自粛「長引くほど効果薄く」なる可能性…飲食店来店データから(TableCheck調べ)【飲食業界動向まとめ 2021年4月】

4月の飲食業界は、休業要請や時短要請が行われ、厳しい月となりました。

5日以降、大阪府、兵庫県、宮城県などで「まん延防止等重点措置(以下、まん延防止措置)」が適用され、その後25日には東京都、京都府、大阪府、兵庫県で3回目となる緊急事態宣言が発出されています。

一方、飲食店向けに顧客管理システムを提供するTableCheckの調査によれば、過去の緊急事態宣言下では期間の後半で飲食店における来店人数が微増傾向となったことから、自粛が長引くほどその効果が薄くなってしまう可能性が指摘されています。

本記事では、2021年4月の飲食業界の動向についてまとめます。

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4月の飲食業界動向

3月21日で2回目の緊急事態宣言が解除されたことと、入学や入社などの季節的な行事に伴う会食などから、4月に入っての飲食店への来店人数は回復傾向にありました。

しかし、新型コロナウイルスの感染再拡大によって、4月5日の大阪府、兵庫県、宮城県でのまん延防止措置の適用から始まり、4月25日の東京都、京都府、大阪府、兵庫県での3回目となる緊急事態宣言の発令など、飲食店を取り巻く状況が日々変化し、厳しい月となりました。

以下では、4月の飲食業界の現状に関する各社報道・データを紹介します。

まん延防止等重点措置/緊急事態宣言発令

新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、4月5日に「まん延防止等重点措置」が大阪府、兵庫県、宮城県で適用されました。

まん延防止措置では、対象地域の飲食店などに20時までの営業時間の短縮と19時までの酒類提供、マスク着用などに応じない客の店舗などへの入場禁止、カラオケ施設の利用自粛、飲食店に対してのアクリル板の設置などが要請されていました。

しかし、その後も全国的に新型コロナウイルスの感染拡大は続き、4月12日に東京都、京都府、沖縄県、4月20日に埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県にもまん延防止措置が適用されることとなり、さらに4月25日には東京都、京都府、大阪府、兵庫県で3回目となる緊急事態宣言が発令されました。

酒類提供またはカラオケ設備を提供する飲食店などに対しては休業要請、それ以外の飲食店については20時までの時短要請が行われています。

宣言の解除は当初5月11日とされていましたが、31日まで延長されることとなり、愛知県と福岡県も対象地域に加えられます。

4月の各社報道からわかる飲食店の現状

4月は新型コロナウイルスの感染再拡大、まん延防止措置の適用、3回目の緊急事態宣言発令など、飲食店に影響をおよぼす大きな動きがありました。

大手報道機関は、再度の緊急事態宣言に疑問を感じたり、酒類の提供ができず休業するしかないという状況に迫られたり、さまざまな反応を報道しています。

以下に、一部を抜粋してまとめます。

 午後8時、オムライスやカキフライなどが人気の老舗洋食店は、早い閉店を客にわびながら、この日の営業を終えた。普段はビールやグラスワインを提供しているが、今回の宣言を受け、酒類提供も見合わせた。オーナー(68)は「時短要請は守らざるを得ないが、最後の1時間にかえって来客が増えて密になる。大型連休中は、さらに短時間に客が集中するのではないか」と危惧していた。

大衆酒場「豊年満作」は店頭に「酒類の提供は控えさせていただきます」という張り紙をし、酒メニューの代わりに「ノンアルコール」のメニューを用意した。同店の店員は「4月最後の3日間は営業するが、5月からは休業して協力金を受け取る。感染拡大防止のためにはやむを得ないが、営業は厳しい。5月11日で何とか終わってほしい」と話す。
焼きとり専門店「つるや」は、酒類提供ができない28日から5月11日まで休業することを決めた。男性店主は「焼きとり店で酒を提供できないのは話にならない」と落胆する。同店では休業中に店にある食材が無駄にならないよう、冷凍保存して措置の解除を待つという。

自粛期間、長引くほど効果薄く…TableCheck調べ

株式会社TableCheckは4月27日、自社の顧客管理システムを導入している飲食店における来店人数データを元に、2021年4月25日までの集計データを公表しています。

それによると、3回目の緊急事態宣言が発令された4月25日(日)の飲食店の来店人数は22.5人で、前の週の18日(日)37.5人と比べ、40%といったんは大幅に減少しました。

しかし、1回目と2回目の緊急事態宣言の週ごとの来店人数の推移では、どちらも3、4週目あたりから来店人数の減少が収まり、5週目以降からは増加する傾向がみられていたのです。

自粛 効果
▲過去の緊急事態宣言では、3、4週目あたりから来店人数の減少が収まり、5週目以降からは増加する傾向に:TableCheckデータより

このことから、まん延防止措置や緊急事態宣言による自粛要請期間が長引くほどその効果は薄くなると考えられ、4月5日からまん延防止措置が適用された大阪府、兵庫県、宮城県では自粛期間は5週目となるため、時短要請や外出の自粛といったこれまでと同じ措置で効果が持続できるかは疑問となるのではないかということです。

自粛 効果
▲自粛要請期間が長引くほど、その効果は薄くなることが想定される:TableCheckデータより

なお、2021年4月のランチとディナーの来店人数と2019年同月との比較ではそれぞれ、ランチで43.5%減、ディナーで66.9%減という結果になり、コロナ禍で大打撃を受けている飲食店経営の苦しい状況がみえてきます。

居酒屋チェーン、続々と「非居酒屋」業態へ進出【時短要請を乗り切る飲食店の取り組み】

4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言では、酒類の提供やカラオケ設備を提供する飲食店に対して休業要請が出されるなど、2回目の緊急事態宣言よりも飲食業界に対して厳しい措置が取られています。

このコロナ禍を乗り切るためのさまざまな工夫や施策を取っている飲食店を紹介します。

ワタミ、三光マーケティングフーズなどの居酒屋業態、「非居酒屋」を主力に

居酒屋の「和民」などを運営するワタミは、居酒屋業態の売上がコロナ禍で市場規模が半減していることから、フライドチキン店など非居酒屋の売上高を2023年の3月期までに全体の5割以上に引き上げる計画を発表しました。

現在の居酒屋320店のうち80の店舗を焼肉店に転換させ、2022年にはフライドチキン店を80店、唐揚げ店を200店新規出店し、酒類の販売で稼げない分は固定費の削減と店舗数を増やして売上高を稼ぐ収益構造としています。

同様に、居酒屋「金の蔵」などを運営する三光マーケティングフーズでは、居酒屋のうち40店以上を閉店し、すし店の「まるがまる」と焼肉店の「焼肉万里」を6店増やしたため、2021年内に非居酒屋が全店舗の半数を超える見込みです。

「鳥貴族」を運営する鳥貴族ホールディングスも8月に新業態のチキンバーガー店を都内で開業する予定で、居酒屋チェーンの各社は「脱酒類」で昼の業態で生き残りを目指しています。

関連記事
鳥貴族が「チキンバーガー専門店」展開、8月から

居酒屋「炉暖」で人気だったプリンをメインに「私のプリン食堂」オープン

大阪で「炉暖」などの居酒屋を7店展開していたMAJIMAは、2020年売上高が前年比8割減に落ち込みました。

そこでこれまで経営してきた居酒屋から業態を変え、唐揚げのテイクアウト店やラーメン屋など昼の飲食店に転換したほか、2021年4月3日には大阪名物のミックスジュースをイメージしたプリンカフェ「私のプリン食堂」をオープンしました。

私のプリン食堂は、居酒屋時代に人気だったプリンを使ったMAJIMA初の女性客をターゲットにした店舗で、オープン2日間で3,000個のプリンを完売させました。

プレスリリースによれば、店舗への来店人数がコロナ禍の100倍、売上高は30倍となったそうです。

4月に始まった飲食業向け支援

まん延防止措置や3回目の緊急事態宣言など自粛が続き、さらには酒類提供の禁止もあって厳しい状況にさらされている飲食店に対し、自治体などが実施している支援をいくつか紹介します。

荒川区独自:飲食店へ訪問し感染症対策のアドバイスや補助金制度の紹介

荒川区では区内の飲食店に対して、区の産業振興課と保健所の職員が直接店舗を訪問しての感染防止対策と感染予防対策費用の補助制度の説明、紹介をする支援を実施しています。

また、国からの雇用調整助成金や一時支援金、時短営業に対する感染拡大防止協力金などへの申請手続を支援するため、区役所内に中小企業診断士などの専門スタッフが常駐する窓口を4月1日から6月30日までの予定で開設しています。

新潟県魚沼の信用組合、オードブルを贈る「幸せのリンゲージ運動」

新潟県の魚沼地域では、地元の信用組合が始めた、1個3,240円のオードブルを贈る「幸せのリンゲージ運動」という取り組みが広がっています。

信用組合の取引先飲食店に声をかけ、一律の値段で電話で1個からオードブルを注文できる仕組みを作り、新聞の折り込み広告や信用組合の店頭、地域の店舗などにチラシを置いて宣伝を行っています。

現在5地域で合計48店舗のメニューを展開し、開始から4月23日までの販売個数は1,292個となり、販売総額は418万円に達しています。

4月に発表された飲食業関連のデータ紹介

ここでは、4月に発表された飲食業関連のデータを紹介します。

日本フードサービス協会、外食産業市場動向調査 3月度結果発表

一般社団法人日本フードサービス協会は4月26日、加盟会社を対象にした2021年3月度の外食産業市場の動向調査結果を発表しました。

それによると、3月は2回目の緊急事態宣言が解除されたものの飲食店の時短要請が継続されたため、飲食業界全体の売上高は前年同月比97.1%となり、コロナの影響がなかった前々年同月比では80.4%となりました。

なかでも、酒類の提供を19時までと制限された「パブ/居酒屋」への影響は大きく、売上高は前年同月比60.3%、前々年同月比32.1%と厳しさが増しています。

一方で「ファストフード」は巣ごもり需要で堅調が続き、ハンバーガーなどの「洋風」の売上高は前年同月比109.1%、前々年同月比では107.9%となりコロナ前の売り上げも上回りました。

博報堂が「来月の消費予報・5月」を発表

広告代理店博報堂のシンクタンク・博報堂生活総合研究所は4月26日、1,500名へのアンケート調査による「来月の消費意欲」を点数化した、「来月の消費予報」の5月度調査結果を発表しました。

5月の消費動向調査結果
▲来月の消費予報・5月:博報堂生活総合研究所

それによると、全体の消費意欲は47.6点で前月より-0.1点となり横ばいですが、前年同月比では5.1点のプラスとなりました。

また、カテゴリ別の消費意向で「特に買いたいモノ・利用したいサービス」として回答した人数では、1位「ファッション:210人(前月より36人減)」、2位に「食品:191人(15人増)」、ついで3位に「外食:170人(28人減)」という結果となりました。

消費意欲指数の自由回答での理由を見てみると、消費にポジティブな回答は前年245件から今回の368件と増加し、ネガティブな回答は前年1,096件から今回875件と減少しています。

カテゴリー別消費意向でも16あるカテゴリのうち、10のカテゴリで20人以上増加しており、2020年に落ち込んだ消費意向が回復していることがわかります。

消費意欲の回復を実際の経済回復につなげられるよう、ワクチンの早急な供給や店舗の規模にあった補償など、より効果的な対策が求められます。

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<参考>
NHK NEWS WEB:「まん延防止等重点措置」きょう適用開始 対象地域では…
NHK NEWS WEB:緊急事態宣言31日まで延長へ 政府 愛知と福岡も加える方針
東京都防災ホームページ:新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等について(令和3年4月23日発表)
京都府公式サイト:京都府における緊急事態措置(令和3年4月23日決定)
大阪府公式サイト:緊急事態措置(令和3年4月25日から5月11日まで)について
兵庫県公式サイト:飲食事業者に対する休業・営業時間短縮等の要請について
TableCheck公式ブログ:【週次更新】コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移 ※2021年4月27日更新
日本経済新聞:ワタミ、「非居酒屋」を主力に 23年3月期売上高で
PR TIMES:コロナ禍で「売り上げ8割減」の居酒屋7店舗運営企業が業態チェンジに奮闘 プリン3000個完売
荒川区公式サイト:【荒川区独自】区内の飲食店に訪問し、新型コロナウイルス感染症対策のアドバイスや支援策の紹介をしています!
日本経済新聞:オードブルで「共助」の輪を 地産地消で飲食・旅館支援(新潟県南魚沼市)
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査2021(令和3)年3月度結果報告
博報堂:博報堂生活総研[来月の消費予報・2021年5月](消費意欲指数)

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この記事の筆者

口コミラボ編集部

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