くら寿司は12月9日、Z世代を主なターゲットとした店舗「くら寿司原宿店」をオープンしました。
ユニクロのロゴを手掛けたことで知られる佐藤可士和氏がプロデュースし、「世界一映える店舗」をテーマにデザインされています。
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「世界一映える店舗」くら寿司 原宿店オープン
くら寿司は、「世界一映える店舗」を目指した「くら寿司 原宿店」をオープンさせました。佐藤可士和氏をプロデューサーに迎え、「Z世代」をターゲットにした店舗づくりが行われています。
店内には、光る提灯の壁や巨大な浮世絵など、「映え」るスポットを数多く用意しています。また2色クレープが作れる自動クレープマシンを導入して、こちらも「映え」を意識したつくりとなっています。
さらにTikTokで、若者人気が高い影井ひなさんとコラボするなど、話題づくりに努めるとしています。
「Z世代」をターゲットにするワケ
くら寿司は、12月8日に発表した新たな事業戦略の中で、「新たなユーザー層獲得」を目標のひとつに掲げました。
Z世代は、今年の流行語大賞にノミネートされるなど、これからの時代の担い手として注目されています。Z世代は、「スマホネイティブ」でSNSでの発信力や拡散力が高く、流行に敏感です。くら寿司には、クオリティの高い店づくりを行い、話題をつくることで、若者世代の支持を集めたい狙いがあります。
またZ世代は、コロナ禍でも外食意欲が高いとされ、コロナ後の"リベンジ消費"も盛んだと考えられています。今後のコロナウイルスの感染状況の見通しが不透明な中、くら寿司はファミリー層以外の新たな顧客を開拓したい考えです。
「Z世代」向け店舗の落とし穴も…
一方で、「Z世代」は学生が中心のため客単価が低くなっているほか、滞在時間もファミリー層などと比べ長くなる傾向にあります。
さらに「くら寿司 原宿店」はSNS映えをテーマにしているため、写真や動画を撮るなど、滞在時間が長くなる懸念があります。その結果、回転率と客単価がともに低くなるという状況が生まれかねません。
また、原宿は若者流行の中心地で、その最新のトレンドを常に反映しなければ、「時代遅れ」として人気を失ってしまう恐れもあります。
コロナ禍でも好調なくら寿司、今後のカギは
回転寿司業界は、コロナ禍でも好調を維持しています。くら寿司も、10月期の既存店売上がコロナ禍前の2019年よりも増えています。テイクアウトが好調であるのに加え、非接触サービスの導入も人気の秘訣です。
さらにアメリカや台湾も含めたグループ全体で50店舗を新たに開店させ、過去最高の125億円の設備投資を行うなど、積極的な事業拡大を進めています。
Z世代は今後の消費の担い手として重要です。しかし客単価や回転率が低く、売上にどこまで寄与するかは不透明です。さらに流行に敏感なため、常に最新のトレンドを店舗に反映し、飽きられないようにする必要もあります。
コロナ禍で消費スタイルが変わる中、くら寿司は「Z世代」という新たな層にターゲットを定めました。流行に敏感な彼らをいかに取り込め続けるか、また「Z世代」から十分な収益を得られるモデルを築けるかが、今後のカギとなります。
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<参照>
くら寿司:佐藤可士和氏監修 大手外食チェーン初の「Z世代向け店舗」が登場 「くら寿司 原宿店」12月9日(木)オープン
※参考
AdverTimes(アドタイ):くら寿司、Z世代向け新店舗 佐藤可士和監修の「映え」
ITmedia ビジネスオンライン:くら寿司、原宿店で「Z世代」を狙い撃ち 客単価は下がらないのか?:「スイーツ」「映え」がキーワード
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