調査とは、該当者を固定(パネル化)して定期的・継続的におこなう調査です。つまり同じ顧客に同じ質問を長期的にしていきます。パネル調査を行なうことで長期的なデータを集められ、量的にも質的に濃いデータを収集できます。
例えば、対象の変化を時系列で把握できたり、情報を二重に入力することなく効率的に調査できたりなど、対象者の確保がしやすいというメリットがあります。
デモグラフィックでターゲット選定を成功させよう
デモグラフィックデータは、自社の利益を最大限にさせるマーケティグの基礎といえます。飲食店や小売業など、実際に店舗に足を運んでもらう場合は特に顧客の心を掴むことが収益につながります。また、ターゲットが明確になれば広告・販売促進などの戦略もうちやすくなります。
デモグラフィックデータを正しく活用すると、顧客獲得に繋がる有益な情報を入手できるでしょう。
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