コロナ禍のスナック街、打開策は?宮崎市のスナック街「ニシタチ」の情報発信事例を紹介!

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11月下旬頃から新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」が到来したといわれており、接待を伴う飲食店や夜間営業を行う飲食店など、いわゆる「夜の街」が3度目の逆風にさらされています。

自治体によっては酒類を提供する飲食店などに対して営業時間の短縮が要請されており、書き入れ時となる年末にかけてのさらなる打撃が懸念されている状況です。

本記事では、新型コロナウイルスの逆風を受けている全国の「夜の街」の現状をふまえ、宮崎市のスナック街「ニシタチ」における情報発信の取り組みを紹介します。

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コロナで逆風「夜の街」の現状

新型コロナウイルスの感染再拡大により、全国各地で「夜の街」が大きな打撃を受けています。ここでは、いくつかの地域における現状を紹介します。

東京都では

東京都は11月28日から12月17日の20日間、酒類を提供する飲食店などを対象に、営業時間を22時までに短縮するよう要請しました。

スポーツニッポンの報道によれば、年末の買い入れ時を目前に控えた時短要請に対し、飲食店からは判断が遅すぎるなどの怒りの声が上がっています。新橋の居酒屋では、11月末の時点で12月の予約はゼロとなり、忘年会シーズン直前の時短要請による売り上げ激減に頭を悩ませているようです。

大阪府では

大阪府も11月27日から12月15日まで、大阪市北区と中央区の酒類を提供する飲食店や接待を伴う飲食店に対し、営業時間を21時までに短縮するよう要請しました。

NHKの報道によると、大阪のミナミにある日本料理店は、例年12月は売り上げがほかの月の倍になるのに対し、今年は予約がほとんど入っていない状態にあるなど、深刻な状況となっているといいます。

時短要請に応じることを決定した一方で、売り上げは非常に厳しくなることを懸念している状況です。

大阪市の松井市長は12月10日、時短要請の期間を延長する可能性が高いと述べており、大阪の「夜の街」へのさらなる打撃が見込まれます。

愛知県では

愛知県名古屋市の繁華街、栄・錦地区の一部でも、11月29日から12月18日まで、酒類を提供する飲食店などで時短・休業要請が要請されました。

日本経済新聞の報道によると、錦3丁目にある居酒屋では営業時間を2時間早め21時にすることを決めましたが、感染者数の増加により来店客数が大幅に落ち込んでいる状況です。

1日2万円支給される時短要請への協力金もありがたいと話すほか、店を開けていても客は来ないと諦めの声も上がっているといいます。

群馬県では

群馬県は11月時点での営業時間短縮要請はありませんでしたが、感染者数の高止まりを受け、12月15日から28日まで伊勢崎、桐生、館林、太田、みどりの5市にある飲食店などを対象に、営業時間を22時までに短縮するよう要請しました。

読売新聞の報道によれば、「夜の街」エリアのスナックなどでは、初めての客の入店を断る店舗も出てきているといいます。安心して店舗を利用してもらうための対応について、店側が試行錯誤している様子がうかがえます。

事例紹介:「夜の街」の情報発信、売上減少の打開策となるか

では、こうした「夜の街」が今後生き残っていくためには、どうすればいいのでしょうか。

新型コロナウイルス流行をきっかけとして開始された、「夜の街」の情報発信における一事例を紹介します。

“日本一のスナックの街”ニシタチが活性化プロジェクト「#スナックプライド」開始

「#スナックプライド」プロジェクト第一弾のメディア
▲[「#スナックプライド」プロジェクト第一弾]:スナックアドバイザー公式ウェブサイト

日本一のスナック街として親しまれている宮崎県宮崎市の繁華街「ニシタチ」を舞台にした、スナックの利用喚起プロジェクト「#スナックプライド」が始動しました。

観光庁「令和2年度 夜間・早朝の活用による新たな時間市場の創出事業」に採択された事業となっており、宮崎県宮崎市に本社を置くQurumu合同会社によって運営されるプロジェクトです。

プロジェクト立ち上げのきっかけとして、「夜の街」に新型コロナウイルスの感染源といったイメージがつき客足が遠のいた結果、ニシタチにあった約1,200の飲食店のうち、コロナ禍で150以上の店舗が閉業となった背景があるといいます。

このような逆境に負けず、ニシタチを盛り上げるだけでなく全国の「夜の街」にもエールを送る取り組みとして、「どんな夜も、明るくいきましょ。」というキャッチコピーのもと実施されています。

プロジェクト第一弾として、スナックの魅力を伝えるメディア「スナックアドバイザー」リリース

本プロジェクトの第一弾として、「スナックアドバイザー」と題したメディアが12月9日にリリースされました。スナックに入る一歩を踏み出しづらいと感じている人に向けて、初心者向けのスナックの楽しみ方や各スナックの魅力を発信しています。

ウィズコロナ時代を意識したハッシュタグでスナックを検索可能
▲[ウィズコロナ時代を意識したハッシュタグでスナックを検索]:スナックアドバイザー公式ウェブサイト

「#お一人さま歓迎」「#静かにゆったり」といったウィズコロナ時代の「おひとり様需要」にも対応できるものをはじめ、多様なハッシュタグから記事を検索できる点も特徴的です。

ニシタチのメイン通りにスナックのママやマスターたちが立ち並ぶサイトトップの画像も、「3密」を避けるために複数回に分けて撮影したものを組み合わせて作成するなど、感染対策に配慮した工夫がみられます。

スナックの入り口
▲[スナックを紹介するスナックとして準備中]:スナックアドバイザー公式ウェブサイト

また、本プロジェクトでは、メディアだけでなく「スナックの入り口」という"スナックを紹介するスナック"の店舗もオープンしています。スナックアドバイザーの運営メンバーがカウンターに立ち、来店客の希望に応じておすすめのニシタチのスナックを紹介する仕組みです。

さらにプロジェクトのポスターも宮崎市内外に100枚掲出し、ニシタチのスナック利用の需要喚起に取り組むとともに、今後も日本一のスナック街から新しい「夜の街」のあり方を発信するとしています。

「#スナックプライド」から学べること

「#スナックプライド」プロジェクトから、新型コロナウイルスの流行下における「夜の街」の活性化に向けた取り組みを実施する際、以下の3点が参考になるのではないかと考えます。

1. 抵抗感を減らす

まずは「夜の街」に対する抵抗感を減らす方法です。「スナックアドバイザー」では、スナックに行きたいけど抵抗があるという人に情報を発信しています。

新型コロナウイルスの影響で、現在は「夜の街」全体が避けられる傾向にあるといえます。しかし、店舗の感染予防対策などを積極的に発信していくことで、来店客に安心感を持ってもらうことが可能です。

2. 協力して情報発信する

2つ目は、協力して情報発信することです。苦境に立たされている「夜の街」では、店同士や地域住民同士で助け合い、需要を喚起していくことが1つの有効な手段として考えられます。

たとえばメディアであれば、1店舗だけで撮影・編集・公開といった作業を継続していくのは難しいといえます。

一方「スナックアドバイザー」は宮崎市の企業Qurumu合同会社が運営しているもので、「ニシタチ」に属する各店舗も協力しており、まさに地域内で助け合って成立しているメディアだといえるでしょう。

3. アナログな発信との併用

3つ目は、メディアなどによるデジタル発信とポスターなどによるアナログ発信を併用することです。地域に向けた発信では、チラシやポスターといったアナログな手法が有効です。

なかでも、スナックなどは遠方からの来店客より地元の常連客が多いことが考えられるため、地域住民への訴求は欠かせません。

「#スナックプライド」が取り組む、ポスターの掲出や初心者向けスナックの運営は、ほかの「夜の街」でも参考にできる方法といえます。

魅力を伝えるとともに、安全・安心をアピールする情報発信を

このように、新型コロナウイルスの感染拡大により「夜の街」への客足が遠のいている今だからこそ、積極的かつ継続的に情報発信していくことが需要喚起につながります。

そしてもちろん、クラスターの発生などを防ぐための感染防止対策も徹底して行うことも重要です。

ただし感染防止策を実施していても、それが伝わっていなければ来店客になりうる人々の不安を取り除くことはできません。魅力を伝える取り組みと並行して、安全・安心をアピールする発信も必要となってくるでしょう。

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