多くの飲食店で導入されているポイントカードやスタンプカードには、リピーターの獲得や、顧客情報の管理といったマーケティングへの活用というメリットがあります。
しかしながらポイントシステムや特典は店舗によってさまざまであり、顧客層や店舗の価格帯によっても大きく異なるため、導入時にはポイント還元率や特典についてしっかりと検討しなければなりません。
そこで本記事では、ポイントカードの種類について触れながら、導入時の注意点、特典の決め方について解説します。
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飲食店が活用できるポイントカードの特徴とメリット
飲食店で導入できるポイントカードには大きく3つの種類があります。
どういった種類のカードを導入するか、それぞれの特徴と自店舗のスタイルを照らし合わせて考えることが重要です。
1.店舗独自のスタンプカード
店舗独自で発行するスタンプカードは、利用金額に応じてスタンプが貯まり、その数に応じて特典が受けられるものです。
たとえば利用金額500円ごとに1つスタンプが貯まり、スタンプが10個貯まったらビールを1杯サービスといった特典などがあります。
このタイプのメリットは、ノルマ金額や特典を自店で設定でき、自由度が高いことです。
準備するのはカード台紙だけと低コストで導入できることも魅力で、台紙はサイズや素材のバリエーションにも富んでいます。
2.店舗独自のポイントカード
スタンプカードではなく「ポイントカード」を導入することもできます。バーコード式やICカード式で、支払金額に応じてポイントが付与されるシステムを指します。
顧客の情報をデジタル管理できるため、どういった層がいつ来店するのか、何を注文したのかというデータを合わせて管理できることもメリットです。
さらに近年ではポイントカードのアプリも提供されており、ユーザーがポイントカードを持っていなくても、スマートフォンさえあればポイントを貯めたり、ポイント残高をアプリ内で管理できたりします。
財布がかさばらないことや、普段から持ち歩いているスマートフォンを利用するため忘れる可能性が低くなるなど、顧客にとってもメリットがあります。
3.共通ポイントカード
共通ポイントカードは業種や地域にかかわらず、あらゆる加盟店でポイントを貯めたり使ったりできるカードです。代表的なものに「Tポイントカード」や「Pontaカード」、「楽天ポイントカード」などがあります。
共通ポイントカードはすでに多くの人が利用していることや、加盟店同士で相互に送客しあえることから、新規顧客の獲得でも大きな効果が期待できます。
しかしながらポイント還元率や特典、キャンペーンなど、店舗で独自性のあるサービスを提供しにくい側面もあります。
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飲食店のポイントカード作成の注意点
集客につながるシステムも重要ですが、ユーザーの視点に立ったサービス内容にすることも欠かせません。
ここではポイントカード作成に際しての2つの注意点を解説します。
1. ポイントのハードルを上げすぎない
1つ目はポイントのゴール設定です。
特典が受けられるまでのゴールを長く設定してしまうと、顧客はハードルを感じてポイントを貯めることを諦めてしまいます。
一般的には、数回の来店で特典を受けられる程度のゴールが目安だとされています。
なかなかポイントが貯まらないポイントカードは、財布を整理する際に捨てられてしまう可能性もあります。
特典までのハードルを感じさせないためにも、カード発行時の即時特典が効果的です。
たとえば500ポイント貯まったらサービスを受けられる場合には、発行時に200ポイントプレゼントするだけで、顧客に「あと300ポイントだったら貯められそうだな」と感じてもらえます。
2. カードタイプの場合はかさばらないものを
ポイントカードを考える際に重要なのが、財布の中で邪魔にならないデザインにすることです。
キャッシュカードやクレジットカードなど、比較的厚みのあるプラスチック製のカードを財布のなかに入れている人は少なくありません。そこにかさばるデザインのカードが加わるのは、望ましいことではないでしょう。
ポイントカードを紙やプラスチックなどのカードとして発行する際には、かさばらない厚さにすることが重要です。
他店舗との差別化を図るには、カードの形状やデザイン性を高めることも効果があります。
飲食店のポイントカードの特典の決め方
どのくらいのペースでポイントが貯まるのか、またポイントが貯まって受けられる特典はどういったものなのかということも、ポイントカード導入時にしっかりと検討しなければなりません。
そこで3つの側面から、特典を決める際のポイントを解説します。
1.2回目に来店したくなる動機づけ
「2回目の来店でドリンク1杯サービス」というように、2回目の来店で特典を付与するとリピーターの獲得に効果的です。
前述のように顧客は多くのポイントカードを所有しています。そのなかで「この店にはまた行くかもしれないから、ポイントカードは持っておこう」と思ってもらうための魅力づくりが重要です。
通常のポイントカードは数回の利用で特典が受けられることが多いところ、2回目の来店ですぐに特典が受けられるのであれば、お得感を抱いた顧客にカードを保持してもらえる可能性も高まります。
2.心理学の効果を活用
「エンダウド・プログレス効果」という、目的に近づくほどゴールを達成することへのモチベーションが高まる心理効果も有効です。
この効果を活かせば、10ポイント貯まると1品サービスが受けられるポイントカードがあった場合、0からポイントを貯めるのと、すでに2ポイント貯まった状態から貯めるのとでは、後者の方が達成率が高くなります。
たとえば10ポイントで特典が得られるカードでも、ゴールを13ポイントに設定し3ポイント付与した状態からスタートすることで、顧客はよりポイントを貯めることへの意欲が高くなります。
3.還元率は5%が目安
特典の還元率を適切に設定することも重要です。
一般的に還元率は5%が目安だとされており、具体的には10,000円の利用で貯まるポイントで500円分の特典付与程度が適切だといわれています。
ただしポイントカードのランクアップ制度を導入する場合、新規顧客に対し、あえて高い還元率を設定することもひとつの方法です。新規顧客が次のランクを目指しやすくなるため、リピーターになる可能性が高まります。
ポイントカードの特徴をふまえて自店舗に合った導入を
ポイントカードには大きく3つの種類があり、それぞれにメリットデメリットがあります。
それ以外にも、ポイントカードを導入する際にはポイント還元率の設定やカードのデザイン、特典内容など細かい部分まで検討しなければなりません。
どういったゴールを設定するのか、またそのゴールを達成するにはどのようなポイント制度にするのかをしっかり計画することが欠かせません。
顧客の目線に立ちながらも、店舗の目標を達成するために適切なシステムを導入することが大切です。
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